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地域と共に“日本初”に挑戦し続ける中部国際空港セントレア
インバウンド誘致への攻めの取り組みとは

 空港というとフライトに関するお仕事をイメージされる方が多いのではないでしょうか。”セントレア”の名称で親しまれる中部国際空港は、日本で初めて民間主導の運営を始めた空港で、航空事業以外にも様々な魅力あふれるコンテンツ制作に積極的に取り組まれています。今回は中部国際空港株式会社総務部広報グループ、グループリーダーの渡辺吉章さんと同じく広報グループの柴歩実さんに、昨年から続く新たな取り組みを中心に社内の様子や今後の展開まで幅広くお伺いしました。


総務部広報担当の柴様

地域と協力してコトを起こし続ける

インバウンド旅行者が増え空港への影響も大きいと思いますが、力を入れて取り組まれていることは何ですか?

 空港のインバウンド対策というと、多言語案内や食事、宗教・文化への配慮といったことを思い浮かべられる方が多いのではないでしょうか。しかし、インバウンドのお客様を迎えるにあたって最も大事なのは、地域の魅力です。空港施設を充実させるだけではなく、地域と協力してその土地全体の魅力を高めることが集客に繋がります。特に、我々中部地域は東京や大阪などの大都市圏や北海道、沖縄といった観光地との差別化が重要になります。弊社では地域と連携して、中部地域ならではの観光資源を活かした様々なプロジェクトを行っています。
 地域との連携プロジェクトの一例として、昨年7月から「サムライ×NINJA空港プロジェクト」というものを始めました。中部地域は織田、豊臣、徳川を始め多くのサムライを輩出した地域であると同時に、伊賀・甲賀といった忍者ゆかりの地でもあります。この中部地域の特徴的な観光資源を外国人観光客の忍者・サムライ人気と結びつけプロジェクトに取り組んでいて、実際に多くの方に喜んでいただいています。

空港島内には昨年から新たな施設がいくつかオープンしていますが、そちらに関してお話を伺えますか?

 まず弊社は商業事業でも国内初の取り組みを結構やっていまして、例えば今では当たり前になっていますが、空港内の商業店舗を充実させること。空港を通過点ではなく目的地にしてもらおうということで館内にステージを設け、週末を中心にイベントを開催し、来港するお客様に楽しんでいただいています。今年4月には第1ターミナル内総合免税店の大規模改修を行いまして、新たに化粧品9店舗ファッション2店舗が追加され、飛行機に乗るお客様にもさらに充実した時間を過ごしていただけるようになりました。

 また18年10月には複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS」がオープンしました。こちらはボーイング787初号機(ZA001)の展示を中心に、航空について楽しみながら学べる9つの体験型コンテンツが集約されているエリア「FLIGHT PARK」やボーイング創業の街シアトルをテーマとした飲食・物販エリア「SEATTLE TERRACE」の2つのエリアで構成されています。ボーイング787の約35%を中部地域で製造していることや部品輸送のための格納庫がセントレアに置かれていること等深い縁があって、ボーイングから飛行試験機として役目を果たした初号機が寄贈されました。今年10月には年間来館者数160万人を突破した大人気のスポットになっています。

 19年8月には愛知県が運営する国際展示場「Aichi Sky Expo」がオープンしました。こちらは日本初の空港直結型の国際展示場です。オープン間もないですが既に多くの方々に利用していただいています。今話題のeスポーツやコンサート、各種展示会が国際展示場で開催されています。



 このように弊社では空港島内を盛り上げることで、より多くのお客様に来ていただけるような取り組みを行っています。

地元出身に限らず、多様な価値観が集まる職場環境

これまでのお話で地元との関係が深い印象を受けましたが、働かれている方もやはり地元出身の方が多いのですか?

 公共インフラというと地元出身者が多いイメージですが、日本全国、様々な出身地の方に活躍いただいています。採用活動も日本全国をまわって会社案内をしているところです。特に最近は外国人の採用も増えてきています。セントレアグループ企業の接客部門だけではなく、我々のような管理部門や営業部門でも積極的に外国人採用を行っています。外国人採用も年月を経て、弊社を退職後は母国に帰り、空港勤務の経験を活かして再就職を行う者もおり、そちらからセントレアを応援してもらえる環境も出来始めています。

日本の中心という立地を活かし、幅広い国の旅客者に利用される空港に

今後の展開について教えてください

 最近では、国際線利用者のうち、外国人の国別比率は路線割合に比例し、中国人旅行者の割合が4割を占めています。最終的には、東京、大阪の間という立地や日本の中心でありどこにでも行きやすい優位性を活かし、国際空港として幅広い国の旅行者のゲートウェイとなることを目指して行きたいです。

 また国内外のLCC需要の高まりに合わせ、19年9月にLCCのビジネスモデルに沿った第2ターミナルをオープンしました。この機会を活用し、国内外を問わずさらなる需要の開拓に繋げてまいりたいと考えています。引き続き地域の皆さまと連携、協力し、セントレアらしくコトを起こし続けることで、この地域と世界をつなぎ、地域の発展に貢献していきたいですね。

INBOUND PLUS 編集部

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