日本の文化を体験できる体験型ツアーが外国人観光客から人気です。
体験型ツアーにはさまざまなものがありますが、「寿司握り体験」など飲食店でも体験型ツアーで多くの外国人観光客を集客した事例が存在します。
本記事では、飲食店が提供する体験型ツアーの事例や、体験型ツアーを設計するうえでのポイントなどを紹介します。
インバウンド客に人気の体験型ツアーとは
体験型ツアーとは、観光客が何かしらのアクティビティをとおしてその国の文化や風習を体験するものを指し、「体験型観光」とも呼ばれています。
観光名所を訪れて景観を楽しんだり、買い物や食事をしたりする従来の観光とは異なり、観光者自身が体験プログラムに参加して自ら手を動かすのが体験型観光の特徴です。
体験型ツアーの参加者にとっては、従来の観光とは違って深くその国の文化や歴史に触れられるのがメリットで、記憶に残る特別な思い出となるでしょう。
また、ツアーを開催する店舗にとっても他店との差別化ができ、体験型ツアーが新たな集客の柱となることが期待できます。
立地や評判などで競合店に劣る場合でも、体験型ツアーによって自店を観光地に変えることもできるでしょう。
体験型ツアーには、歌舞伎・茶道・華道など日本の文化に触れられるものや、相撲・空手のような日本の格闘技を体験できるものなどさまざまなものがあり、飲食店が開催するツアーもあります。
飲食店が開催する体験型ツアーの事例
飲食店が開催している体験型ツアーの事例を紹介します。
●寿司握り体験
寿司握り体験は、外国人観光客から人気の飲食店発体験型ツアーの代表格です。
参加者は実際に寿司握りを体験するだけでなく、寿司に関する歴史やマナー、雑学などを学べるツアーが開催されています。
東京・大阪・京都などの主要都市だけでなく、新潟・三重・静岡など寿司握り体験ツアーを提供している店はいくつも存在しています。
●ラーメン作り体験
ラーメンも寿司に並んで外国人観光客から人気の日本のグルメですが、ラーメン作り体験ツアーもいくつか開催されています。
新型コロナウイルス感染拡大前から人気のツアーであり、外国人観光客が戻ってきた今、再び注目が集まることでしょう。
中華麺が人気の京都やラーメンが名物の福岡など、各地でラーメン作り体験ツアーに参加できます。
体験型ツアー設計時のポイント
自店で体験型ツアーを設計するときに重要なポイントは、主に以下の3点だと考えられます。
●外国人観光客向けサービスの計画
まず、外国人観光客向けに体験型ツアーを計画する場合、英語が話せるスタッフの配置が必要です。
英語が話せるスタッフが見つからない場合は、英語が話せる外国人を通訳として雇用するのもよいでしょう。
続いて、テーマとなる料理に関する知識を学ぶ必要があります。
参加する外国人観光客は、その料理の作り方だけでなく歴史・作法・雑学なども知りたがっています。
●ヴィーガンや宗教上食べられない食材がある人への対応準備
外国人観光客の中には、ヴィーガンや宗教上食べられる食材に制限がある人もいます。
そういった人も対象にするのか、そうでないのかによって、公開する情報をしっかり準備しておきましょう。
●OTA(オンライン旅行代理店)を活用した販促経路の確保
自店で提供する体験型ツアーが計画できたら、外国人観光客への販促経路を確保しましょう。
SNSやWebページなど自店独自の経路も必要ですが、OTA(オンライン旅行代理店)との連携も有効です。
観光庁のナレッジ集によると、外国人観光客の購買プロセスにおける情報の入手手段では、「知人・友人・家族の口コミ」に次いで「OTA」が2番手だとされています。
海外OTAに直接掲載を依頼することもできますが、ある程度の英語力が必要となるため、海外OTAと提携している国内OTAに相談する方法も検討してみましょう。
参考:訪日外国人旅行者の体験型観光コンテンツの購入促進に関するナレッジ集
訪日外客数は新型コロナウイルス感染拡大前以上の水準までの回復を見せています。
日本の文化に触れる機会を楽しみにしている外国人観光客に喜ばれる体験型ツアーを準備して、インバウンド需要に応えましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。