最近、都市部で頻繁に目にするようになった無人販売所。近年ではコンビニエンスストアや書店、フィットネスジムなど、多くの業界で無人店舗化が見られます。今回紹介する無人カフェもこの流れを追随し、身近な存在として浸透しつつあります。無人カフェは、店員の存在や時間を気にせず、気軽に利用できることが利用者に支持されています。こうした無人カフェの広まりは、忙しい現代社会に利便性を提供する場として注目を集めています。
本記事では無人カフェについて、効率的な店舗運営が期待できるメリット面、無人であるが故のデメリットについてお伝えしたいと思います。
愛知県内で複数のグランピング&BBQ施設を運営するウッドデザインパーク株式会社が運営する無人のカフェ『セルフカフェ』(営業時間8:00~22:00)は店内のドリンクの購入で時間無制限で利用できます。新たに9月4日にオープンする『セルフカフェ千種店』は定休日なしの24時間営業となります。店内にはコーヒーの自動販売機はボタンを押してからドリップする本格派マシンが設置され、オリジナルブレンドの3種類のコーヒーが楽しめます。フリーWi-Fiや電源完備、空調の効いた空間を提供しています。https://selfcafe.jp/
また、東京西武柳沢駅の北側に、商店街の休憩所として24時間営業している『siesta coffee spot』があります。店内のドリンクを購入すれば食べ物の持ち込み(匂いの強くない軽食のみ)が可能です。飲食の決済は現金のほかに、PayPay、LINE Payといったキャッシュレス決済が可能。さらに、テラス席においては小型ペットなら同伴でカフェを利用することができます。https://siesta-cafe.com/
飲食店の人手不足が危惧されるなか、無人カフェは人手不足問題を対処する効果的な方法といえます。まず大きなメリットとして従業員にかかる給与や研修費などのコストを削減することができます。(常時店員がいないわけではなく、機械で対処できない業務やトラブルへの対応、清掃作業などの業務は店員が対応しています。)
次に、24時間営業を実施することで深夜や早朝に来店する顧客のニーズに対応して、売上拡大を図ることができます。
無人カフェのデメリットは有人店舗と比べ、初めに各種認証機器やセンサー、防犯カメラ、キャッシュレス決済システムなど、さまざまなIT機器を設置する必要があることです。このため導入する際は初期費用の負担が生じてしまいます。
さらに、お客様からのクレームや苦情に対してリアルタイムで対応することが難しい側面もあります。有人店舗のように直接店員と対話ができないため、お客様同士のトラブルや問題が発生した際に適切な対応が難しくなる可能性があります。
無人店舗を導入する際に留意するポイント
◆技術の信頼性とメンテナンス: IT機器やセンサーの信頼性が求められます。障害やトラブルが発生した際に迅速に修復できる体制やメンテナンス計画の整備。
◆クレーム対応の仕組み: クレームや問題が起きたときのための、自動対応システムやオペレーターのオンラインサポートなどリアルタイムな対応策の準備。
◆顧客への情報提供:無人カフェの利用方法や仕組みを分かりやすく伝えるために、アプリやWEBサイトを通じて利用ガイドを提供。
◆セキュリティ強化: センサーやカメラなどのセキュリティを確保し、個人情報や支払い情報の保護を徹底。
これらを考慮して、無人カフェの導入を計画することが重要です。
無人カフェに限らず、無人販売店はデジタル技術の進化により、人手不足や労働課題への対策としての役割を果たす一方で、新たなビジネスチャンスの創出にも貢献する存在として今後も注目が集まるのではないでしょうか。
本記事が新たなビジネスの可能性を導くきっかけとなれば幸いです。