みなさまはだしが日本特有の食文化であることご存知でしたか?
昆布や鰹節から出汁をとると第五の味覚とも呼ばれる「うまみ」成分が生まれます、それは日本料理の魅力や独自性を象徴する要素の一つであり、その存在は日本の食卓において不可欠なものと言えるでしょう。これは「一汁三菜」という言葉からも古くから日本の食事形態にだしが存在していたことが分かります。
インバウンドが増加している今、だしなどの日本特有文化を飲食店が応用することでインバウンド客を増やすことができるかもしれません。
本記事ではだしを活用している飲食店、活用のためのアイデアについて紹介させていただきます。
だしをうまく活用している飲食店についての紹介です。
「なにわカレー商会」
まずご紹介させていただくのは「なにわカレー商会」(https://tabelog.com/osaka/A2701/A270201/27120824/) です。同店はなんとお出汁とカレーを掛け合わせた「出汁カレー」が人気となっています。
厳選された昆布、鰹節、いりこを煮込んでじっくりと抽出した出汁を使用し、日本ならではの「旨み」を最大限に生かしたカレーになっています。「出汁カレーライス」以外にも「出汁カレーうどん」や「出汁カレー生パスタ」といったメニューがあり、どれも出汁とカレーをベースにしています。深い出汁の風味とスパイスの調和が生み出すのはまさにアートで外国人の食欲を刺激すること間違い無いでしょう。
「だしアイス 〜おだしのおめかし〜」
次に紹介させていただくのは出汁アイスです。かつお節専門店「にんべん」と八百屋の「青果ミコト屋」、クリエイター集団「Kohel」の共同プロジェクト「つなぎふと」(https://www.bridgine.com/2022/03/14/team-c-2/) から生まれた「だしアイス」です。だしアイスは、かつお出汁の魅力を引き出したユニークで上品な味わいが特徴で「だし、すだち、かつお生姜」、「つゆの素キャラメル&だしがらクッキー」、「だし巻き玉子」の3つのフレーバーがセットになっています。
だしアイスはインバウンド観光客にとって、日本の伝統的な食文化である「出汁」をアイスクリームという共通フォーマットを通じて新しい形で体験できるとても魅力的な商品となっています。出汁文化に興味を持っている外国人だけでなく、普段からだし文化に触れている日本人でさえ一口試したくなるようなアイスになっています。
「Dashiオイルの食パン」
世田谷のブーランジェリー「Signifiant Signifie」とだし専門店「雅結寿」のコラボレーションにより生まれた新感覚の和食パン「Dashiオイルの食パン」です。
(https://macaro-ni.jp/86883)
だしとパンの組み合わせは一見意外かもしれませんが、もっちりとした食感とほどけるような口どけ、そしてだしのふんわりとやさしい香りが特徴です。また、ガーリックの香ばしさが加わり、これまでの食パンにはない魅力を持っています。
インバウンド観光客にとって、日本のだし文化と西洋のパン文化が融合しており、同時に味わうことによって食文化の多様性を一味できるパンになっています。
上記で紹介したような出汁×〇〇はまさに以前の記事で紹介させていただいたマッシュアップの活用例となっていて、他のジャンルの料理にも応用できるかもしれません。
京だし茶漬け専門店「京都おぶや」
同店では米問屋から取り寄せた「おぶ漬け米」というだし茶漬け専用のごはんを提供しています。(https://www.kyoto-obuya.jp/) ほどよい硬さで粘り気が少ないのが特徴で昆布と共に炊き込んだほかほかのご飯の上に鰹と昆布をベースにした自家製だしをかけていただきます。
トッピングとしても3種の鰹節を味わうことができ、だし文化を象徴とした一杯となっています。
こちらは日本文化であるお茶漬けとだしの融合になっています。外国人にとっては二つの日本文化をいっぺんにで堪能できる、まさに一石二鳥の飲食店になっています。
本記事では日本特有の文化であるだしに焦点を当てて、だしを活用した飲食店を4つ紹介させていただきました。
外国人観光客は日本でしか味わえない限定的な体験するために来日していることは間違いありません。今回紹介させていただいた「だし文化」だけでなく、「精進料理や納豆、わさび」、「生卵が食べれる」など日本特有の食文化は他にもたくさんあります。それらを既存のアイデアと掛け合わせることによって、インバウンド層に向けて新しい異文化体験を生み出すことができるのではないでしょうか。それがその店舗にしか生まれない付加価値となりお店の繁盛につながるだけでなく、世界に向けて日本文化の良さをアピールすることにもつながります。
飲食店を通して日本の美しい食文化がもっともっと世界に広がることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。