観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2024年4月の愛媛県の外国人宿泊者数は37,080人(速報値)で、2019年同月比177.9%となりました。外国人宿泊者数自体は全国27位と特別に多いものではないものの、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月比は、石川県に注ぐ全国2位の高さです。
本記事では、愛媛県のインバウンド客が増加している要因や関連する取り組みについて考察します。
2024年4月の外国人宿泊者数は37,080人で2019年同月比177.9%
観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2024年4月の愛媛県の外国人宿泊者数は37,080人で全国27位でした。絶対数こそ全国的にみてそれほど多いわけではないものの、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月比では177.9%と驚異的な伸び率です。2019年同月比は北陸応援割の影響もある石川県(194.4%)に次ぐ全国2位で、愛媛県に宿泊する外国人が急増していることがわかります。
国別では台湾と韓国が全体の6割を占める
2024年4月の愛媛県の外国人宿泊者数の国別比率をみると、台湾(31.1%)がトップで次点が韓国(29.5%)。台湾と韓国からの訪日客が全体の6割を占めています。同月の全国の外国人宿泊者数国別比率と比較して全体傾向は似ているものの、台湾・韓国の2つが突出して多いのは愛媛県の特徴です。
韓国間の直行便が好調。3月からは台湾間の直行便も運行再開
愛媛県の外国人宿泊者数が急増している要因として、韓国間・台湾間の直行便の存在があると考えられます。
もともとあった松山ーソウルの直行便に加え、2023年11月からは松山ー釜山の直行便も就航。搭乗率は好調でこの秋には増便も決定しており、さらなる韓国人観光客の増加が見込まれます。
さらに、2024年3月には松山ー台北の直行便も運行を再開し、4月下旬まで増便されていました。2024年3月までは韓国からの訪日客数のほうが多かったものの、2024年4月には台湾からの訪日客が上回っています。
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インバウンド向けメディアとの提携も開始。さらなる訪日客増加を狙う
愛媛県はこれまで、国内でも知名度の高い「松山城」「道後温泉」以外にもさまざま観光資源をPRしてきました。例えば、広島県との間にある「しまなみ海道」は「CNNが選ぶ世界で最も素晴らしい7つのサイクリングコース」に選出。映画のロケ地にもなった「下灘駅」は、フォトジェニックなスポットとして若者から人気を集めています。さらに大洲市は、古民家を活用したホテル・カフェ・雑貨屋などを次々ヒットさせ、国際的な認証団体が選ぶ「世界の持続可能な観光地 文化・伝統保全部門」で世界一に。愛媛県は海外から注目される観光スポットになってきています。
愛媛県は今後、インバウンド向けメディアと連携して、愛媛県南西部の南予エリアの発信力を強化すると発表。現在はアジアからの訪日客が多いものの、オーストラリアや欧米からの誘客に注力するとしています。
参考:愛媛県、インバウンド向けメディアとの連携で訪日客誘致施策を強化
インバウンドが好調な日本のなかでも勢いのある愛媛県の取り組みには、今後も要注目です。
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