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「北海道銀行インバウンド・プロダクツ 2017」
主催 北海道銀行様インタビュー

2017年5月18日、札幌コンベンションセンターで催された北海道銀行主催「インバウンド・プロダクツ2017」。企画立案から当日の運営まで一気通貫で対応された北海道銀行 観光産業推進室の坂口調査役に会場で話を伺いました。

まずは、ノウハウや技術を持つ関東・関西圏の企業と、北海道の自治体や地場企業を結びつける場を作りたかった

今回の展示イベントを主催するに至った経緯と目的は?

 去年の4月に北海道銀行内に観光産業推進室を立ち上げました。ここ数年、当行と直接取引のない東京の企業様が北海道のインバウンド市場の成長性に注目いただき、インバウンド対応サービスパンフレットを送付していただいたり、営業の問い合わせをいただくことが増えてきました。そのような話が増える中、当行も訪日インバウンド市場に対する理解を深めてきました。北海道は、観光資源は豊富にありますが、インバウンド向けのサービスなどはそれほど多くないことから、東京を中心とした関東・関西圏のノウハウや技術を持つ企業と北海道の自治体や地場企業を結びつける場を提供することができれば価値がある場になるのではと考え始めたのがきっかけです。

今回、大手メーカー様の展示も多いように、これまで観光業に携わっていなかったような企業様がインバウンド市場に目を向け参入してきています。お話を伺ってみると、まだまだ観光産業について、また北海道の地域において何が必要とされているのかを学んでいくという段階のようです。逆に北海道の地域の方は先進的なノウハウや技術などの情報が十分に行き渡っていない状況ですので、今回はそのミスマッチを埋めることが最大の目的です。

交通手段の整備など観光における課題は山積み

北海道の観光に関する特徴や課題は?

 観光地と呼ばれる場所が駅から遠く、公共交通機関での移動が難しいのが北海道の特徴です。例えば観光地として人気の高い美瑛や積丹半島は鉄道では行けません。ヨーロッパのように鉄道観光できない北海道は、何か別の交通手段を充実させるなどの交通手段の整備が必要だと考えています。また旅行者にとって有名な観光地までの距離感がわからないという点も特徴的で、訪日客から函館に行った後に知床半島に行きたいとリクエストされてしまうケースもあるようです。旅行者に観光地へのアクセス情報を提供していくことも必要だと考えています。

あと札幌は現在、ホテルの建設ラッシュです。ただ、国際ホテルブランドがないので、ラグジュアリー層に対してどうするかという課題があります。

展示しているサービス企業と提携して、道内で水平展開したい

貴行のインバンド市場におけるこれからの展開について。

 今回、有難いことに、約60社の企業に出展して頂きました。展示は一日限りですが、これから各社のサービスをもっと詳しく聞かせていただき、それらのサービスを北海道でどう活かせるか、当行として何ができるかを考えていきたと思っております。今回展示しているサービス企業と提携して、道内で水平展開などもしたいですね。

当行としては、このような取り組みを行い、今後も取引先のお客様に付加価値を提供していきたいと考えています。銀行としても、このような新しい市場の知見を高め、設備ニーズなどを掴みながら、資金面でのバックアップ、また、取引先企業様と今回展示いただいている企業様を繋げるなどの支援をしていきたいと考えております。

坂口 秀之(さかぐち ひでゆき)

株式会社 北海道銀行 地域振興公務部 観光産業推進室(調査役)
札幌生まれ。中央大学総合政策学部卒業後、㈱北海道銀行へ入行。支店勤務を経て、2007-09年まで北京駐在(日中経済協会北京事務所へ出向)。北海道の食品輸出支援や、草創期だったインバウンドで、北海道を中国の旅行会社へ売り込みを図る。帰国後、旧法人営業部にて、銀行主催としては初めてとなるインバウンド誘客個別商談会「北海道観光特別商談会from中国」を2011-13年に3度開催。さらに支店勤務後、現部にて、これも銀行主催としては初めてとなる「北海道銀行インバウンド・プロダクツ2017」を開催。海外46か国、150都市を訪問。

INBOUND PLUS 編集部

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