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グルメバーガーの新時代!FC店が持つ良さを活かし、共に継続する店づくり

持続可能なサービスを提供  
株式会社サスティナブルキッチン
ゴーストレストランでお客様のニーズに応える

本格的なグルメバーガー店として大阪府若江南で「BURGER PRODUCTS若江南店」を経営する株式会社サスティナブルキッチン。こだわりの牛肉100%肉厚ビーフにサクサクな無添加バンズが人気。見た目にインパクトがありSNSでも映えると地元地域の方々から愛されています。この直営店の他に、ゴーストレストラン(デリバリー業態)のFC(フランチャイズ)店を全国に16店舗展開しています。

手軽なテイクアウトやデリバリーが広まる中、飲食店はどのような戦略で運営しているのでしょうか?同社代表取締役の佐々木隆裕様に、背景や企業の想い、課題についてお話をうかがいました。

ゴーストレストランで自店の売上に貢献

-多様なブランドのゴーストレストランを展開されていますが、始められた経緯を教えてください。

(佐々木代表)以前よりゴーストレストラン事業を運営していた会社を、親会社である株式会社ジェイオーナビゲーションがM&Aをした経緯があります。昨年の夏に事業譲渡を行い、私が代表に就任いたしました。会社登記をしたのは昨年の10月になりますので、まだまだ新しい会社です。

ゴーストレストランは新規で飲食店を出店するよりも、設備などの初期投資や運営費用が抑えられるため低コストで開業できます。オンラインで注文が入るため、顧客のニーズや購買履歴などのデータが取りやすく、それを元にしたマーケティング戦略がしやすいのが魅力です。当社は11ブランドを展開しており、FC加盟店はどのブランドでも利用していただけますので、地域性に左右されず顧客層を広げることができます。
例えば自店がラーメン屋であったとしても、Uber Eatsや出前館などのデリバリーサービスに登録することで全く別の業種屋号で出店していただけるということです。自店のイメージを汚すことなく売上貢献につなげられるのがゴーストレストランの大きな利点です。

-御社のミッション「今、世界が目指すサスティナブルな社会を飲食業界から実現する」は、どのような想いで掲げられていますか?

(佐々木代表)新しい会社ということもあり私自身、飲食店の経営は大変だと感じることが多々あります。持続可能なサービスを提供できる企業へ発展させるために、様々な挑戦をしていきたいと思っています。
ゴーストレストランを運営することで、自店とは異なる業種の料理をお客様に届けることができるようになりました。普段調理しない料理を扱うことで自店にも活かせるヒントが沢山あると思っています。各ブランドが持つ良いところを上手く取り入れながらFC加盟店の皆さんと共に長く継続できる店づくりを行いたいと思っています。

-会社を立ち上げる際など大変だと思われたことはありますか?

(佐々木代表)会社設立に向けてM&Aをした会社は複数のFC店を抱え、ゴーストレストラン事業を運営されていました。私は事業譲渡の際にFC展開を積極的に行いたいと考えておりましたのでスムーズに事業の運営ができると期待しておりました。しかし実際はFC店の利益が思うように出せていない状況で、デリバリーサービスを利用するためのリサーチ力やノウハウも持ち合わせておりませんでした。
ノウハウがないなら自分達で一から実績を作ろうと考えました。競合他社との差別化を図ることや効果的なマーケティング戦略など考えること、実際に行動することは非常に大変だと感じています。自分達には何が最適かを皆で話し合い、質の高い商品やサービスの提供ができるよう邁進しているところです。

2月にリニューアルオープンした当社の直営店である「BURGER PRODUCTS若江南店」は、本格的なグルメバーガーとして見た目だけでなくこだわりのパテやバンズでお客様に喜んでいただいています。若江南という土地は都心部と離れており、飲食店も多くはありません。この地域でいかに多くの人々に周知してもらえるか、売上の実績が作れるかに注力しています。お客様には“遠くても行きたい店”、“選ばれる店”になるようブランディングの強化やSNSの発信にも力をいれています。

デリバリーサービスで配達人材は確保

-飲食業界全体で人手不足という課題がありますがどのようにお考えですか?また、どのような人と一緒に働きたいと思われますか?

