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【インバウンド×コト消費】
大阪でコト消費の最前線を走る大阪水上バスの取り組み

 今回は、京阪ホールディングスの一員であり、「アクアライナー」や「サンタマリア」などの遊覧船を運航しておられる大阪水上バス株式会社様へ取材にお伺いしました。遊覧船事業の内容や今後の展望についてもお話頂きました。
               

水都大阪を満喫できる4つのクルーズ

御社の水上バス事業について教えてください


 弊社では、国内外から大阪へ訪れる観光客の方々に4つのクルーズを提供しています。地上を歩いて観る景色とはまた別のアングルからの大阪を楽しんでもらい、訪れた方の思い出に残るような体験をつくっています。大阪の定番クルーズである「アクアライナー」をはじめ、大阪城と道頓堀を結ぶオープン船「アクアmini」、食事もできる優雅なクルーズ船「ひまわり」、大阪湾を巡る帆船型観光船「サンタマリア」といった4つのクルーズ船があり、それぞれ違った楽しみ方をしていただけます。

「アクアライナー」の特徴について教えてください

 「アクアライナー」は大阪城や中之島周辺を約55分で巡るクルーズ船です。その間、名所・旧跡などを船内からご覧いただけます。利用者のインバウンド比率は、3割くらいで特にアジア圏の方が多いです。社内には、外国語を話せるスタッフも多く外国人への対応にも慣れております。言語対応のみならず、文化や宗教の理解にも精通したスタッフを雇いインバウンドのお客様の慣習やお食事にも気をつけています。
 「アクアライナー」では、「NAKANOSHiMA NiGHT ViEW CRUiSE」やクリスマスクルーズなどの企画船も運航しており、ナイトイベントも盛んです。「NAKANOSHiMA NiGHT ViEW CRUiSE」は、中之島周辺で綺麗な夜景を観ていただけるクルーズになっており、特に外国人のお客様に人気です。また集客に関しましては、大阪周遊パスの利用対象になっていたり、大阪城天守閣入館券と乗船券のセット販売をしていたりと、他の企業・団体様と組んだ取り組みも行っています。

次に「サンタマリア」について教えてください

 「サンタマリア」は大阪湾内を約45分でクルーズする帆船型観光船です。開放感のあるデッキから眺める景色は迫力満点です。こちらは「アクアライナー」と異なり、フードカウンターがある客室やゆったりくつろげる客室があるのが特徴になります。乗り場が天保山ハービービレッジ・海遊館西はとばにあることで、海遊館や天保山大観覧車に訪れた多くの観光客に利用していただいております。
 昼間のデイクルーズの他にも、大阪湾の西に開いている港の地形を活かし、サンセットを見ていただけるトワイライトクルーズや、マジックショーなどを行うイベントクルーズも人気です。「サンタマリア」は大阪周遊パスの利用も可能ですが、乗船券と海遊館入場券や天保山大観覧車の乗車券をセットで販売して集客の増加を目指しています。

集客に向けた取り組み

海外で大阪水上バスを知ってもらう取り組みについて教えてください

 弊社が海外での集客に取り組み出したのは結構昔です。今でこそインバウンドバブルで盛り上がっておりますが、他社様がインバウンドに着目していなかった時から海外セールスを行なっています。特に台湾の現地エージェント様を訪問して営業活動を行い、日本旅行での大阪水上バスの利用を受注を取っていました。当時より現地エージェント様との繋がりは強く、今でも一緒に仕事をすることが非常に多いです。現在は、韓国や東南アジアの現地エージェント様へも訪問営業しており集客範囲を拡大しています。またその他の取り組みとしては、弊社の親会社である京阪ホールディングスが参加している商談会などにも出展させていただいております。

他の企業様と組んだ取り組みについて教えてください

 例えば「アクアライナー」ですと、乗船券と組んだグルメプランというのがあります。運航区間周辺のホテル様や飲食店様のお食事と乗船券をセットで販売することで、互いの顧客層に利用してもらい合えます。互いの顧客に周知し合ったり、お得に同時利用していただいたりすることは、お客様、連携企業様、そして弊社の全員にとって喜ばれることだと思います。また、今後は連携企業様を増やしていきたいと思っておりますで、コラボ出来そうな企画をお持ちでしたら、是非大阪水上バスを活用していただきたいです。

今後の展望

最後に今後の展望をお聞かせください

 今後は万博やIRの誘致で大阪に注目が集まると思うので、その機会を上手く利用して大阪水上バスの乗船者数も増やしていきたいです。そのために、団体誘致やインターネット上での集客には今一層注力して参ります。特に、インターネット上での集客では、QRコードチケットの発行システム(開発中)を利用して、現金を使わずスマートフォン1つでの予約・決済から乗船までの流れをつくりたいです。また、京阪ホールディングス内での相互的な利用や他の企業様との連携をより充実させることで、今まで水上バスを知る機会が無かったお客様にも周知できるよう努めていきたいです。

編集後記:
様々な目的のクルーズ船を運航する大阪水上バス株式会社。サンセットやクリスマスクルーズなど、素敵な催し物が多く一度乗ってみたくなりました。これから益々注目が集まる大阪。その中で、どんなコラボレーションが生まれるかとても楽しみです。
(INBOUNDPLUS編集部 新國光太郎)

取材・写真:大島千佳
編集:新國光太郎

INBOUND PLUS 編集部

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