近年、日本を訪れる外国人観光客は年々増加の一途をたどっており、コロナ禍を経てその勢いは再び加速しています。政府は、2030年に訪日外国人観光客数を6,000万人とする目標を掲げ、各地域でその受け入れ態勢の強化が急務となっています。豊かな自然や歴史、文化に恵まれた徳島県も、これまでインバウンド誘致に力を入れてきましたが、交通アクセスや情報提供における多言語対応の遅れが大きな課題となっていました。
本記事では、この課題に対して徳島県の観光団体が行った施策について詳しく紹介します。
多言語対応助成金の創設と狙い
徳島県の観光団体は、この課題を受け、訪日外国人観光客のさらなる誘致を目的とした「多言語対応助成金」の創設を発表しました。この助成金は、県内の観光関連事業者や宿泊施設や飲食店などが、外国人観光客向けに多言語対応を進める際の費用の一部を補助するものです。具体的には、ホームページの多言語化、多言語メニューの作成、外国語対応が可能なスタッフの育成、そして案内表示の多言語化などが対象となります。
この取り組みの最大の狙いは、言語の壁を解消することで、外国人観光客が徳島県内で、より快適にそして安心して観光を楽しめる環境を整備することにあります。観光団体は、「言葉の不安なく観光できることは、外国人観光客にとって大きな魅力となる」と強調し、訪日客の満足度向上、ひいてはリピーターの獲得を目指しています。
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広がる期待と今後の課題
多言語対応助成金の創設は、県内の観光事業者にとって待望の支援策であり、大きな期待が寄せられています。すでに多くの事業者が申請を検討しており、ホームページの翻訳や多言語メニューの作成に向けた動きが活発化しているといいます。
一方で、課題に関してもいくつか浮上しています。助成金の申請手続きの簡素化や、事業者が多言語対応のノウハウを学ぶための情報提供の強化、また、多言語対応だけでなく、外国語を話せる人材の確保や育成も喫緊の課題です。単に情報を多言語化するだけでなく、実際にコミュニケーションが取れる人材の育成も、外国人観光客に「おもてなし」の心を感じてもらうためには不可欠となります。県内の観光団体は、これらの課題についても事業者と連携しながら、継続的に取り組んでいく姿勢を示しています。
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おわりに
今回の多言語対応助成金は、徳島県が真に国際的な観光地として飛躍するための重要な一歩となるでしょう。言語のバリアが取り除かれることで、鳴門の渦潮や大歩危・小歩危、阿波踊りといった徳島ならではの魅力が、より多くの外国人観光客に伝わりやすくなります。そして、安心して快適に過ごせる環境が整うことで、徳島県が訪日外国人観光客にとって「選ばれる観光地」としての地位を確立することが期待されます。観光団体は、「多言語対応をきっかけに、徳島県全体で外国人観光客を温かく迎え入れる機運を高めていきたい」と語っており、徳島県が「おもてなし」の心を世界に発信し、持続可能な観光振興を実現する未来に期待が高まります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。