飲食店と異業種を組み合わせるミクストランは、集客力や売り上げのアップが期待できる業態です。
本記事では、ミクストランのメリットや成功事例、注意点などを紹介します。
ミクストランとは?
「ミクストラン」とは、混ぜるという意味の「ミックス」と「レストラン」とを組み合わせた造語で、飲食店と別の異業種を組み合わせた業態のことです。
「書店×カフェ」「温泉×レストラン」「コインランドリー×カフェ」など組み合わせはさまざまで、日本にもすでに数多くのミクストランが存在します。
ミクストランのメリット
ユーザーにとってのミクストランを利用するメリットは、利便性の高さです。
例えば、温泉にレストランやカフェが併設されていれば、温泉に浸かってリラックスした気分のまま、食事やお茶を楽しむことができます。
同じく、コインランドリーでの洗濯完了を待つ間、そこにカフェがあれば仕事をしたり読書をしたりと待ち時間を有意義に活用できるでしょう。
「温泉に入ったあとに食事をする」「コインランドリーでの洗濯中にカフェで時間をつぶす」といった工程が1か所で済む利便性が、ミクストランを利用するユーザーにとってのメリットです。
一方、店側のメリットとしては差別化による集客力の向上や、売上増加が期待できる点が挙げられます。
異業種と組み合わせによりほかのレストランとの差別化が可能。
組み合わせた業種が魅力的であれば、それぞれの集客が合わさって大きな集客力となるでしょう。
集客力がアップすれば、その分の売上増加も見込めます。
ミクストランの成功事例「蔦屋書店×スターバックス」
ミクストランの代表的な成功事例として、蔦屋書店×スターバックスが挙げられます。
蔦屋書店に併設されたスターバックスカフェで、コーヒーを楽しみながら購入前の本を試し読みできるという業態です。
購入前の本を読めるという斬新なスタイルに加え、ゆったり過ごせる環境づくりを徹底。
この業態は多くのユーザーに受け入れられ、今では全国各地に店舗が展開されています。
この事例では、同じ書店×カフェの組み合わせでも、「買った本をその場で読める」とせずに「買う前の本をゆっくり試し読みできる」とした部分が成功要因の1つ。
書店とカフェの両方で平等に売上を狙うのではなく、書店の本をカフェの集客材料として活用することで、「買う前の本が読める」という顧客価値を提供しつつ、カフェの売上増を達成していると考えられます。
成功させるには注意点もあり
蔦屋書店×スターバックスの例のように、ミクストランを成功させるには注意点もあります。
組み合わせる2業種の親和性が悪い場合は、2つが足を引っ張りあってしまう可能性も。
極端な例としては、「体を鍛えるためのジム」に「高カロリー・高糖質のメニューを提供するレストラン」を組み合わせても、ヒットさせるのは難しいでしょう。
ジムには「低カロリー・高タンパクなメニューを提供するレストラン」の方が相性がよいといえます。
また、組み合わせる業態はどちらも魅力的でなければいけないのもポイント。
例えば、コインランドリーとカフェを組み合わせる場合、「洗濯のついでにカフェを利用する人」だけでなく、「カフェに行くついでに洗濯をする人」も集客しなければなりません。
単なる洗濯中の時間つぶしとして低クオリティなカフェを併設しても、集客や売り上げの向上にはつながらないでしょう。
ぜひ相乗効果を発揮できる魅力的なミクストランを検討してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。