インバウンド客から人気が高まっている体験型観光プランの企画・販売には、旅行業務取扱管理者の有資格者の設置が必要です。
今回、旅行業務取扱管理者の資格試験の一部規制が緩和される方向であると報道されました。
本記事では、旅行業務取扱管理者の規制緩和や、体験型観光の促進に関する情報を紹介します。
地方での体験型観光充実を後押し
従来、日本での買い物や食事をメインに楽しんでいた訪日客の趣向が、体験型観光に移りつつあります。
体験型観光とは、農家の民泊に宿泊して農業体験をしたり、寿司店で寿司握り体験をしたりと、日本の文化や習慣などを体験できる観光プランのことです。
体験型観光の旅行商品は昔から存在しましたが、近年その魅力に注目が集まっています。
特に買い物スポットや知名度の高い観光スポットが乏しい地方において、地方創生などの観点からも体験型観光の充実が求められています。
実際、観光庁の発表によると「地方に置ける高付加価値なインバウンド観光地づくり事業」として、全国11地域が集中的な支援対象に選定されました。
こういった体験型観光の商品企画・販売に必要なのが、「旅行業務取扱管理者」という国家資格の有資格者の設置です。
旅行業務取扱管理者の役割と規制の緩和
旅行業務取扱管理者は、旅行業界の国家資格です。
旅行業務取扱管理者の業務には、以下のようなものがあります。
- 旅行に関する計画の作成
- 料金の掲示
- 旅行業約款の掲示及び備置き
- 取引条件の説明
- 書面の交付
- 広告に関する事項
- 企画旅行の円滑な実施のための措置
- 旅行に関する苦情の処理
- 契約の内容に係る重要な事項についての明確な記録または関係書類の保管
- 上記に掲げるもののほか、取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な事項として観光庁長官が定める事項
引用:全国旅行業協会
旅行業務取扱管理者には、国内外の旅行を取り扱える「総合旅行業務取扱管理者」と、国内旅行のみ取り扱える「国内旅行業務管理者」の2種類があります。
例年の合格率は総合旅行業務取扱管理者が1〜2割程度、国内旅行業務取扱管理者が3〜4割程度です。
今回、この合格率を高めるべく、試験科目の一部が研修で代替できるようになると報道されました。
体験型観光は飲食店でも開発可能
体験型観光の例でも触れたとおり、寿司屋での寿司作り体験もインバウンド客に人気の体験型観光商品の1つです。
したがって、飲食店においても日本の食文化や伝統を前面に押し出したプランを開発すれば、訪日客の集客が狙えます。
ただし、「奥日光ツアー」のように魅力的なプランを開発しても販売につながらなかった例を考えると、観光地としての知名度が低い地方では、PRが重要です。
体験型観光商品が開発できたら、SNSや旅行会社などを利用して、商品の存在や魅力を海外に届けましょう。
参考:外国人富裕層向け「奥日光ツアー」は売れず。PR不足が要因か
最後までお読みいただきありがとうございました。