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日本の魅力を伝えたいという強い想い。
熱量をもって情報発信することでタイアップ企業・自治体への送客に貢献

244の国と地域から毎月130万人以上からのアクセスがある訪日外国人向けWebメディア「MATCHA」。同メディアを運営する株式会社MATCHAの青木代表取締役に、MATCHA開設のきっかけから今後の展開について話を伺いました。

まだまだに世の中に知られていない日本の魅力を伝えたい、この想いから「MATCHA」を開設

訪日外国人観光客向けWebマガジン「MATCHA」を開設されたきっかけについて教えてください。

 元々日本文化に対しての関心が高く、大学では日本の文化について学んでいました。当時のあるゲスト講師の言葉がきっかけとなりました。「日本文化は世界で人気があるが、それがビジネスになっていない。」この言葉に、大きなチャンスを感じたのです。
そこで、日本文化が世界でどう受け止められているかを知るために、世界中を見て回りました。確かに、日本文化は世界でとても流行っている印象がありましたが、そこに日本人の姿はありませんでした。同時に、私自身も日本の魅力をうまく言葉にして伝えることができずもどかしい経験をしました。

日本に戻ってきて、次にしたことは日本をもっと知るということです。日本中を見て回ると、とてもたくさんの発見と感動がありました。まだまだ世の中に知られていない日本の魅力を世界に伝えたい。この想いから、MATCHAをスタートさせました。

訪日外国人向けメディアである「MATCHA」は、現在9か国語に対応。月間350万PV、特に多い利用者は台湾とタイ。

「やさしい日本語」という表記がおもしろいですね。

 そうですね。対応言語のひとつである「やさしい日本語」は、日本語を半年ほど学んだ人向けの言語という設定です。漢字すべてにルビをふってあり、日本に触れながら日本語を学べるという特徴があります。

「MATCHA」の運営を通じてどのようなことを実現していきたいとお考えでしょうか。

 実現していきたいことは2つあります。ひとつは、日本の魅力に触れてもらうことです。訪日外国人の数はものすごい勢いで増加していますが、しかし、訪れている場所は東京、大阪、京都など、あまり変化していないのが現状です。地方などには、日本の魅力がたくさんあります。そういったエリアで、たくさんの日本の魅力にふれてほしいと考えています。
ふたつめは、それらの日本の魅力を世界に発信することです。世界中の外国人と日本をつなげる役割として、たくさんの魅力を発信していきたいと考えています。

「MATCHA」と企業とのタイアップ実績についてお聞かせください。

 さまざまな企業様と一緒に、記事広告を展開させていただいています。最近では、オニツカタイガー様とのお仕事が印象に残っています。オニツカタイガーは日本発祥のスポーツシューズブランドで、海外でも非常に人気があります。そこで、MATCHAを通じて、オニツカタイガーの魅力、買い方のヒントなどを記事として発信していきました。結果は予想以上に反響があり、クライアントも驚いていました。メディアが送客に成功した、当社としても良い事例となりました。

自治体との取り組みについてはいかがですか。

 自治体様との取り組みも、徐々に増えてきています。特に、佐賀県とは2015年からいろいろな試みを実施しています。佐賀県は日本でも比較的マイナーな観光地であり、情報の発信が少ない地域でもありました。そこで、外国人に向けて佐賀の魅力をコツコツと発信していきました。現在では、佐賀に関する記事は40記事ほど、延べ10万人に見てもらっています。今、佐賀県は多くの外国人が訪れる観光エリアとなっていますが、弊社の記事がそこに寄与できたのでは、と考えています。

記事広告は、どのように企画・制作しているのですか。

 MATCHAでは、ターゲット設定を明確にして企画をしていきます。同じ訪日外国人でも、例えば中国とタイでは趣向や傾向が大きく違います。どのターゲットに向けて、どこをアピールしていくのか、クライアントとすり合わせて提案しています。

さらなる「メディアの強化」と「価値の最大化」を図り、サイトとしての認知度と地位を確立していきたい

これからの「MATCHA」の取組みについてお聞かせください。

 今後は「メディアの強化」と「価値の最大化」を図っていきたいと考えています。
ひとつめの「メディアの強化」とは、文字通り「MATCHA」を大きく成長させることです。年内に利用者300万人を目標に、サイトとしての認知度と地位を確立していきたいと思います。そうすることで、できることも増えてくると考えています。

ふたつめの「価値の最大化」とは、ユーザーの旅の魅力を最大化することです。旅に行くフェーズは大きくわけて4つあり、「①Attention(興味)②Interest(より具体的な興味)③Planning(旅の企画)④Experience(体験)」で構成されていると考えています。MATCHAでAttentionとInterestまでは提供できていますが、Planning、Experienceが今後の課題となっています。今後は「Planning」「Experience(旅の体験)」にも注力し、ユーザーの旅の価値を最大化したいと考えています。具体的な展開に関しては、今年中にいくつか披露できる予定です。

MATCHAを通じて、日本中の魅力を世界に発信し、日本で多くの体験を生み出したい

訪日インバウンドビジネスに携わっている人に向けて、アドバイスをお願いします。

 当社も行っていることですが、ターゲットをきちんと明確にしていくことが大切だと思います。「インバウンド」とひとくくりにするのではなく、国ごとに特色を研究しアピールしていくべきだと思います。

また、訪日観光客の気持ちを理解するには、外国人パートナーと組むのが最もよい方法だと思います。やはり、彼らは私たち日本人と視点が違います。まったく気づかなかった、新鮮なアイデアをくれることもたくさんありますよ。当社にも、多くの外国人スタッフが働いていますが、彼らと一緒にサービスを作ることは刺激も多く、とても楽しいと感じています。

最後に、メッセージをお願いします。

 日本には、まだまだ知られていない魅力がたくさんあります。それらの魅力は検索されないがために、外国人に出会えるチャンスを失われています。日本中の魅力を世界に発信したい、日本で多くの体験を生み出したい。その入り口が「MATCHA」でありたいと思っています。

青木 優 (あおき ゆう)

株式会社MATCHA 代表取締役社長
1989年、東京生まれ。明治大学国際日本学部卒。株式会社 MATCHA 代表取締役。学生時代に世界一周の旅をし、2012年ドーハ国際ブックフェアーに従事する。デジタルエージェンシーagument5 inc.に勤めた後、独立。2014年2月より訪日外国人向け WEB メディア「MATCHA」の運営を開始。「MATCHA」は現在9言語、世界200ヶ国以上からアクセスがあり、様々な企業や県、自治体と連携し海外への情報発信を行なっている。

INBOUND PLUS 編集部

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