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地域の恵みを、デリバリーで。エフ・エフ・アルファがお届けする、生産者とのコラボレーション

地域の生産者とともに
― 株式会社エフ・エフ・アルファ ―
拡大していくデリバリー業態で多くの人に幸せを届ける

兵庫県淡路島の素材を活かした和食店「淡路島と喰らえ」など直営店4店舗、デリバリー専門のFC(フランチャイズ)を全国に180店舗展開している株式会社エフ・エフ・アルファ。コロナ禍にスタートさせたデリバリー業態が冷めても美味しいとUber Eatsで高評価を獲得。多様なブランド展開はお客様からのニーズも高く、現在も高い支持を集めています。
どのような経緯でデリバリー業態を始められたのでしょうか?企業の想いや飲食店が抱える課題について、株式会社エフ・エフ・アルファ執行役員 大山様にお話をうかがいました。

淡路島の良質な素材を、多くのお客様へ

-現在は様々なブランドのバーチャルレストランを運営されていますが創業のルーツは何でしょうか?

(大山さん)当社は淡路島の新鮮な素材を活かした和食店「淡路島と喰らえ」からスタートしました。知人に漁師がいたことで魚介類など旬の素材が手に入り、季節に合った調理法にこだわってきました。淡路島から直送される良い素材を使った美味しい料理を多くのお客様に味わっていただきたいと地域を身近に感じられる店づくりを意識しています。
淡路島の生産者さんは「素材造りのプロ」で、都市部にいる私達は「販売するプロ」という気持ちでお互いの利点を活かした”地都協業″を確立しています。私達は生産者さん達の想いを、料理を通して多くの人へ伝えたいと思っています。

-デリバリー業態が好調だとうかがいました。どのような経緯で始められましたか?

(大山さん)デリバリー業態はコロナ禍に始めたサービスです。直営で運営しているイートインの店舗は接待や宴会需要が高く団体様のご予約が主流でした。コロナで外出自粛やリモートワークが続き営業が出来なくなった時に強い危機感を覚えました。何か対策をと、社員の皆で考えたのが”デリバリー(宅配)″という新たな業態でした。コロナ禍で人々の生活スタイルが大きく変化したことで、当社のデリバリーは多くの方にご利用いただき、アンケート結果でも高評価をいただきました。本当に有難いことだと感謝しております。コロナ禍にも関わらずデリバリー業態は2021年9月、10月連続で月売上1,000万円に到達し、目に見えるかたちで多くのお客様に喜んでいただけたと感じることができました。
効率化を図りセントラルキッチンを新たに設けたことでお客様に美味しい料理をより早く届けられるようにもなりました。加えて各店舗の調理や作業の負担も軽減させることができています。

-デリバリー業態を始める時に大変だと思われたことはありましたか?

(大山さん)イートインのお客様に料理をお出しする時は出来立てを運ぶので一番美味しい状態で召し上がっていただけますが、デリバリーだとお客様の口に入るまで時間が長くなってしまいます。異なる条件で美味しい料理を提供するために料理人は一からレシピを作り直しましたので苦労は非常に大きかったと思います。何度もトライアンドエラーを繰り返し、冷めても美味しい料理を完成させてもらいました。接客面でも以前のように直接美味しいと言ってくださるお客様の顔が見えなくなったことで、従業員の仕事に対するモチベーションが下がったように感じました。
新しいチャレンジに課題やリスクがあることは承知していますし、残念ながら会社の方向性を理解いただけなく離れた方もおりました。しかし私達と一緒にチャレンジしてくれた従業員達は皆、自分達の料理を通してお客様に幸せや元気をお届けするのだという強い目的意識を持って取り組んでくれています。

大事なのは自分の可能性を信じること

-飲食業界全体で人手不足という課題がありますがどのようにお考えですか?
何か対策はされていますか?

(大山さん)人手不足の課題はコロナ前から当社にもございました。私は従業員が自分の可能性を信じる事ができるかどうかが人手不足改善のポイントだと思っています。私の経験から言うと下積みを経験し30代ぐらいで人生のキャリアプランが見通せる年齢になった時、飲食業界で働く未来をイメージできなくなる人が多いように感じます。要因は一つではなく労働条件や体力、意欲低下の他にコロナなどの外的要因も含まれると思います。私は未来に不安を感じる業界ではなく、新しいことにも積極的にチャレンジしたくなり、やりがいを見つけられる業界であってほしいと思います。困難な壁に直面しても自分の持つ可能性を信じてはたらく喜びを得てほしい。そのために私達はいつでもチャレンジしたくなるような職場環境を整えていきたいと考えています。

-どのような人と一緒に働きたいと思われますか?

