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ワタミがアバターを使ったリモート接客の実証実験を実施中

居酒屋チェーン大手ワタミ株式会社が、アバターを使ったリモート接客の実証実験を開始しました。

新たな雇用を創出すると同時に、リモート接客ならではの特徴を利用してユーザーに新しい飲食体験を提供するのが目的です。

本記事では、ワタミの実証実験の概要やリモート接客のメリット・デメリットなどについて紹介します。

ワタミのリモート接客の実証実験

ワタミのアバターを使ったリモート接客の実証実験は、ワタミ株式会社とアバターダイニングラボ有限責任事業組合(ADL)の協業によるもので、2024年7月29日〜2024年8月29日までの1か月間実施。

実施店舗はミライザカ 新橋銀座口ガード下店で、アバターによるリモート接客は18時〜23時の間に稼働しています。

 

<実証実験概要>

実証実験期間:2024年7月29日〜2024年8月29日(8月11日〜8月16日を除く)

アバター稼働時間:18時〜23時

実施店舗:旨唐揚げと居酒メシ ミライザカ 新橋銀座口ガード下店

 

スタッフはテーブルのモニターに自身のアバターを写し、オーダーの受注対応やおすすめ商品の紹介などの接客サービスを提供するほか、ユーザーが楽しめるコンテンツも用意。

アバターを介したコミュニケーションにより双方の心理的ハードルが下がることで、リモート接客ならではの新しい飲食体験の創造に挑戦するとしています。

また、アバターは店先の大型サイネージにも表示。

店舗の紹介や空席情報などを案内することで、販売促進にも効果を発揮しています。

 

リモート接客のメリットとデメリット

リモート接客にはいくつかのメリットとデメリットが存在します。

まず、リモート接客のメリットは大きく以下の3つです。

① 柔軟な働き方が実現でき人材を確保しやすくなる

② 同時翻訳などのアプリケーションとの組み合わせが可能となる

③ 感染症対策ができる

 

① 柔軟な働き方が実現でき人材を確保しやすくなる

リモート接客を導入すれば、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が実現できます。

ワタミの実証実験でも、1人のスタッフが自宅から、新橋店・梅田店・博多店で勤務するケースを想定しているように、どこにいても好きな店舗で勤務できるようになります。

出勤の負担がなくなることから短時間勤務のハードルも下がり、隙間時間を活用したい副業人材なども活用可能に。

体が不自由でこれまで接客業を諦めていた人も、リモート接客なら挑戦できるようになるでしょう。

アメリカのレストランでは、海外の現地スタッフを雇ってリモート接客を実施し、人件費を下げている店もあります。

 

② 同時翻訳などのアプリケーションとの組み合わせが可能となる

対面での接客と異なり、リモート接客ではさまざまなアプリケーションとの組み合わせができます。

例えば同時通訳アプリを導入すれば、外国語がわからないスタッフでもインバウンド客の接客が可能。

英語ができる人材確保に苦労していた店舗でも、簡単にインバウンド集客ができるようになります。

また、商品紹介などに画像・動画を活用できるのもポイントです。

料理の特徴やアレルゲンなどを口頭で伝えている従来の接客と異なり、料理の動画や基本情報をモニターに表示して伝えることができます。

自店の特徴や課題に応じてシステムをカスタマイズできれば、サービスの質や生産性の向上が狙えるでしょう。

 

③ 感染症対策ができる

新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症から、従業員を守れるのもメリットです。

スタッフとの会話から感染するのを避けたいユーザーにとってもうれしいサービスだといえるでしょう。

 

一方、デメリットとしては主に以下の2点が考えられます。

① 導入コストがかかる

② 対面接客ならではのサービスが難しい

 

① 導入コストがかかる

モニターやシステムなど、リモート接客のためのインフラ整備にコストがかかるのはデメリット。

費用対効果を慎重に検証したうえで、導入を検討する必要があります。

 

② 対面接客ならではのサービスが難しい

飲食中のユーザーの表情や仕草などから声をかけるといった、対面接客ならではのサービスが難しいのもデメリットです。

ユーザーにも、対面接客のほうが好意的に感じる人は少なくないでしょう。

 

リモート接客の普及にはさらなる進化が必要

ワタミの実証実験でもさまざまな検証が行われているように、リモート接客の普及にはサービスのさらなる進化が必要だといえるでしょう。

リモート接客ならではの強みを活かしつつ、対面接客の良さも失わないような新たなサービスの登場が期待されます。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

INBOUND PLUS 編集部

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