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飲食店の二毛作ビジネスのメリット・デメリット。必要な営業許可なども解説

営業時間外を有効活用する方法として広まっている飲食店の二毛作ビジネス。

昼・夜の業態でうまく相乗効果を出せれば、大幅な売り上げアップが見込める手法です。

本記事では、飲食店における二毛作ビジネスとは何か、メリット・デメリットを紹介するとともに、実施に必要な届出などについて紹介します。

飲食店の二毛作ビジネスとは?

飲食店の二毛作ビジネスとは、同じ店舗の設備を利用して時間・営業日・曜日などが異なる業態での営業を行うことです。

昼と夜の業態の組み合わせはさまざまで、「飲食店ー飲食店」のパターンのほかにも、「料理教室ー飲食店」「レンタルオフィスー飲食店」のようなものも存在します。

 

飲食店の二毛作ビジネスのメリットには、以下のようなものがあります。

昼と夜とで大きく異なる業態で営業できる

二毛作ビジネスでは、昼と夜とでまったく異なる業態での営業が可能です。

例えば夜間の売上が伸び悩んでいるカフェ業態の場合、夜間はカフェからバーなどに変更してアルコールを提供することで売上回復が見込める可能性があります。

 

この際、カフェ業態のままアルコールメニューを追加すると、カフェ自体の客層や店の雰囲気が変わってしまい、もともとついていたカフェの固定客が離れていくリスクも。

二毛作として業態を変えてしまえば、そういった危険性も回避できます。

 

また、和食と洋食、高価格帯とお手頃価格帯など、その地域でヒットする飲食店の方向性をテストで確認したい際、日付や曜日によって2パターンを試す二毛作も効果的。

こうしたマーケティングテスト目的で二毛作ビジネスを行う例もあります。

 

異なる客層を開拓できる

2つの業態で異なる客層を開拓できるのもメリットのひとつ。

昼のカフェで獲得した顧客を夜のバーへ、といった顧客の流れを作ることができれば、2つの業態で相乗効果を生み出せます。

 

1つの業態の営業時間を延長するよりも、より広い客層にアプローチできるのがポイントです。

 

食品ロスを軽減できる

「飲食店ー飲食店」のパターンで二毛作ビジネスを行う場合、共通の食材を使うメニューを用意しておけば、食品ロス軽減も期待できます。

ある程度共通の食材を使えるように2つの業態の組み合わせを検討することも可能です。

 

続いて、飲食店の二毛作ビジネスのデメリットや注意点を紹介します。

共倒れするリスクがある

相乗効果が生まれれば大きな成果が見込める二毛作ビジネスですが、組み合わせがよくないと共倒れしてしまうリスクがあるのは要注意ポイント。

例えば、おしゃれさや上品さを売りにしていた昼のレストランの後に、騒がしすぎる居酒屋などを営業してしまうと、夜のイメージが昼のイメージを壊してしまい、客離れが起きてしまう可能性があります。

 

二毛作ビジネスの組み合わせを検討する際は、2つの業態の客層・雰囲気があまりにもかけ離れたものになっていないか確認しておきましょう。

 

人材確保ができなければ長時間労働につながる

2つの業態を同じオーナーが営業する場合、適切に人材を確保できなければ長時間労働につながってしまうリスクがあります。

ビジネスを始める前に、アルバイトや時間帯責任者を務める社員スタッフなどをしっかり確保しておきましょう。

 

飲食店の二毛作ビジネスを始めるときに必要な手続き

飲食店の二毛作ビジネスを始めるときに必要な手続きは、2つの業態のオーナーが同じかどうかで異なります。

ここでは、「飲食店ー飲食店」のパターンを想定して、必要な手続きを説明します。

 

まず、同じオーナーが営業をする場合で、どちらか一方の飲食店の営業許可証を取得済みなら、その営業許可証で2つ目の業態も営業可能です。

 

一方、昼のみ営業している店舗の夜の時間帯に別のオーナーが飲食店を経営する場合、夜の分は新しく営業許可証を取得する必要があります。

管轄の保健所に申請して営業許可証を取得しましょう。

 

また、新たにアルコールの販売を始める場合は、各種手続きが必要になるケースがあります。

 

テイクアウトでアルコールを提供する場合、「酒類小売業免許」の取得が必要です。

店内で提供するだけであれば、特に免許の取得は必要ありません。

 

続いて、0時以降にアルコール飲料をメインに提供する場合は、「深夜酒類提供飲食店営業」の許可を得る必要があります。

ただ、ラーメン店などでお酒がメインの商品ではない場合は、許可は不要です。

 

飲食店の二毛作ビジネスは、成功すれば大きな追加コストをかけずに売上増加が見込めます。

需要や収益性などを考慮したうえで、チャンスがありそうであればぜひ実施を検討してみてください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

INBOUND PLUS 編集部

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