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「食品ロス」が「感謝」されることに! フードバンクのあらゆる可能性とは

ここ数年、「フードロス」という言葉を耳にする機会が増えたように思います。農林水産省によると、日本における年間の食品ロスは523万tとされており、そのうち外食産業では、年間の食品ロスが80万tとされています。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html

日本人が一生の間に食べる食料の重さは推定で50t程度と言われているので、約16,000人の一生分の食事がたった1年で外食業界によって捨てられている計算になります。フードロスへの関心が高まる中、注目されるようになってきたのが、「フードバンク」です。本記事では飲食店にも関わりが深い、フードバンクについてメリットやデメリットを合わせてご紹介します。

フードバンクとは、安全に食べられるが、包装に破損、過剰在庫、印刷ミスなどの理由で通常の流通に供給できない食品を企業などから受け取り、それらを必要としている施設、団体、困窮世帯に無料で提供する活動です。

詳細の情報や実際に食品寄贈を検討される方は下記をご覧ください。
https://www.fb-kyougikai.net/

飲食店がフードバンクに参加するメリットをご紹介します。

①食糧不足層への貢献
飲食店が余剰食品をフードバンクに提供することで、地域内の食糧不足や栄養不良を軽減する役割を果たします。

②社会的結束
飲食店が地域のフードバンクと協力することは、地域社会の結束を高める一因となります。飲食店は地域と密接に結びついており、地域コミュニティと連携して社会的貢献を行うことで、コミュニティ全体の協力を促進します。

③食品廃棄物の削減を通じた廃棄コストの軽減
飲食店からの余剰食品をフードバンクが受け取ることで、食品廃棄物の削減に貢献します。飲食業界は食品廃棄物の主要な発生源であるため、フードバンクへの参加により、環境に対する負荷を減少させるとともに、廃棄コストを軽減することにつながります。

④経済的活性化
フードバンクへの参加により、飲食店は地域経済に対するポジティブな影響をもたらします。余剰食品の提供により、企業の良心的なイメージが向上し、新たな顧客を引き付けることがあります。

⑤教育機会の提供
飲食店が地域のフードバンクと連携することで、社員や顧客に社会的責任と協力の重要性について教育機会を提供できます。これは、社会的意識の向上と持続可能な行動を奨励します。ハウス食品グループは、CSR活動として、2015年からフードバンク活動を支援しています。
https://housefoods-group.com/csr/society/social_action/index.html

⑥非営利団体への支援
フードバンクは多くの非営利団体や困窮世帯に食品を提供しています。飲食店の参加により、これらの団体がより多くの資源を割り当てる余裕が生まれ、より多くの人々に支援を提供できるようになります。

 

フードバンクは重要な社会的支援機関ですが問題点もあります。

①食品の品質管理
飲食店が提供する余剰食品の品質管理が難しいことがあります。食材の新鮮さや衛生状態を確保し、フードバンクが受け取る食品が安全で食べられる状態であることを保証する必要があります。

②食品廃棄物の処理
飲食店からの余剰食品を受け取った後、フードバンクは食品廃棄物を適切に処理しなければなりません。これにはリサイクルや廃棄物削減の対策が含まれ、適切なリソースが必要です。

③法的規制と対応
飲食店が余剰食品を提供する際には、食品の品質や安全、法的責任に関する規制や対応に注意を払う必要があります。法的規制を遵守し、潜在的なリスクを最小限に抑えるための対策が必要です。

④運送と物流
飲食店からフードバンクへの食品の運搬と物流は課題です。食材を安全に運び、効率的にフードバンクに届けるための適切なシステムやパートナーシップが必要です。

飲食店側にとって、食中毒などのリスク懸念がありますが、法律を変えようとする動きも見られるため、企業にとってよりフードバンクに参加しやすい環境になっていくことが予想されます。
本記事では、フードバンクのメリットとデメリットをご紹介しました。飢餓問題の解消や、持続可能な社会を実現するためにもフードバンクは、今後大きな影響力を持つことになるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

INBOUND PLUS 編集部

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