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立地、観光資源に恵まれた「KOEDO川越」の
3つのインバウンド戦略

今回は、ここ数年急激に訪日外国人観光客が増加している川越が、どのようなインバウンド対策を行っているか探るべく、川越市 産業観光部 観光課を訪ねました。

「KOEDO川越」基本Data

●立地:
川越は、池袋駅から電車で約30分、新宿、渋谷からも1時間程度で行くことができ、東武鉄道の川越駅、川越市駅、西武鉄道の本川越駅など、東京方面から7路線が乗り入れている。

●観光資源:
重要伝統的建造物群保存地区の古い土蔵が並び、江戸情緒が残る町並みなどの観光資産に恵まれている。

主な観光資源・名産
①蔵造りの町並み
②時の鐘
③川越氷川神社
④菓子屋横丁
⑤喜多院
⑥さつまいも
⑦COEDOビール

●外国人観光客の推移
平成27年度には前年比154%の11万9千人、28年度は前年比144%の17万1千人、29年度は前年比115%の19万7千人と近年大幅に増加傾向にある。

川越のインバウンド戦略①役割分担の明確化

川越市は主に受入環境整備に特化してインバウンド対策を行い、プロモーション面は、埼玉県や鉄道3社(JR東日本、東武鉄道、西武鉄道)とともに展開する。この明確な役割分担が川越のインバウンド戦略の特徴の1つ。

平成30年度は、さいたま市・鉄道会社3社との連携で、以下を行う予定である。

①海外の旅行会社や国内の宿泊施設等で外国人向けフリーペーパーの配布
②海外の旅行博等で鉄道会社と連携したPRの実施
③外国人向けウェブサイト等への記事掲載

川越のインバウンド戦略②ターゲットの明確化

川越のターゲットは「世界の若い女性」。
この層を取り込むべく、毎月8の付く日を「川越きものの日」と定め、着物で訪れた人に様々な特典を用意したり、ライトスポットの創出や縁結びの神様で有名な「川越氷川神社」と連携するなど、若い女性のニーズに応えるコンテンツの充実化を図っている。

今後はターゲット層へ的確に情報を届けるために、デジタル面の強化を行う予定である。

●平成30年度の受入環境整備面の主な取り組み
①QRコード・NFCの設置
②Kawagoe Free Wi-Fiの増設

2次元(QR)コードやNFC(近距離無線通信)といったコンタクトポイントを観光案内所などに設置。

川越のインバウンド戦略③協力体制の強化、サポートの徹底

川越市 産業観光部 観光課の小高氏は、「鉄道会社等と連携できている部分もそうですが、やはり、商店街の方たちや川越氷川神社など、街の方たちの積極的なインバウンド対応への参加が大きな力になっています。川越氷川神社の催しに合わせて、商店街側は通りの装飾を変えてみたり、神社に訪れた外国人観光客を商店街に誘導するなど、街全体が横の繋がりを意識した協力体制を築きつつあり、私たち行政の役割は、皆さんの調整役として、円滑に街の活動が進むことだけを意識して、皆さんの活動を補完し、サポートに徹することを意識しています。」と語る。

産業観光部観光課 小高氏(写真左)、並木氏(写真右)

「まだ、世の中でインバウンドと言われる前から、先輩方が国内に向けて、足を使って『川越』のPRをし、さまざまな施策を行ってきたのを見てきました。その活動の結果として、『KOEDO川越』というブランドイメージがようやく国内でも浸透して、東京五輪を前にしたこのタイミングで、訪日外国人の集客にも繋がったのだと思います。」と当時を振り返りながら、川越も初めから観光地として成り立っていたのではなく、10年以上に及ぶ地道な普及活動と、頭をひねってアイデアを出し続けてきたことが、少しずつ結果として身を結びつつあると話す姿が印象的だった。

2020年、東京オリンピックのゴルフ会場が市内にある霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催される川越市。課題は、東京オリンピックの会場に訪れた外国人観光客が、東京などの宿泊地に戻る前に、川越の街に長く滞在し回遊してもらうための施策をどうするか。すでに、欧米人などを意識した対策も進めている「KOEDO川越」のインバウンド戦略にはこれからも注目したい。

INBOUND PLUS 編集部

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