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【インバウンド×人材育成】
インバウンドガイドの育成で外国人受け入れのインフラを日本全国に

 2018年1月の改正通訳案内士法の施行により規制が緩和され、資格を保有していない方でも有償でのガイド業務に従事できるようになりました。このような背景のもと、地域を中心としたガイドの人材育成やガイドサービスの品質向上に取り組んでおられる、一般社団法人インバウンドガイド協会様へ取材させていただきました。


 
               

一般社団法人インバウンドガイド協会とは

最初にインバウンドガイドの定義について教えてください

 はい、インバウンドガイドとは、有償・無償や通訳案内士資格の有無を問わず、外国語による訪日外国人旅行者向けのガイド業務に従事する方の呼称です。
 

次に一般社団法人インバウンドガイド協会の概要について教えてください

 一般社団法人インバウンドガイド協会は、各地の自治体や訪日外国人旅行者に携わる事業を行っている企業と共に、2019年10月に設立されました。
当協会設立の背景として挙げられるのは、個人旅行の増加や地方部を訪れる旅行者の増加などに見られる、訪日外国人旅行者のニーズの多様化です。各地で様々な体験を求める訪日外国人旅行者が増加した結果、観光コンテンツや旅行者を案内するガイドの充実が急務となりました。特にガイドは、地域の観光における重要な担い手として欠かすことができない存在としてニーズが高まっています。
2018年1月には通訳案内士法の改正により、資格を保有していない方でも、外国語による有償でのガイド業務に従事できるようになりました。当協会は、新たにガイド業務に従事する方々や、日々訪日外国人旅行者を案内する方々を対象に、外国語ガイドの人材育成や、ガイドサービスの品質向上推進を目的とした様々な活動に取り組んでいます。

具体的にどのような取り組みを考えられているのでしょうか

 大きく3つの取り組みに力を入れる予定です。1つ目は、訪日外国人旅行者を受け入れる上で必要となる制度・法令・食事・宗教などの対応や、日本文化や地域の特色などを体系的に習得できる教材づくりです。2020年3月には、ガイドに必要な知識やスキルを一冊の本にまとめた『インバウンドガイドの教科書』(仮)を発売させていただく予定です。


(インバウンドガイドの教科書の写真)

 2つ目は、当協会に参画いただいた各自治体様と共同で開催するガイド養成講座です。直近では、千葉県いずみ市や岐阜県高山市と共同で開催いたしました。これからはゴールデンルート以外の地域にも、より多くの訪日外国人旅行者が訪れる時代となるため、多くの自治体が宿泊施設や飲食店といったハードコンテンツの整備だけでなく、その地域の魅力を十二分に伝えるガイド人材の育成をはじめとしたソフトコンテンツの強化に取り組んでいます。
3つ目は、検定試験の実施です。国家資格の通訳案内士を持っていなくても、ガイド経験を持った方や、これからガイドを始めてみたいという方は多くいらっしゃいます。そこで当協会では、独自の検定試験を実施し、通訳案内士の資格がないガイドの方の能力を担保する新しい仕組みを作ろうと考えています。これは、ガイド業務に携わる方に限った検定ではなく、ホテル業界や航空業界など日々訪日外国人旅行者を案内する機会を持つ方々にとっても役に立つ内容にしたいと考えています。

ガイド活躍の場づくり

今後の展望について教えてください

 今後は訪日外国人旅行者の受け入れ強化を考えていらっしゃる自治体や、旅行業や宿泊業、商業施設運営業、飲食業、公共交通機関等で、社員教育や地方での事業強化のために当協会のサービスを役立てていただきたいです。また、当協会に参画いただいた自治体、企業と共に、「インバウンドガイド」が実際に活躍できる場を作って行きたいと考えています。当協会の活動にご興味のある方は、是非お気軽にWEBサイトよりお問い合わせいただければと思います。(https://inbound-guide.org/blog/category/event/)

編集後記:
 今回記事を書くにあたって、これから地方に観光客が増えていくことがわかりました。また、地方自治体や訪日外国人旅行者に関わる企業様の対応力底上げを行なってくれる団体だと思いました。この取り組みが日本中に広がっていくことが、本当の観光立国日本に向けての第一歩かもしれません。
(INBOUNDPLUS編集部 新國光太郎)
取材・写真:世良田一輝
編集:新國光太郎

INBOUND PLUS 編集部

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