JNTO(日本政府観光局)によると、2024年8月の訪日外客数(速報値)は2,933,000人。
8月としては過去最高を記録し、これで同月過去最高の更新は7か月連続となりました。
本記事では、2024年8月訪日外客数の国別の傾向などを紹介します。
先月よりは減少したものの依然好調をキープ
2024年8月の訪日外客数(速報値)2,933,000人は、前年同月比136.0%、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月比116.4%で、8月としては最高記録。
3月以降5か月連続で300万人を超えていた水準からはやや減少しましたが、依然好調をキープしています。
これで2024年1〜8月の累計値は24,007,900人となり、前年比58.0%増、2019年比でも8.4%増となりました。
このペースで同月比過去最高を更新し続ければ、年間訪日外客数3,500万人に到達する可能性もあるでしょう。
以降では、エリア・国ごとの訪日客数の傾向について紹介します。
東アジア|台湾・香港は8月過去最高を更新
東アジアでは、台湾(564,300人)と香港(246,600人)が8月の最高記録を更新。
台湾・香港からはチャーター便も運航されており、訪日客増加に繋がっています。
韓国(612,100人)・中国(745,800人)と合わせると4地域だけで全訪日外客数の約74%を占めています。
先月に続き訪日客数トップは中国ですが、2019年同月比では74.5%と回復率の伸びはあまりよくありません。
東南アジア|5か国が8月過去最高を更新
東南アジア各国の傾向は先月と同様。
訪中旅行の人気が高まっているタイ(34,700人)・マレーシア(17,200人)はやや伸び悩んでいるものの、ほかの5か国は8月の過去最高記録を更新しました。
特に直行便が増便したインドネシア(22,100人)やフィリピン(39,000人)、さらに各種プロモーションが行われているシンガポール(24,800人)は、2019年同月比の伸びも大きめ。
ベトナム(52,400人)やインド(16,100人)は増便などはされていないものの、前年同月比・2019年同月比ともに上回っています。
豪州・北米|2019年同月比の伸びは全エリアで最大
豪州・北米エリアは全体的に好調。
豪州(41,000人)・米国(174,000人)・カナダ(46,900人)・メキシコ(12,100人)の4か国が8月の最高記録を更新しました。
2019年同月比の伸びは4か国平均で80.5%。
新型コロナウイルス感染拡大前の水準からの伸びが顕著なエリアだといえます。
欧州|イタリアとスペインが単月過去最高を記録
欧州では、ロシアを除く5か国が8月の過去最高を記録。
うち、イタリア(34,700人)とスペイン(25,900人)は単月過去最高を更新しました。
全体的にスクールホリデーの影響があるとみられています。
特にスペインは新型コロナウイルス感染拡大以降、直行便の運休が続いている中での記録更新。
10月末より復便予定の直行便が運航されれば、さらなる訪日客の増加が見込まれるでしょう。
北欧・中東地域|中東地域は8月過去最高を更新
北欧地域(6,900人)の伸びはやや落ち着いているものの、中東地域(11,400人)は依然大幅な伸びを継続中。
中東地域の伸びは、2019年水準を上回る直行便数に加え、スクールホリデーなどが影響したためだとみられています。
年間3,500万人も視野に
例年の傾向どおり、8月の訪日外客数は先月までよりもやや落ち着きました。
ただ、8月としては過去最高を記録した国・地域も多く、依然インバウンドは好調だといえます。
9月以降もさらにペースを上げて行ければ、年間訪日外客数3,500万人突破も目指せるでしょう。
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