今年の桜のシーズンも、多くの訪日客が日本でのお花見を楽しみました。
しかし、訪日旅行を扱う海外の旅行会社には、混雑する観光地やガイドなどの人員不足などを理由に日本の準備不足を指摘しているところもあるようです。
本記事では、海外の旅行会社が懸念している日本の準備不足やそれへの対応、そこから生まれる観光客が少ない地方のチャンスについて紹介します。
懸念されている「日本の準備不足」とは?
桜がきれいな3月末〜4月初めにかけての期間は、訪日客にとって人気のシーズンです。
多くの外国人が訪日旅行を希望する一方で、混雑を理由に訪日旅行を避けるよう説明する旅行会社もあります。
確かにお花見スポットとして有名な公園などは訪日客だけでなく日本人からも人気で、多くの人で溢れかえっている様子が報道されるほど。
せっかくの訪日旅行が過度な混雑によって楽しめないものになるのは残念です。
さらに、「準備不足」という観点では、英語が話せるガイドの人員不足も指摘。
訪日客が激減したコロナ禍で、多くのガイドが離職することとなりました。
そして、訪日客が回復した今、人員不足の状態となり昨年の桜シーズンは十分なサービスができていませんでした。
こういった「混雑」「人員不足」の2点から、海外の旅行会社は混雑するシーズンの訪日旅行を積極的に勧められない状況に陥っているケースがあるようです。
一部の旅行会社は観光客の少ない地方に注目
上記のような事態を受け、一部の旅行会社は観光客が少ない地方に注目しています。
桜シーズンでいえば、桜がきれいで人が少ない公園は地方にいくつも存在するため、そちらを顧客に勧めるというものです。
これにより少なくとも「混雑」という課題には対応でき、観光客の少ない地方でゆっくりと日本観光を楽しめます。
同じ季節イベントでいえば秋の紅葉シーズンにも同じような状態になる可能性があり、地方にも大きなチャンスがあるといえるでしょう。
地方にも誘客のチャンスあり。ただし注意すべき点も
紅葉がきれいな地方・地域はたくさんありますが、もちろんそれだけでは観光客を呼ぶことはできません。
このチャンスを逃さないためにも、地方では魅力的な観光スポットやサービスを発掘・開発・宣伝する必要があります。
近年の訪日客の消費動向を見ると、「買い物」に使う金額が減り、「宿泊費」「飲食費」の割合が増加。
さらに日本の文化や習慣を学べる「体験型観光」がトレンドになっている点もヒントになりそうです。
代表的なものでいえば農村での「農業体験+民泊」などがありますが、地方ならではの体験型観光プランを開発し、うまくプロモーションできれば、大きなチャンスがあるといえるでしょう。
一方で、地方での誘客には注意点もあります。
最近、京都・祇園の私道に外国人観光客が押し寄せ、民家を撮影したり舞妓や芸妓を追いかけたりする行為が問題となり、罰金が発生する通行禁止措置が取られました。
地方に外国人観光客が増えた際にも同様のトラブルが発生する可能性があります。
地方で積極的に外国人観光客を誘客する場合は、その地域全体の理解と協力が必要です。
コロナ禍が明けて訪日客が増えてきている現在、「混んでいるから日本は辞めておこう」と思われるのは大変もったいないことです。
ぜひこれをチャンスと捉え、今は観光客の少ない地方であっても魅力的なサービスを開発・発信していきましょう。