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外食産業の救世主になる⁉ 次世代調理ロボットの活躍

新型コロナウイルスの影響を受け飲食店が配膳ロボットを導入し、ロボットが料理をテーブルまで運ぶ光景が見られるようになりました。店舗では配膳ロボットの働きで従業員の負担軽減が実現されています。また海外では調理ロボットが注目を浴び、飲食店のさまざまな分野で役立つ存在として広がりを見せています。
本記事では、近未来で飲食店には欠かせない労働力として導入すると予測される
調理ロボットの役割や可能性についてお伝えしたいと思います。

ロボット・アシスタントの「フリッピー(Flippy)」は米Miso Robotics社(ミソ・ロボティクス)外食事業のCaliグループが共同で開発したアーム型調理ロボットです。Caliグループが所有するハンバーガーチェーンCali Burgerでの使用を目的に製作した本品。すでにいくつかの店舗に導入され活躍しています。ファストフード・チェーン店のキッチンフードの下のレールに取り付けられたフリッピーは、行ったり来たりしながら”焼き”と”揚げ”を担当します。最適な温度を保ちつつ、焼き加減を自動で調節するよう、予めプログラミングされています。https://misorobotics.com/

Moley Robotics社(モーレイロボティック)は、世界初の完全自動調理ロボット「モーレイ・ロボット・キッチン」を開発し、注目を浴びました。「モーレイ・ロボット・キッチン」は、2本のアームを使用して鍋やフライパン、材料、調理器具を取り出し、切ったり炒めたりするなど、人間の調理動作を模倣することができます。また、蛇口をひねって水を出したり、盛り付けたりする作業もこなすことができるほか、調理器具の配置を正確に把握し、いつでも必要な時に取り出して使用できるため、人間が近くにいて手配する必要がありません。調理だけでなく、後片付けも行えるため、材料をセッティングしておけば、あとはロボットに任せることができます。現在は30以上のレシピを習得しており、将来的には5,000種類のレシピまで対応できる見込みです。https://www.moley.com/

調理ロボットが世界中で注目される背景として、人手不足の解消や業務の効率化が図れること、商品クオリティの安定などが挙げられます。日本で調理ロボットの導入を開始している企業は少ないです。その理由として、調理ロボットの日本でのシェアや認知度が欧米諸国に比べて低いことが原因として考えられます。

経済産業省:「ロボットを取り巻く環境変化等について」より抜粋引用
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/robot_shakaihenkaku/pdf/001_03_00.pdf

 

日本においてはTechMagic株式会社(代表取締役社長:白木裕士氏)がパスタを自動調理する「P-Robo(ピーロボ)」を開発。「プロント」や「エビノスパゲッティ」などを運営するプロントコーポレーション(代表取締役社長:杉山和弘氏)は2022年夏に東京・丸ビルに出店した「エビノスパゲッティ」にて1号機の導入したことで注目を集めました。「P-Robo(ピーロボ)」は、高温調理によって、オリジナルソースや具材、スパゲッティを迅速に絡めてアルデンテな食感を保ち、素材の香りを引き立てた熱々のスパゲッティを最短45秒で提供することが可能です。
https://techmagic.co.jp/newsrelease220330/
https://www.pronto.co.jp/company/brand/

また、「大阪王将」の運営を手がける株式会社イートアンドホールディングス(代表取締役社長COO:仲田浩康氏)は、今年の夏にTechMagic株式会社が革新的に開発した、世界初の炒め調理を自動化するロボットを大阪王将の店舗でテスト導入しています。「I-Robo(アイロボ)」は、炒飯・野菜炒めなど、熟練のシェフのレシピを自動で再現。調理するメニューに応じて、加熱温度、加熱時間、鍋の回転スピード、回転方向を柔軟且つ適切に調整することが可能とされています。
https://www.eat-and.jp/news/article.php?id=p2B3E9HC

人口の減少が止まらない日本で、調理ロボットが飲食店において不可欠な労働力として導入される未来が迫っています。

調理ロボットは注目される存在であるものの、その存在自体が主役ではなく、主要な役割は提供されるおいしい料理にあります。調理ロボットを単なる一過性の現象にとどめず、上手く人が使いこなすことで熟練シェフの一助となり、常に安定したおいしさを提供していくことが重要です。本記事が飲食店の新たな可能性や気づきにつながれば幸いです。

INBOUND PLUS 編集部

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