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外国人雇用は人手不足の解消の糸口になるのか!?雇用する際のメリットと注意点

アフターコロナが叫ばれている中、飲食業界は常に人手不足が深刻な問題となっています。帝国データバンクが2022年9月に行った「人手不足による企業の動向調査」によると、飲食店の非正社員の人手不足は、7割を超えています。また、正社員も10月の時点で6.5割と高水準となっています。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p221110.pdf

新型コロナウイルス感染症の影響で、感染状況や営業時間が左右されやすく、就労者が戻ってこないという現状です。飲食業界ではコロナ前から人手不足が問題となっていたため、しばらくは改善されないことが予想されます。

そんな中、人手不足の問題を解決するのではと期待されているのが外国人労働者の雇用です。外国人労働者を雇用するメリットは、大きく2つあります。
1つ目は、労働力を確保できる点です。飲食店に限らず、どの業界でも人手不足が問題になっています。厚生労働省によると、令和4年10月末の時点で、外国人労働者の数は、182万人となっています。
(https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001044540.pdf)
今後も外国人労働者は増えることが予想されるので、労働力を確保することができます。飲食業界内の取り合いではなく他の産業含めた人材の競争であると認識しましょう。

2つ目は、インバウンド対策になる点です。日本人で英語が話せる割合は10%程度と言われており、英語指数ランキングでは、調査対象の111カ国及び地域の中で、80位と低い現状です。https://www.efjapan.co.jp/epi/
英語を喋ることができるスタッフがいないと、トラブルに発展してしまう恐れがあります。訪日外国人が増えている中、英語を喋ることができるスタッフがいるといないとでは、オペレーションに大きな差が生まれます。また、外国人のスタッフと日本人スタッフはお互い良い刺激となるでしょう。

外国人を雇用する注意点
人手不足やインバウンド対策に一躍買ってくれる外国人労働者ですが、雇用する上で注意しなければならないことがあります。それは、「在留資格」が必要になる点です。在留資格の有無は日本人を雇うことと大きく違います。そもそも在留資格とは、外国人が日本に在留し、何らかの活動を行うために必要になる「資格」のことです。外国人が、在留資格を持っていないと、飲食店は雇用することはできません。そのため、飲食店側は面接をする際に必ず確認しなければなりません。というのも、事業主が、「不法就労助長罪」に問われてしまう可能性があるからです。近年では、偽造在留カードが横行しており、そのリスクが高まっています。仮に、この罪に問われてしまった場合、故意の場合はもちろん処罰されるのですが、過失による減免がないため、責任を問われてしまいます。3年以下の懲役又は、300万円以下の罰金に処されてしまうため、注意が必要です。
飲食店側にとって、「リスクの方が大きいのでは」と思われがちですが、出入国者在留管理庁のホームページで在留カード等読み取りアプリケーションを入手することができます。
(https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/rcc-support.html)
また、出入国者在留管理庁の在留カード等の番号が執行していないかを照会できるサイトもあります。
(https://lapse-immi.moj.go.jp/ZEC/appl/e0/ZEC2/pages/FZECST011.aspx)

受け入れ後もしくは、離職の場合は、「外国人雇用状況届出」を厚生労働省管轄のオンラインシステムを利用して報告しなければなりません。
(https://gaikokujin.hellowork.mhlw.go.jp/report/001010).do?action=initDisp&screenId=001010)

また、飲食店の場合、飲食店で雇用が可能な在留資格かどうかを確認しなければなりません。
①定住者、永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者等
これらの人は、アルバイト、正社員を問わず、就労制限なく働くことが可能となっています。
②留学生、家族滞在
留学生と家族滞在の場合は、「資格外活動許可」が必要になります。1週間に28時間以内の就労制限があります。また、この「28時間以内」というのは、掛け持ちなどの全てのアルバイトでの就労時間を合算しての28時間となり、この時間を超えてしまうと不法就労になるため、細心の注意が必要です。
③特定活動
アルバイトの場合は、人によって異なるため、パスポートの指定書で就労可能かを確認しなければなりません。正社員の場合は、通訳を兼ねた接客業務は就労可能です。掃除、皿洗いなどの単純業務のみはできないので注意が必要です。
④技能
熟練した技能を持つ外国人が取得するものです。例えば中華料理、フランス料理のコックなどです。ホールや、レジ業務は該当しないので注意が必要です。
⑤特定技能1号
「特定技能」は、2019年に新設された在留資格です。1号の通算在留期間は最大で5年です。5年経過すると原則として母国に帰国しなければなりません。
「特定活動」と「特定技能」は、名前が似ているので注意が必要です。また、留学生アルバイトを正社員雇用することは可能ですが、飲食行においては、「技能」、「特定活動」、「特定技能」のいずれかになります。

本記事では、外国人労働者を雇用する上でのメリットと注意点を紹介しました。
外国人は、飲食業界の深刻な人手不足を解消してくれる貴重な人材です。日本語や、接客マナーなどを覚えてもらう必要がある一方で、外国人のお客様に対応できる点や、海外進出の足掛かりとなる可能性もあるので、積極的に雇用をするべきでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

INBOUND PLUS 編集部

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