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【ムスリム×インバウンド】
ムスリムをはじめとした訪日外国人受け入れで大切なこととは

ムスリムは世界人口のおよそ4分の1といわれており、ムスリムの多い東南アジアからの訪日外国人は毎年増加しています。一方で日本のムスリム受け入れ体制はまだまだ進んでいないのが実態です。ところで受け入れ体制というと食事や礼拝を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。今回はムスリムフレンドリーな「バスグッズ」を企画販売されている有限会社イサム様にお伺いしました。ムスリムフレンドリー商品の取り組みに至るまでのお話から現在の日本の受け入れ体制についてのお話等お話いただきました。

取引先の一言がきっかけ

様々な事業を行われていますが、具体的にどのような事業をされているのでしょうか

 まず弊社はインテリア事業から始まっていて、そこからもともと自分達が肌が弱かったこともあり、肌に優しいスキンケア用品を作ろうということでスキンケア事業を開始しました。宿泊施設等の業者様への営業活動の中で、取引先からの要望で手ぬぐい等のノベルティの制作も手がけさせていただくようになりました。そんな中であるときインバウンドに携わる方から、ムスリムの方が宿泊の際に抱えている課題を聞き、それならばと、スキンケアで取引きのある製造会社と相談して、ムスリムの方でも安心して使えるバスグッズの取り扱いを始めることにしました。

ムスリムフレンドリー商品にはどのような特徴があるのでしょうか

 商品ラインナップはシャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュで、厳選した植物エキス配合のノンシリコンのものです。特に成分は肌の弱い方でも使っていただけるようこだわっているので、ムスリムの方だけでなく様々な方に安心して使っていただける商品になっています。また理解しやすいよう、ピクトグラムや英語・中国語で成分や商品説明を表記したPOPも一緒にご案内しています。小売店や飲食店でお土産として販売している個人向けのパッケージでは、それぞれ異なる和柄のデザインや漢字を入れ、見た目も楽しんでいただけるような工夫をしています。ハラールに準じた商品ですが、あえてハラール認証はとらずどなたでも安心して使っていただけることをコンセプトに企画した商品です。



上:宿泊施設等向けアジャスターボトル
下:小売店や飲食店で販売されている個人向けパッケージ

誰もが安心して利用できる商品

ムスリムの受け入れというと食事や礼拝に関しては認知が広まっていますが、バスグッズのニーズというのは多いのでしょうか

 
 やはり現状は食事や礼拝に関しては広まっていても、バスグッズや肌に触れるものに関してはまだまだ広まっていません。ムスリムの方の中でも信仰の度合いや行動規範の基準というのは個人差があるので、宿泊施設の方でも認知されていない方が多いです。ただ、「沈黙のムスリム」というように、宿泊先で申し出ず本国から持参されている方も少なくはなく、そういった現状をふまえるとムスリムの方にとって日本は旅行しにくい環境であるといえます。

 ムスリムの方の訪日旅行での一番の課題といえるのは、「商品の表示に関して」です。日本やその他の国で製造された市販のものであっても、例えば豚由来の成分やアルコール成分が入っていなければ、ムスリムの方でも使っていただける製品であると思います。しかし特に日本の商品は、英語に比べ理解できる方の少ない日本語のみで表記されているため、成分が明確にわからないことで、その商品を使用できないといった問題が起こっています。

 表記に関しては宗教だけでなく、アレルギーを持っている方や、ビーガンやベジタリアンといった食に関してポリシーをもつ方々にもあてはまる問題だと思います。だからこそ、ピクトグラムで視覚的に理解できるデザインで、どのような方も安心して快適に旅行を楽しんでいただける環境づくりに貢献していきたいです。

それまで取り組まれていなかった分野に挑戦するのはそう簡単ではなかったと思いますが、取り組もうと思われたのはどのような思いからだったのですか

 私たちも最初は一般的な知識しか持っていなかったので、本当にバスグッズなんて必要あるのかなといった疑問もありました。しかし、持ち前の「何でも挑戦する精神」で取り組むことを決意しました。決意してからは、ムスリムに関する勉強会や交流会に積極的に参加するなどして、たくさん勉強しました。日本に留学に来ている方や住まれている方の声を聞き、コンビニの商品ひとつとってみても、明確な表示がないことで限られた生活をされている現状を知り、宗教に関して積極的に知り、対応していかなければならないと感じました。

日本文化の継承に貢献

今後の展望についてお聞かせください

 外国人だから、ムスリムだからということではなく、日本のこれまでの伝統、文化になじんでもらえるようなおもてなしができるようになればと思います。国内外問わずさまざまな方に日本の文化を知っていただきたいです。「和」をモチーフにした商品の企画制作で、これから日本の文化をより多くの方に知っていただけるよう頑張りたいです。


【編集後記】
 ムスリムフレンドリー商品に取り組むまでのお話から取り組みの中で感じたことを聞かせていただきました。お取引先からの要望で挑戦されたのがきっかけというお話からもわかるよう、「とにかくなんでもやってみる」を大切にされているとお話されていました。一方で、とても慎重でできる限り自分たちで検品梱包を行うとおっしゃっていました。お仕事に対する姿勢がとても素敵な方々でした。ありがとうございました。

INBOUND PLUS 編集部

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