JNTO(日本政府観光局)12月20日発表「訪日外客数(2023年11月推計値)」によると、2023年11月の訪日外客数は2,440,800人で、6か月連続200万人超えを達成しています。
本記事では、2023年12月20日時点までの訪日外客数について、国別の訪日客数やその回復傾向などを紹介します。
2023年11月の訪日外客数は2,440,800人で2019年同月と同水準
JNTO(日本政府観光局)の発表によると、2023年11月の訪日外客数は2,440,800人で、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月比と同水準でした。
2023年6月から6か月連続で訪日外客数200万人を超えており、多くの外国人が日本での観光を楽しんでいます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んでいた日本の観光面も、以前の状態に戻ってきているといえるでしょう。
東アジアでは台湾・香港が高水準をキープ
東アジアからの訪日客数を見ると、台湾(2019年同月比102.9%)・香港(2019年同月比100.3%)が高い水準をキープしています。
これらは、旅行代金の高騰はあるものの、直行便・地方路線の復便・増便や紅葉シーズン需要などが上回ったことが要因だとされています。
一方、中国は2019年同月比34.4%と低調です。
2023年に入ってから9月までじわじわと回復していた中国からの訪日客数も上げ止まり傾向が見られており、さらなる打開策が求められているといえるでしょう。
なお、韓国は2019年同月比317%と高水準ではあるものの、2019年7月からの日韓情勢悪化の影響を受けているため、評価には注意が必要です。
東南アジアではシンガポール・インドネシアなどが11月最高値を記録
東南アジアでは、シンガポール(2019年同月比131.9%)・インドネシア(2019年同月比113.1%)・ベトナム(2019年同月比111.7%)・インド(2019年同月比111%)が11月として過去最高の訪日客数を記録しています。
シンガポールでは、シンガポールドル高・円安の傾向や、長期休暇などの影響で多くの人が日本を訪れました。
ほかの国々では、直行便の増便や紅葉シーズン需要などがよい影響を生み、訪日客数が高い水準を記録したとみられています。
欧州・北欧ではイタリアやスペインからの訪日客数が多い
欧州・北欧の国々では、特にイタリア(2019年同月比108.5%)とスペイン(2019年同月比104.4%)からの訪日客数が多い傾向です。
イタリアでは一般的には閑散期のシーズンに当たるものの、航空券価格の落ち着きや直行便の回復などが影響し、多くの人が日本を訪れています。
スペインでは、新型コロナウイルス感染拡大以降、日本への直行便が運休しているものの訪日客数は感染拡大前の水準以上まで回復しており、今後もさらなる伸びが期待できるでしょう。
豪州・北米・中東ではメキシコや欧米などが高水準を維持
欧州・北米・中東の地域を見ると、メキシコ(2019年同月比152.4%)・米国(2019年同月比124%)・豪州(2019年同月比123.3%)・カナダ(117.1%)などが高水準を維持しています。
一方中東では、イスラエル・パレスチナの情勢悪化の影響などを受け、2019年同月比81.3%にとどまっています。ただし、直行便数は2019年を上回っているため、今後情勢が回復すればさらなる訪日客数が見込まれるでしょう。
新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで回復した今が好機
訪日外客数は、2023年10月に2019年同月比を上回ってから11月もその水準を維持しており、新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで回復したと考えられます。
今後も多くの外国人観光客が日本を訪れることが予想されるなか、しっかりとインバウンド需要に応える戦略が必要です。
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