インバウンド関連の新たな市場として、外国人デジタルノマドが注目されています。
本記事では、外国人デジタルノマドとは何か、日本の主要な誘致の動きなどについて紹介します。
外国人デジタルノマドとは?
そもそもデジタルノマドとは、ITなどのデジタル技術を活用して、一定の場所に留まらずさまざまな場所で働くことです。
ノマドワーカーの多くは欧米人だといわれていますが、コロナ禍でリモートワークが普及してからは日本での認知度も高まっています。
現在のインバウンド市場においては、一般的な旅行客だけではなく、外国人デジタルノマドをいかに受け入れるかも重要なポイントのひとつに。
というのも、デジタルノマドワーカーの多くは年収が平均よりも高く、一般旅行客よりも長期滞在する傾向があることから、経済効果が大きいといわれているためです。
コロナ禍ではこの経済的なメリットに注目して、インバウンドの代わりにノマドワーカーを受け入れる施策を検討した国もありました。
2024年4月から日本でもデジタルノマドのためのビザ制度がスタート
日本でも外国人デジタルノマドを受け入れるための対応が始まっています。
2024年4月には「デジタルノマドビザ」の制度が開始されました。
デジタルノマドビザは、日本でIT技術を使ったリモートワークをしたい外国人とその家族が、日本に滞在するために用意されたものです。
ビザの取得条件には、以下のようなものがあります。
<デジタルノマドビザの取得条件概要>
- 滞在期間は6か月以内(更新不可)
- 査証免除国かつ租税条約を締結している国・地域の人
- 年収1,000万円以上の人
- 医療保険に加入している人
参考:出入国在留管理庁
なお、デジタルノマドビザでの日本滞在中のアルバイトは認められていません。
滞在期間も6か月以内に限定されており、延長できない点もポイントです。
このデジタルノマドビザの登場により、多くの外国人デジタルノマドの来日が期待されます。
これにあわせて、全国のさまざまなエリアで、外国人デジタルノマドを受け入れるための取り組みも始まっています。
デジタルノマドの滞在先に選ばれるポイント
デジタルノマドワーカーが滞在先を選ぶときに重視するポイントは、主に以下の3点だといわれています。
- 長期滞在できる手頃な生活費かどうか
- 安全に滞在できるかどうか
- 余暇を楽しめるかどうか
円安の今、安全で観光大国でもある日本は、外国人ノマドワーカーにとって絶好の滞在先だといえるでしょう。
外国人ノマドワーカー受け入れのための取り組み
日本での外国人ノマドワーカー受け入れのための取り組みは、福岡県が一歩リード。
福岡市はコロナ禍の2021年から都市型ワーケーションに取り組んでおり、2023年には国内外のデジタルノマドワーカーが交流する「Colive Fukuoka(コリブフクオカ)」を開催しました。
「Colive Fukuoka(コリブフクオカ)」は2024年も10月1日〜10月31日まで開催中で、アジア最大級のデジタルノマドプログラムにまで成長しています。
このプログラムでは、ノマドワーカーたちに福岡市や九州の魅力を知ってもらったり、ワーカー同士が交流することによるイノベーションの創出を促したりするのが目的です。
福岡市の例は都市型かつ大規模な取り組みの事例ですが、外国人デジタルノマドの受け入れは、地方や一部のエリアでも十分可能です。
生活コストの低さや、日本の文化・生活をより濃く感じられるという面では、都市部よりも地方のほうが人気が出る可能性もあるでしょう。
受け入れには、通信環境を含めたインフラの整備や地域住民の理解、効果的なプロモーションなど多くの課題がありますが、今後活発になっていくであろう外国人デジタルノマドの誘致にぜひ挑戦してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。