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2030年は訪日外国人旅行者数6千万人、消費額15兆円を目指す方針を発表

2024年1月30日、岸田首相は通常国会本会議の施政方針演説にて、2030年の訪日外国人旅行者数6千万人、消費額15兆円の達成を目指すとの考えを示しました。
本記事では、2024年2月現在までの訪日外国人客数やその消費額の推移と目標との比較や、政府が目標達成に向けて注力することなどについて紹介します。

目標達成には2023年比で旅行者数は約2.4倍、消費額は約2.8倍の飛躍が必要

2030年は「訪日外国人旅行者数6千万人、消費額15兆円」を目指すとの考えが発表されました。
この数字は、2023年時点の訪日外客数、訪日外国人旅行客消費額と並べると以下のグラフのようになります。

2023年の訪日外客数が約2.5千万人なので、目標の6千万人を達成するには2030年までの7年間で約2.4倍まで伸ばす必要があります。
訪日外客数は2023年10月以降は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の水準を上回っており、ようやくコロナ禍以前の状態まで回復しました。
2023年12月は12月として過去最高を記録しており、2024年以降も訪日客数の増加が見込まれています。

同じく、2023年の訪日外国人客消費額は5.3兆円なので、目標の15兆円を達成するには約2.8倍の飛躍が必要です。
2019年と比較すると客数は2019年に及ばないものの消費額は2023年が上回っており、1人あたりの外国人旅行者の消費額は2019年の約15万円から2023年は約21万円と、約1.4倍に伸びています。訪日外国人客の消費行動が「高いコストをかけてでもよい体験・サービスを求める」という方向に変化しつつある動きもあり、今後は単価も伸ばしていく必要があるといえるでしょう。なお、2030年目標から単価を算出すると、単純計算で外国人旅行客1人あたり25万円になります。

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目標達成に向けたポイントは「高付加価値」と「地方誘客」

演説では、「観光の高付加価値化」と「地方部への誘客」を強力に推進するとの考えも示されました。
これは、一部の地域や時期に訪日外国人客が偏ることによるオーバーツーリズムの防止や、観光による地方創生を狙うためです。

「観光の高付加価値化」については、外国人旅行客の消費行動の変化をうまく捉え、サービス・メニューを開発する必要があります。
これについては近年、単なる観光ツアーではなく個人では入れない場所・できない体験・食べられない料理などを組み込んだプレミアムツアーや、外国人観光客を対象にした高価格帯のメニューが生まれているため、参考にしてみるとよいでしょう。

参考記事:インバウンド向けプレミアムコースやプレミアムツアーで高価格帯メニュー開発

「地方部への誘客」については、地方の観光産業がインバウンド向けのプラン・サービスを開発することが求められます。
これまで東京・京都・大阪などの都市部に集中していた外国人観光客も、「観光客の少ない地方でゆっくり過ごしたい」と考えるように変化しているため、適切なプラン・サービスが用意され、しっかり宣伝できれば地方誘客は実現できるでしょう。

2030年の訪日外国人旅行客に関する目標は非常に高く設定されており、達成のためには大きな変革が必要だと考えられます。特にこれまであまりインバウンドの恩恵を受けていなかった地方にとっては、インバウンドで新しい収益の軸を作るチャンスともいえるでしょう。外国人観光客のトレンドやニーズをしっかりキャッチし、新しい戦略を立てましょう。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

INBOUND PLUS 編集部

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