目次
１．アジア料理店の市場規模拡大
２．三つの具体例
　　a．インドカレー
　　b．ベトナムのバインミー
　　c．スリランカ料理
３．食の多様化とその対策

1.アジア料理店の市場規模拡大

　近年、日本では外国人労働者の増加に伴い、アジア料理の人気が急上昇しています。国内市場規模は前年比で約2割増を記録し、その勢いは衰える気配がありません。外国人労働者が増えたことで、日本国内に新しい食文化が根付くと同時に、多様なニーズに応える飲食店の存在感が高まっています。本記事では、具体的な事例を通じてアジア料理市場の現状をひも解き、その魅力と課題について考えます。

2.三つの具体例
　a.インドカレー

　日本国内には約2600店舗のカレー専門店があり、そのうち約1220店舗がインドカレーを提供しています。バターチキンカレーやキーマカレー、サグパニールなどの多彩なメニューが並び、本場のスパイスが織りなす深い味わいが特徴です。カレーに欠かせないナンやバスマティライスがセットになったランチメニューは、価格帯が1,000円から1,500円程度と手頃で、満腹感を得られると好評です。その独特な香りと濃厚な味付けは、日本人だけでなく外国人労働者にも親しまれています。

　b.ベトナムのバインミー

　コロナ禍でのテイクアウト需要拡大を追い風に、ベトナムのサンドイッチ「バインミー」を提供する店舗が急増しました。現在、キッチンカーを含めて約500店舗が全国に展開しています。フランスパンに焼き豚やパクチー、ピクルスを挟んだバインミーは、ヘルシーでありながら満足感が高く、価格は500円から800円程度と手頃です。その手軽さとエスニックな風味は、仕事の合間や移動中の食事に最適で、多くの支持を集めています。

　c.スリランカ料理

　東京都内では、現在50店舗以上のスリランカ料理店が営業しており、健康志向やSNS映えを追求する若年層を中心に人気を集めています。主力メニューは、数種類のカレーや副菜をワンプレートで提供する「ライス＆カリー」。ココナッツを使用した風味豊かなカレーや、豆を使ったヘルシーなダールカレーが定番です。価格帯は1,200円から1,800円程度で、色鮮やかな見た目と豊かなスパイス使いが新しい食体験を提供しています。

3.食の多様化とその対策

　外国人労働者の増加は、日本の飲食市場に新たな課題も投げかけています。彼らの多様な食文化に対応するため、飲食店側には柔軟なメニュー開発やサービス対応が求められています。さらに、外国人労働者は店舗選びの際にGoogleマップを利用する傾向が強いため、オンラインマーケティングの強化が重要です。高評価の口コミや写真、英語や母国語での情報発信に力を入れた店舗は、競争を勝ち抜くための優位性を確立できるでしょう。

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　インドカレー、バインミー、スリランカ料理といったアジア料理は、外国人労働者の増加とともに国内での需要が拡大し、新たな市場を切り開いています。食文化の多様化が進む中、飲食店に求められるのは、異文化への理解と柔軟な対応です。アジア料理ブームは、一過性の流行ではなく、より多様で豊かな社会の一部として、日本に深く根付いていくことでしょう。

　最後までお読みいただきありがとうございました。

(参考文献)
バインミーの市場規模調査を行いました – 「日本バインミー協会」公式サイト
【完全保存版】ベトナムで絶対に食べたい「バインミー」 歴史と魅力を知ればもっと美味しい！
インネパカレーやベトナム…アジア料理店快進撃　市場規模2割増　価格は語る – 日本経済新聞