(大山さん)どんな時でも自分の可能性を信じて挑戦が出来る人は魅力的です。当社には色々な事業がありますので個人の適性に見合った環境を用意することができます。例え一つの場所で上手くいかなくても、諦めず別の場所で新たなキャリアを目指すこともできます。常に目標を持ち必要なスキルを学び、努力を重ねていくことは自身の価値を高めてくれます。変化を恐れず、何事もやってみようと前向きに捉えられる人達と一緒に働きたいと思います。

-従業員の教育面で工夫している取り組みはありますか?

(大山さん)様々な業態を持つようになり、統一化されたマニュアルや評価制度では対応が難しくなりました。
業態に見合ったマニュアルや評価制度を現在作り直していますが、以前から360度評価という自分の周囲の人(上司や同僚・部下)からの意見を聞くことで自己理解を深め、皆が納得できる評価制度を取り入れています。
横の繋がりを大切に考え、役員が定期的に全従業員と面談し各自の課題や目標に添ったフォローアップも行っています。またマネジメントに携わる一部の社員にはビジネス書「七つの習慣」を用いた研修等も積極的に行い、価値観や責任を伴う行動について学んでいただいています。

インバウンド集客の取り組み

-今後コロナが落ち着き、また外国人観光客が増えると言われています。
インバウンド対策は何かされていますか?

(大山さん)海外のお客様が増えてきていると感じていますが、会社のホームページや店舗メニューの英語表記、動画制作に留まっており万全な対策とは言えない現状です。当社は原宿でパンケーキが人気の「ワーキングホリデー・コネクション」の運営を行っています。コロナ以前は海外留学生と日本の若者がつながれる場としても活用しておりましたので、またそのような機会を設け海外の方と交流が持てれば良いなと考えています。デリバリーサービスでも外国人のお客様から注文はございますので今後はインバウンドに向けた取り組みができるよう施策を考えたいと思います。

環境に合わせられる適応力

-企業の強みは何でしょうか?

(大山さん)今回のコロナのような予測がつかない状況下でも素早く対処する適応力があることだと思います。お客様のニーズに応えられるデリバリーサービスが全国に広がったことは私達の強みになりました。
そして、これから成長が期待されるベンチャー企業として紹介される「ベストベンチャー100」(ベンチャー通信サイト・法人向け有料会員制サービス)2022年度に選んでいただいたことも従業員にとって大きな自信につながりました。ベストベンチャー100に応募しようと思った理由の一つは、従業員に自分達が世の中から期待されている会社にいるという存在意義を感じて欲しいと思ったからです。自分達の可能性をもっと信じてこれからも様々なチャレンジを一緒にしていきたい、そして私達の料理を通してお客様に幸せを届けたいと思っています。

-『つなぐ』という観点で今後、事業をどのようにして未来に繋いでいきたいとお考えですか?

(大山さん)今後も良質な素材を創り出してくれる生産者さんとともに様々な事業に取り組んでいきたいと思っています。新鮮で良い素材があるからこそ美味しい料理に仕上げることができます。
これまでもヴィーガンや薬膳料理などの専門店は評価が高くリピーターが多いのも特徴的でした。コロナ過で人々が生活スタイルや食生活を見直し、健康を意識されている方が増えた印象を受けました。体が喜ぶ素材を使って料理すれば、必ず体は応えてくれると思っています。今後はヴィーガンや薬膳料理などの健康志向を広げていけるような店舗展開も考えています。ジャンルに縛られることなく素材の良さを表現し、従来のイートイン店だけでなくデリバリー業態でも生産者と私達の想いをお客様に伝えていきたいと思っています。

店舗情報(代表店):淡路島と喰らえ 銀座コリドー店 東京都中央区銀座8-2-1ニッタビル2-1

 

【取材後記】
コロナ禍で営業ができなくなった飲食店は会社の存続や従業員雇用を守るために様々な取り組みを試みています。今回のインタビューではコロナで外食できない人々のニーズに合わせてチャレンジしたデリバリー業態が支持され、会社を大きく前進させた話をお聞かせいただきました。お客様に美味しさと幸せを届けるため地域の生産者とともに今後どのようなお店を展開されていくのか楽しみです。

写真提供:株式会社エフ・エフ・アルファ /  取材、執筆:秋山直子

INBOUND PLUS 編集部

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