未来につなぐ飲食店
なんと!社員の4分の1は元お客様! メディアも注目するセレクトショップ型居酒屋とは?ー ミナデイン ー
株式会社ミナデイン/ 西山 征希様 営業本部長
― 株式会社 ミナデイン —
2018年に創業し、全国の名店料理が楽しめる「烏森百薬」を東京新橋に出店した株式会社ミナデイン(代表取締役 大久保 伸隆氏)。その後、カフェやレストラン、居酒屋など様々な業態で同じく新橋を中心に12店舗を展開。2020年7月にはコロナ禍で苦悩している各地域の飲食店を支援するため、「烏森 絶メシ食堂」を開店しました。この食堂では各地域の名店と言われる店にある“絶メシ(絶やすには惜しい絶品メシ)を提供し、売上の一部を各名店に還元する仕組みを取り入れています。さらに、2023年5月には「新橋銀座口ガード下 THE 赤提灯」という居酒屋をオープン。現在の飲食店が抱える問題解決に向けた施策の一つとして、スキマバイトサービス「タイミー」と提携し、アルバイトスタッフに全員スポットワーカー(店とアルバイト契約を結ばず空き時間を利用して副業する人)を活用しています。これらの取り組みがメディアでも取り上げられ大きな話題となりました。
事業への想いや従業員との関わりについて、同社営業本部長の西山 征希様にお話を伺いました。
今回の取材で同社の取り組みには4つのポイントがありました。
この4つのポイントの詳細はインタビューの模様をご覧いただければと思います。
1. 食と人を通して、お客様に心豊かになっていただけるものを提供したいと、「協業」というビジネススタイルで喜ばれる店舗づくりに取り組む
・「烏森百薬」は『名店のセレクトショップ』というコンセプトで全国各地の名店の完成品(手作り工場で仕上げ前まで調理した商品)を取り寄せて提供
・「烏森 絶メシ食堂」は『食べて守る、名店の味』をコンセプトに各地域の名店の“絶メシ(絶やすには惜しい絶品メシ)を提供し、売上の一部を各名店に還元
・ガード下の赤提灯文化の衰退や若者の酒離れが加速している課題を解決するため『赤提灯文化の再定義』と『若者へ本当に美味しい酒を教える』店舗「新橋銀座口ガード下 THE 赤提灯」をスキマバイトサービス「タイミー」と提携しオープン
2. 創業期から四半期に一度(繁忙期では半年に一度)、アルバイトを含めた全社員を集めて感謝祭を開催
・「感謝祭」では大久保代表から会社の報告事項やビジョンについて談話のほか、クイズ大会やバーベキューなどコミュニケーション活動を行い、社内の結束力を強める
・活躍するアルバイトスタッフに対してボーナスの支給
・各店長が別店舗に招待しあう取り組みを行い、相互理解を高め信頼関係の構築につなげる
3. 社員として活躍する4分の1は元お客様
・スタッフの採用にはリファラル採用を重視
・元々お客様であった方が社員として活躍。現社員人数の、4分の1を占める
4. 店長、料理長、サーバー(給仕スタッフ)に分かれて研修や会議を毎月実施
・毎月実施される各種会議では役職ごとに目標設定や達成具合などを、大久保代表含む参加者全員に共有
・各店舗それぞれが事業主と考え、商品企画や開発、販促に至るまで各店舗に委ねる。アルバイトスタッフでも優れたアイデアは商品化される
食と人を通してお客様を心豊かに
--それぞれの店舗に突出したコンセプトがありますが出店するにあたり、どのような経緯がありましたか?
(西山本部長)
社名である「ミナデイン」は、ゲーム「ドラゴンクエスト」で主人公だけが使える仲間と協力して敵を攻撃する呪文名が由来になっています。創業時、代表は自分たちだけで出来ることは限られている。多くのお客様に喜んでいただきたい、食と人を通してお客様に心豊かになっていただけるものを提供したいと考え、その想いに賛同いただける会社とタッグを組んで、協業というビジネススタイルで店舗づくりに取り組んできました。
「烏森百薬」は『名店のセレクトショップ』というコンセプトで全国各地の名店のレシピを取り寄せて提供しています。また、コロナ禍で次々に閉店していく各地域の同業者の力になりたいと「烏森 絶メシ食堂」は『食べて守る、名店の味』をコンセプトに立ち上げました。
各地域の名店と言われる店の“絶メシ(絶やすには惜しい絶品メシ)を提供し、売上の一部を各名店に還元しています。この「烏森 絶メシ食堂」では当社の料理人が各地域の名店に行き、直接店主からこだわりのメニューを教わり、店で再現しています。そして、若者の酒離れが加速している課題を解決するために『赤提灯文化の再定義』と『若者へ本当に美味しい酒を教える』店舗「新橋銀座口ガード下 THE 赤提灯」をスキマバイトサービス「タイミー」と提携し、今年5月にオープンしました。
創業期より半年に一度感謝祭
--従業員のモチベーションや定着率を高める取り組みや制度はありますか?