(佐々木代表)直営店はテイクアウトとデリバリーが主体の店ですので、現時点では人材不足で悩むことはありません。商品配達の人員はデリバリーサービスが行います。デリバリーサービスは専門的な人員を抱えているため、低コストで効率的に配達を行うことができます。配達時間なども柔軟に対応してくれますのでお客様の満足度も向上し、人手不足の解消につながっていると思います。
当店はカジュアルな業種の店舗ですのでネイルや髪色の指定はしていません。面接を行う際は求職者の雰囲気を見て採用しています。ハキハキとした受け答えや表情などの第一印象も重要です。店舗でスタッフやお客様とのコミュニケーションが円滑に取れるような人に仲間になって欲しいです。

スタッフは店舗の顔

-入社後の教育面で工夫している取り組みはありますか?

(佐々木代表)2月に店を立ち上げたばかりの中、スタッフ達はよく動いてくれていると感謝しています。店舗には簡単なマニュアルはあるものの、多忙な状況下では私が指示を出している現状です。自分の考えを押し付けることがないよう普段から意識して話を聞くようにしていますが、私自身も企業の生産性や効率化を目指すためにスタッフを育てる経験がもっと必要だと感じています。スタッフは店舗の顔でもありサービスの質を担う存在になりますので今後もスタッフ育成に力を入れていきたいと考えています。

店舗ではどんな業務でも一度自分でやってみるようにしています。私は何でも器用にこなせてしまうタイプなので、スタッフを自分と同じように何でも対応ができるという視点で見ないようにしています。人には得手不得手があります。自分の強みを活かして得意分野を深めることで、自己成長を図って欲しいと思っています。一緒に働き、コミュニケーションを取る中で、スタッフそれぞれの得意なことや好きそうだなと感じたことを積極的に任せています。

スタッフの成長に期待

-企業の強みは何でしょうか?

(佐々木代表)強みは現在構築している段階です。立ち上げから一緒に働くスタッフのことは非常に心強く思っています。これまでできなかった業務にも努力を重ねてできるようになっていくスタッフの成長を見るととても嬉しく思います。まだ始まったばかり。二手三手先を読んで行動できる人を目標に、今は慌てず自分達らしく進化していきたいです。

店舗運営に関しては食品の品質と安全性の確保はもちろん、丁寧な接客や食品ロスを減らす取り組みなど飲食店で大事だと思うことを皆で行っています。
FC店は当社のブランドを自由にご利用いただけます。FC自店の強みになるようなブランドをぜひお試しいただきたいと思っています。

大切なのは「人」を想うこと

-『つなぐ』という観点で今後の事業をどのようにして未来に繋いでいきたいとお考えですか?

(佐々木代表)飲食業界に関わらず社会には多様な考え方があり、情報過多で正しい情報が見つけられない時代です。会社の発展を目指す上で情報に翻弄され多くの施策を思案するよりも、周りから泥臭いと言われても一つ一つ自分達で試して納得したことを取り入れたい。過度な情報ではなく人を想う気持ちを大切にし、挨拶や清掃など基本的な事がしっかりとできる企業でありたいと思います。

今後もゴーストレストランに対する需要は継続されると思いますが、コロナが明けることでまた違う施策が必要だと考えています。
まずは直営店の経営実績を作り、FC店にも取り入れてもらえるような仕組みを確立させたいと思っています。都心部から離れた場所でも利益が出せるようになれば地域の活性化にもつながります。
当店はグルメバーガーを提供しているので、従来のファーストフード店のハンバーガーとは異なるお肉やバンズの味をお客様に楽しんでいただききたいと思っています。今後は和牛100%にこだわったバーガーも登場させていく予定です。商品開発にも力を入れ当店を多くの方に周知していただけるよう皆でお店を盛り上げていきます。

店舗情報:バーガープロダクツ 若江南店(BURGER PRODUCTS))大阪府東大阪市若江南町1-8-30

 

【取材後記】
ゴーストレストランは従来のレストランよりも運営コストが低く柔軟な営業スタイルが可能です。自店と違う商品を扱うことでより多くのお客様に届けることができるので会社の利益にも貢献できます。今回のインタビューでは、デリバリーを上手く取り入れつつ、一から立ち上げた自店の実績向上を目指す企業の想いをお聞かせいただきました。泥臭くても「人」を想い、一つひとつ基本的なことを大切にしたいと話された佐々木代表の言葉が印象に残っています。

写真提供:株式会社サスティナブルキッチン /  取材、執筆:秋山直子

INBOUND PLUS 編集部

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