アルバイトの不適切な行為がSNSなどで拡散され、店や企業に大打撃を与えるバイトテロは、話題になり始めて10年以上が経過した現在でもたびたび発生しています。
本記事では飲食店でのバイトテロによるリスクや過去のバイトテロ事例を紹介したのち、飲食店でのバイトテロ防止策について考察します。
飲食店でのバイトテロによるリスク
飲食店でのバイトテロとは、アルバイト従業員が店内でのアルバイトの不適切な行為や、その行為を撮影した動画・画像などをSNS上に投稿することを指します。
2010年前後に発生した事例が話題となって以降、10年以上が経過した今でも相次いで発生しており、今やバイトテロは深刻な社会問題の1つです。
飲食店でのバイトテロによるリスクには、さまざまなものがあります。
なかには営業停止や廃業に追い込まれるケースもあり、発生防止に向けた対策が必要です。
飲食店バイトテロ事例
飲食店でのバイトテロについて、2024年に早くも発生してしまった事例と、被害の大きかった過去の事例を紹介します。
◯2024年2月 しゃぶしゃぶ食べ放題チェーンの事例
2024年2月に埼玉県のしゃぶしゃぶ食べ放題チェーンにて発生したバイトテロでは、アルバイト従業員が店内キッチンでホイップクリームを直接口に流し込む動画をX(旧:Twitter)に投稿。
動画が拡散され、運営する企業が謝罪をする事態となりました。
不適切行為は営業終了後で、使われたホイップクリームは廃棄予定の食材だったと確認できたため営業停止などには至っていませんが、店舗名が記載された報道がなされるなど、集客に大きな悪影響を及ぼしたと考えられます。
◯2024年2月 宅配ピザチェーンの事例
2024年2月に兵庫県の宅配ピザチェーンで発生したバイトテロは、アルバイト従業員が手袋をした指を自分の鼻の穴に入れ、その指をピザの生地に擦りつけた様子を撮影した動画が拡散されたというものです。
発覚後、同店は店内すべてのピザ生地を廃棄し、営業は停止しました。
運営する企業は、不適切行為を行ったアルバイト従業員に対して法的措置も検討中とのことです。
◯2013年 そば点の事例
2013年に東京都のそば屋で発生したバイトテロでは、アルバイト従業員が食洗機に入る様子を撮影した動画がSNSで拡散。
「不衛生だ」などの声が相次ぎ、店は営業停止後、その影響で廃業に追い込まれています。
この事例では、その後の和解金がわずか200万円だったという点にも注目されており、バイトテロがいかに飲食店にとって大きなダメージを与えるのかを表しているともいえます。
飲食店でのバイトテロ対策
飲食店経営に大打撃を与えるバイトテロから店を守るためには、適切な対策が必要不可欠です。
以下に基本的なものから応用的なものまで、バイトテロ対策の例を紹介します。
◯従業員教育・ルール策定
基本的なバイトテロ対策としては、従業員教育やルール策定が挙げられます。
バイトテロを引き起こした従業員の多くは「軽い気持ちでやった」「後悔している」などと反省しており、リスクを正しく認識していなかったことが不適切行為の大きな原因です。
従業員教育では、不適切行為を禁止することはもちろんですが、「店内での行為をSNSに投稿しない」と伝える必要があります。
そこでは「SNSにアップするとどうなるのか」をバイトテロ事例を使って説明し、当事者となった場合にどんなリスクがあるのかを理解してもらいましょう。
◯SNS上の不適切投稿を検知するサービスを利用
複数の店舗を運営するチェーン店などでは、入れ替わりの多いアルバイト従業員すべてに教育を徹底し、SNSルールなどを遵守させるのは難しい場合もあります。
また、自分たちで自店に関わるSNS投稿をすべて監視するのは至難の業です。
専門会社に依頼すれば、SNS投稿を24時間監視し、自店に関係する不適切な投稿を早期発見できる場合があります。
自社内での教育・ルール策定と比較するとコストはかかりますが、バイトテロによる影響を食い止める強力な対策だといえるでしょう。
適切なバイトテロ対策でリスク低減を
SNSは年々多様化し、多くの人が利用しています。
従業員の不適切行為によって大変な事態に陥らないように、適切なバイトテロ対策を講じておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。