他業種でのアルバイトやインターンが競合となる飲食業界の大学生アルバイト事情は、厳しい人材の取り合いに悩まされています。
本記事では、今の大学生がアルバイト先に求めていることや、よい人材の確保に必要なポイントについて考察します。
激化する人材の取り合い。よい人材の確保に必要なことは?
大学生の主要なアルバイト先の1つである飲食業界ですが、今や人材の取り合いが深刻です。
特に都市部では飲食店でのアルバイト以外にも、IT企業・広告会社・その他サービス業やインターンなど多くの選択肢が存在しており、従来のアルバイト採用の考え方ではよい人材の確保が難しいといえるでしょう。
従来のアルバイト採用では、「時給の高さ」「仕事内容」「シフトの柔軟性」などをアピールすれば、一定のアルバイト募集効果を得られました。
しかし現在は、上記は前提としたうえで、「いかにそこで自分が成長できるか」などを重視する学生が増えてきています。
したがって、現在のアルバイト採用においては、以下のようなポイントが求められていると考えます。
① 飲食スキルやビジネス基礎スキルを身につけさせる成長支援
② 成果に応じて特別報酬を提供する評価制度
③ 卒業生も含めたコミュニティ形成
飲食スキルやビジネス基礎スキルを身につけさせる成長支援
まず、接客や調理などの飲食スキルや、基本的なビジネススキルを身につけられるという点の訴求が必要です。
自店での業務でどんなことが身に付くのか、他店と比べたときの強みは何かを考えて、どんな点でアルバイトを成長させられるのかをまとめましょう。
時給+αの学びが得られることをアピールできれば、インターンなどに流れがちな積極的な学生の確保につながります。
成果に応じて特別報酬を提供する評価制度
基本時給のほかに、成果に応じた特別報酬や評価制度の準備もポイントです。
自身の頑張り次第でメリットが得られる仕組みがあれば、積極的な学生の確保や従業員の士気向上が期待できます。
これらは、アルバイトに対してもキャリアアドバイスや評価制度を用意しているマクドナルドやスターバックスの取り組みが参考になるでしょう。
卒業生も含めたコミュニティ形成
OBを含むコミュニティ形成も、学生アルバイトの獲得に効果的です。
大学生は、アルバイト先を友人・仲間作りの機会と捉える傾向があり、当然ながらアルバイトや社員の関係性が良好なアルバイト先を好みます。
卒業生や同系列他店舗のメンバーなどとのコミュニティをうまく作ることができれば、愛社精神が芽生えてアルバイトの定着率が上がるほか、後輩を同じアルバイト先に勧誘するなどの好循環が生まれることも期待できるでしょう。
アルバイトから正社員になるという流れもできると理想的だといえます。
自店をどういう店舗にしたいのかの軸を決めよう
上記で紹介したいずれのポイントも、「自店をどんな店舗にしたいのか」という軸があってこそのものです。
「誰でもいいからアルバイトがほしい」ではなく、「どういう人材を求め、店・アルバイトが互いにどのように成長していきたいのか」を考えたうえでアルバイト採用をしたほうが、結果的に高い打率で長期間働いてくれるよい人材を採用できるでしょう。
また、自店の軸を明確にする作業は、店舗・店長のマネジメント能力向上につながります。
採用したアルバイトに自店の軸を伝えるのも、社風を理解し愛社精神を醸成する足がかりとなるでしょう。
チェーン展開している企業の場合は、本社がそれぞれの店舗が自店の軸を見つけ、人材を確保し、成長していくのを助けるサポーターとして機能する必要があります。
最後までお読みいただきありがとうございました。