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食文化の違いで観光客の満足度低下?!飲食店オーナーが絶対に知っておくべき海外マナー

コロナによる入国制限が4月29日に緩和されて以来、日本を訪れる観光客の数は徐々に増えてきています。当メディアでも以前お伝えしましたが
(http://inboundplus.jp/wp/feature/98189/)
8月16日に日本政府観光局が発表した「訪日外客統計」
(https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20230816_monthly.pdf )によると、7月の訪日外客数は2019 年同月比 77.6%の 2,320,600 人となっており、昨年末から回復傾向にあることが伺えます。また、観光庁によって実施された「訪日外国人消費動向調査」によると
https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001619995.pdf
2023年4-6月における観光客旅行消費額は1兆2052億円で、そのうち24%にあたる2892億円が飲食費となっています。これを一年間分の飲食費になおすと単純計算で約1.2兆円となり、インバウンド増加が日本の飲食業界に大きな影響を与えていることが伺えます。

インバウンドが急増している日本で、「他国の食文化について知ること」は接客で誤解を与えることを防止し、完璧なサービスの提供につながります。
本記事では他国の食文化に焦点を当て、国ごとに分けて食文化の違いを紹介します。

①インドネシア パキスタン
インドネシア、パキスタンではイスラム教が広く普及しており、コーランに示されたイスラム法(信仰上守るべき行い)を必ず守ります。飲食面のルールでは主に「豚肉」、「イスラム法に則って処理がされていない食肉」、「アルコール」、「血液」が禁止されています。特に豚に関しては完全にタブーになっていて、豚由来の加工食品や調味料も禁止されています。豚肉は日本料理で多く使われている食材なので、イスラム教に対応した「ハラルフード」メニューを作成しても良いかもしれません。

②インド、ネパール
インド、ネパールではヒンドゥー教徒が多く、宗教が生活の土台となっています。特に非暴力、不殺生を大切にするのでベジタリアンが多いです。よってヒンドゥー教徒は一般的に「肉全般」、「卵」、「魚介類」を避けます。中には肉食する人もいますが、豚は不浄な動物とされるため食べることはありません。
また、右手は神聖な手、左手は不浄な手という認識があるため食事をする際は右手でスプーンやフォークを使わずに手を使って食べるそうです。これらの食文化はカーストや社会的地位の高い人ほど守る傾向があります。
接客の際に右手を使うことやベジタリアン対応のメニューを開発することが良いでしょう。

③フランス
フランス料理を食べる際には様々なテーブルマナーがあります。具体的には
・ガツガツ食べず一口ずつ上品に食べる。
・ナプキンやフォークを落としても自分で拾わない。
・席を離れる際、ナプキンをテーブルに置かない。
などです。
フランス料理店だけでなく、フランス人観光客が来店した際、接客で意識すると顧客の満足度が上がるでしょう。

④中国
中国では主に下記のようなマナーが存在します。
・料理人への賞賛のために料理を少しだけ残す。
・大皿をみんなでちょっとずつ分けるスタイル。
・目上の人から食べていく。
・取り皿は毎回新しくする。
同じアジアということもあって日本の家庭料理のスタイルと似ていますが、残すのが料理人への賞賛という面では異なります。

その他にも、イタリアではチーズやケチャップの増量を頼んではいけない、イギリスでは「すいません!」と大声でスタッフを呼んではいけない、韓国では目上の人の前でお酒は横を向いて飲むなど多種多様なマナーやルールがあります。
マナー面だけでなく、食べる量、スピード、食事の価値観でも国によって異なります。例えばアメリカのようにファストフードが人気で、「早く、ボリュームのあるものをたくさん食べる」国がある一方で、イタリアのように何時間もかけてゆっくり食べる国や、日本のように「量を少なく美味しいものにこだわる」といった食への価値観を持った国もあります。

少し情報を追加してまとめると以下の表のようになります。

これらの中でも特に宗教上で禁止されている食材に代替食品を使ったり、量を調節したりして、柔軟なメニューを対応することはすぐに取り組めそうです。

本記事では国ごとにおける食文化の違いを紹介させていただき、多様性に対応した飲食店を進めてまいりましたが、「郷に入っては郷に従え」という言葉があることや、海外観光客が「日本文化」を経験するために来日していることから、100%海外食文化を取り入れた飲食店にする必要はないでしょう。むしろ大切なのは海外の文化と日本の文化を対比させ、非日常的な体験を提供することなのではないのでしょうか?

日本の飲食店を訪れた観光客が少しでも喜んでもらえるように当メディア「インバウンドプラス」が協力できればとても光栄です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

INBOUND PLUS 編集部

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