(西山本部長)
当社は創業期から半年に一度全社員会議、アルバイトを含めた全社員(約100名)を集めて一年に一度アルバイト感謝祭を行っています。ここでは代表から会社の報告事項やビジョンについての話があり、その後クイズ大会やバーベキューなどを行い、皆で楽しんでいます。社内で積極的にコミュニケーションを取り、結束を強めたいと代表が創業期から大切にしているイベントです。その他にモチベーションを高める意味で、当社はアルバイトスタッフにもボーナスを支給しています。
出店している12店舗それぞれコンセプトが違う店舗となるため、支給金額は店長の采配になりますが、活躍するスタッフに対してはボーナスという形でしっかりと還元しています。
また、各店長が別店舗に招待しあうという取り組みも行っており、相互理解を高め、信頼関係の構築につなげています。
社員の4分の1は元お客様
--会社の採用アップに向け、何か工夫されていることはありますか?
(西山本部長)
当社は幸いなことに、これまで人材不足で困ったという状況に至っていません。現在、出店した12店舗それぞれに社員が平均3名ずつ配置できています。これは他の飲食店に比べて非常に多い数字だと考えています。スタッフの採用において、当社の特徴はリファラル採用を重視している点です。そして、現在の社員のうち、4分の1は元々お客様であった方が社員として活躍しているという事実が挙げられます。店舗ではスタッフとお客様との距離感が近く、コミュニケーションも活発に行われています。お客様が何度も足を運んでくださるうちに、当店のアルバイトとして関わるようになり、更に当社の理念や価値観に共感いただいて社員になるケースが多いように感じています。このようなスタッフの増加には、当社のアットホームな雰囲気やサポート体制、そしてお客様との信頼関係がもたらすものと考えています。
店各舗それぞれが事業主と考える
--従業員の育成はどのようなことを行っていますか?
(西山本部長)
店長、料理長、サーバー(給仕スタッフ)に分かれて毎月、研修や会議を行っています。毎月の会議では、役職ごとに目標設定や達成具合などを、代表含む参加者全員で共有する重要な場となっています。定期的な開催により各自の目標や進捗状況を透明化し、一人ひとりが当事者意識をもって行動できるようサポートしています。
各店舗それぞれが事業主と考えているので商品企画や開発、販促に至るまで各店舗を信頼して任せています。アルバイトスタッフの案も優れた意見は商品化しています。当社では役職に関係なく、各自が自信を持ってアイデアを発言できるよう会議での環境を整えています。
赤提灯のスポットワーカーに対しては、仕事開始前に定番メニューの試食ができます。お店の味を知った上で勤務ができるので自信をもって接客していただけること、そして「ものすごく分かりやすいマニュアル」をアルバイト申し込みの段階から確認できます。実際に働いて困ったことなどをワーカーからヒアリングしてマニュアルに随時反映させているので飲食業初心者でもこのマニュアルを事前に確認しておけばスムーズに勤務していただけるようになっています。
また、スタッフのスキルアップを目的としたソムリエなど資格取得に関しては費用を会社で負担し、叶えたいことへのサポート体制を強化しています。
求人者の方へ
--どのような人材を求められていますか?また、求職者の方に伝えたいことはありますか?
(西山本部長)
ITの進化やDX化の便益がある一方で、そんな時だからこそ私たちは、「人が主役」の飲食店づくりにこだわり、”世界の日常に人間味”を贈りたい。感謝や喜び、そして心の豊かさは、人の手によってこそ提供されると信じています。今後も銀座・新橋・虎ノ門エリアのまちづくりや地方創生に力を注ぎ、古き良きも大切にしつつ、新しい価値を創造していくことで、地域に愛される店づくりをしていきます。
求職者に対しては、人に喜ばれる会社を創っていこうと我々に共感していただける人材を求めています。面接の際に私が注目するのは、応募者がどれだけ好きなことを熱く語れるか、これまで何かに打ち込んできたものがあるかという点です。世界一周したバックパッカーやパティシエ、客単価5万円もするような高級料理店でシェフとして活躍した方が当社に在籍しています。その人の持つ個性を活かして、今までなかったものを社内に創造できることが会社にとって大きな魅力となっていくと思っています。
店舗情報:烏森百薬(代表店舗)東京都港区新橋2丁目15−5