しばらく伸び悩んでいた焼酎の売上高が、最近増加傾向に転じました。
焼酎の売上回復の一番の要因は、新型コロナウイルスの5類移行による外食向け販売増ですが、好調なインバウンドも影響していると考えられます。
本記事では、焼酎をインバウンド集客につなげようとする「酒蔵ツーリズム」などについて紹介します。
焼酎売上が回復傾向。外食向け販売増が要因
報道によると、全体的に低下傾向だった全国の焼酎メーカーの売り上げが、数年ぶりに前年実績を上回り回復傾向に転じているとのこと。
新型コロナウイルスの5類移行による外食向け販売増加が回復の要因だとみられています。
さらに、近年好調が続くインバウンドも焼酎売上回復に少なからず影響しているのではないかと考えられます。
日本のお酒は海外でも人気で、とくに最近は韓国でのジャパニーズウイスキーブームなどが話題になりました。
▶️韓国では日本産ウイスキーが大人気。日本からの輸入額が急増中
韓国の若者の間でウイスキーが流行ったのは、コロナ禍で家飲み文化が広まった際、好きなものと混ぜて自分好みの飲み方がしやすいウイスキーの特徴が支持されたためだといわれています。
その点では焼酎もいろいろな飲み方ができるため、きっかけさえあれば同じようなブームを起こせる可能性はあるでしょう。
また、九州エリアを中心に「焼酎」をインバウンド向けコンテンツとしたプロジェクトが登場しており、訪日外国人が焼酎に触れる機会は増えています。
ビール・日本酒・ウイスキーに続いて、日本の焼酎が外国人の間で流行する可能性は十分にありそうです。
酒蔵ツーリズムでインバウンド集客
焼酎で有名な九州エリアでは、インバウンド向けコンテンツとして焼酎を活用したプロジェクトが登場。
たとえば宮崎県では、宮崎県公式観光サイトが「宮崎焼酎と宮崎ワインを巡る旅」と題したページを開設しています。
ページでは、県内の27蔵元74銘柄の芋焼酎の香りや味がマップで紹介されていたり、見学・体験ができる酒造所がまとめて紹介されていたりと、焼酎を楽しみたい観光客にとって有益な情報が確認可能です。
同じく宮崎県の都城市では、肉・焼酎・地ビール・国産ワインを一挙に楽しめる体験型ツーリズムも登場。
地元の料理・お酒を楽しめるディナーや酒蔵体験、焼酎作り体験など、都城市ならではのさまざまな体験ができるツアーに参加できます。
焼酎売上全国トップの霧島酒造株式会社の酒蔵体験も含まれており、日本の焼酎文化に深く触れられるのも魅力的なポイントです。
ローカルの焼酎が集客の武器に
焼酎売上回復の報道へのコメントでも、「焼酎は有名どころよりもローカルな蔵元のものがおいしい」「人気ランキング外にもユニークな焼酎は多い」といった意見があがっています。
インバウンド客の地域分散が進められる今、「ローカルの焼酎」は強力な武器になる可能性を秘めているといえるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。