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【インバウンド×おもてなし】
様々な国際イベントを控える大阪で、最高のおもてなしを

大規模な国際イベントを連続で控える大阪で、最高のおもてなしを求めて来年25周年となる帝国ホテル 大阪の挑戦を取材しました。帝国ホテル 東京との違いや、超一流ホテルでも直面する知名度向上に向けた取り組みなどの裏側をお話しいただきました。

挑戦する帝国ホテル 大阪

インバウンド増加にあたって進められている大阪ならではの取り組みはありますか

 海外に向けてのデジタル広告を動画サイトやSNSに出しています。社の行動基準の一つである「挑戦」に基づいて、歴史あるホテルですが新しいことを行っていこうという方針ではじめました。こうした取り組みは、この1〜2年で帝国ホテル 大阪が積極的に打ち出しているものです。

外国人と日本人のお客様の比率はどのようになっていますか

 時期にもよりますが、大体外国のお客様が4割から5割くらいです。海外は情勢によってお客様が急にいらっしゃることが出来なくなることもありますので、国内客とのバランスを取ることが重要です。また、独自の会員組織があるため、会員の方に第一にお越しいただきたいという思いもあり、国内と海外のお客様のバランスをとっております。

言語以外で外国人向けに取り組んでいるサービスはありますか

 ハラール対応やグルテンフリー対応が必要なお客様に対して、現状では、団体のお客様であれば旅行会社との打ち合わせで、個人のお客様にはお問い合わせいただくなどの形で対応を個別に行っています。

まずは知っていただきたい、帝国ホテル 大阪のこと

大阪で大きな国際イベントが控えていますが、外国人のお客様にアピールしたいことはありますか

 まずは外国人のお客様に知っていただくことです。グローバルチェーンのホテルは海外でのお客様の知名度も高いですが、帝国ホテルは国内のみで展開しているため、海外のお客様には知っていただく機会が少なく、さらに東京と大阪でも知名度の差があります。東京の方からは「帝国ホテルは大阪にもあったのか」と言われることも多く、話題性ある企画や積極的な情報発信などを通じて地道に帝国ホテル 大阪を知っていただく機会を増やしています。

インバウンド事業で何か困っていることはありますか

 海外のお客様に知っていただく手段を見つけることです。ホテル名を知っているかどうかで、宿泊先の候補として上がるか上がらないかが決まることが多いですが、この差は非常に重要で、まず宿泊先の選択肢に入れていただけるようにしたいと思います。インバウンドだけでなく他の事業にも言えることですが、とにかく認知度を上げることが大事だと考えています。
 インバウンドのお客様向けの言語対応については、ホームページが英語、中国語繁体字、簡体字、韓国語に対応しています。しかし、日本語のページに載っている情報と他の言語のページに載っている情報は全く同じではありませんので、改善の余地があると感じています。

インバウンド客来訪時の言語対応や、帝国ホテル 東京との違いについて教えてください

 英語に関しては、もとから話せるスタッフや、社内での語学研修によって話せる様になったスタッフがいます。また、フロントなどお客様に直接対応するスタッフには中国語を話せるスタッフもいます。
 帝国ホテル 東京にくらべて、中国人のお客様が多いのですが、それはビジネス利用のお客様が多い東京に対して、大阪はレジャーで来られる方が多いということが理由のひとつと考えられます。また、関西国際空港にLCCが多く乗り入れているので大阪を基点に近畿圏や関西、西日本を観光される方も多く、連泊のお客様が増えているという体感があります。

次のアニバーサリーイヤーへ向けて

今後の展望について教えてください

 2021年3月に帝国ホテル 大阪は開業25周年を迎えるにあたり、2020年3月からプロモーション期間に入り、四半世紀続けられたことへの感謝と、次の周年に向けて認知度向上などを目的としたプロモーションを展開します。国内外のお客様に帝国ホテル 大阪をもっと知っていただくために、さまざまなイベントやキャンペーンを用意しております。

最後に、本記事の読者に一言お願いします

 まずは来年25周年を迎えることを知っていただきたいです。帝国ホテルとしてのブランドは保ちつつ、大阪のお客様に合ったサービスを提供すべく日々取り組んでおります。さらに大阪にしかないことや、大阪ならではのロケーションや体験をニュースリリースや広告などを通じて積極的にアピールしたいです。

編集後記
 日本を代表する帝国ホテルの名前を背負い、おもてなしのクオリティを向上させて海外からのお客様にも満足いただけるサービスを提供している帝国ホテル 大阪でも、知名度の低さという壁が存在することを強く感じました。一流ホテルでも難しい認知度の向上を今後どの様な戦略で達成していくのかとても気になりました。

取材・写真・編集:新國光太郎

インタビュイープロフィール:

宮田夏帆氏

株式会社帝国ホテル 帝国ホテル 大阪 総支配人室企画課広報・ウェブ担当

INBOUND PLUS 編集部

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