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社員の成長を促す人材開発部を新設-ビー・ワイ・オー -

—  株式会社ビー・ワイ・オー 


1991年に設立された株式会社ビー・ワイ・オーは、和食居酒屋「和食・酒 えん」や定食カフェ「おぼんdeごはん」などのヒットブランドを生み出し、国内外で18業態、115店舗(2023年7月現在)展開しています。同社は和食の文化を尊重しつつ、オリジナリティを活かした料理を提供しています。
2023年3月期は年商127億2700万円(連結決算)を計上。社員数は333名、アルバイト3,071名(2023年3月現在)です。
1996年の開業店舗から料理長として活躍し、2021年に代表取締役社長に就任された中野 耕志様に事業にかける情熱や従業員との関わりについて伺いました。

今回の取材で同社の取り組みには4つのポイントがありました。
の4つのポイントの詳細はインタビューの模様をご覧いただければと思います。


1.和食文化を重んじ季節の素材をベースに、創造性を加えた料理を提供
・和食文化の重視や店内デザイン、快適さの向上という要素を通じて、他の飲食店と差別化を図りお客様に魅力的な食体験を提供

2.コミュニケーションの重要性を認識し、人材開発部署を新設
・従業員のワークライフバランスをサポートするため、36協定に基づいて週休2日制や残業時間の削減を積極的に実施
・コミュニケーションの重要性を認識し、人材開発部署を新設
・従業員同士で感謝を伝える「ありがとうカード」の取り組みを行う
・毎月社長から社内報を通じて、喜ばれるおもてなしや他社の優れた接客体験、学びを社員と共有

3. 採用への取り組みは時給アップと、タイミーを活用したワーカーの雇用
・求職者の入社意欲を高めるため、地域の最低賃金より高い給与を設定
・短時間勤務のワーカーを採用し、お互いに合意すれば長期アルバイトスタッフとして雇用

4.お客様に喜ばれる料理を考案するメニュー開発コンテストを毎年開催
・年に1度、メニュー開発コンテストを開催(コロナ中は休止)
従業員がお客様に喜ばれる料理を考案することで、自己成長と意欲向上を促進させる


商業施設で和食文化を伝える

――中野社長は長年にわたり料理長として店舗を支え、多くのヒットブランドを創出されてきました。2021年に社長に就任された経緯を教えてください。

(中野社長)
料理長として入社後、常務取締役として長年創業者と協力し、事業の経営に取り組んできました。2021年、新型コロナウイルスの影響が収束した後の事を見据えて組織の改善を始めていくことになり、そのタイミングで私が代表に就任しました。現在はコロナが収束し、外食業界に人が戻りつつあります。時代に応じたお客様のニーズに応えるために社員が一丸となって協力し、新たな価値を創造していきたいと思います。

――お客様にどのような価値を提供して喜んでいただきたいと思われますか?

(中野社長)
お客様はSNSなどを通じて事前に飲食店の情報を得て、お気に入りの店に予約を入れます。この競争の中で、飲食店は他社との差別化が不可欠です。当社の独自性は、路面店ではなく商業施設に出店していることです。施設内には多くの飲食店が入っており、その中で当店は和食文化を重んじ、季節の素材をベースに創造性を加えた料理を提供しています。
そのほか、店内のデザインや居心地の良い雰囲気作りにも注力しています。
時代の変化やお客様のニーズに対応しながら、自分たちがやってみて良かったと思うことを繰り返し行い、和食文化を楽しむ場として役割を果たしたいと思っています。

人材開発部署を新設

――従業員のモチベーション向上や満足度を高めるためにどのような取り組みを行っていますか?

(中野社長)
飲食業は労働時間が長いなどのイメージが強いですが、当社では従業員のワークライフバランスをサポートするために、労働環境の改善に取り組んでいます。36協定(時間外・休日労働に関する協定)に基づいて、週休2日制や残業時間の削減を積極的に実施しています。また、SNSの普及が進む中、社員同士や社会とのコミュニケーションの壁が低くなりました。その代わり雑なコミュニケーションを誘発してしまうリスクも抱えている為、コミュニケーションの重要性を認識し人材開発部署を新設しました。中途採用者からのフィードバックを受けてフォローアップを行ったり、新人研修などの研修を通じてスキル向上とチームワークの強化を指導しています。そして、従業員同士で感謝を伝える「ありがとうカード」の取り組みを行っています。感謝はお客様に対してだけではなく、従業員同士でも優しくなれる大事な言葉です。この「ありがとうカード」は店内に掲示され、誰もが見ることができるようになっています。
私個人としても月に1度の社内報を通じて、喜ばれるおもてなしや優れた接客体験、他社から学べる事柄などを社員に共有しています。また、社員の声を聴くためにお店での対話を重ねています。これらの取り組みが、従業員のモチベーション向上に寄与することを期待しています。

時給のアップとタイミーの活用

 ――会社の採用アップに向け、何か工夫されていることはありますか?

(中野社長)
人材採用への取り組みは、求職者が応募先を選ぶポイントである時給を、地域の最低賃金より高く設定しています。これによって求職者に入社への意欲を高めていきたいと考えています。また、最近ではタイミー(働きたい時間と働いて欲しい時間をマッチングするスキマバイト募集サービス)を活用しています。短時間から働けるワーカーさんを雇用し、お互いがマッチングしたらその後もアルバイトスタッフとして長期的に働いてくれる方が増えています。このタイミーの導入は新しい採用モデルとして今後も期待しています。
他には、年間で約5人から10人のアルバイトスタッフを、社員として登用する機会を設けています。人材不足が深刻化する中で、外国人や高齢者なども新たな人材として今後は積極的に採用する方針です。

メニュー開発コンテストの開催

 ――従業員の育成はどのようなことに注力されていますか?

(中野社長)
人材開発部署が新人研修や店長研修を実施しています。店長研修では、マネジメント管理などのスキルを向上させ、数字に対する理解を深め、意識を高めることを目的としています。
現場でのオペレーションは主にOJT(実務を通じての指導)を中心に行いますが、接客サービスにおける個人差を抑えるために、マニュアルに加えて動画を活用して指導しています。

当社では和食をベースとした創造性あるメニューを提供していることからメニュー開発にも力を注いでいます。コロナ前はお客様に喜んでいただける料理を自分たちで考える機会として、年に1度、メニュー開発コンテストを開催していました。このコンテストは、社内の誰でも参加ができ、最終的に選ばれたメニューは実際に導入しています。こうした取り組みは従業員が自信をつけるだけでなく意欲を高める重要な要素と捉え、再開を検討しています。

求職者の方へ

――どのような人材を求められていますか?また、求職者の方に伝えたいことはありますか?

(中野社長)
飲食業界は人を喜ばせるのが好きな人に向いているところだと思います。インバウンドの機会が増えつつある中、この業界は成長のチャンスが大いにあります。ここは自分が目標を達成し、さまざまな経験を積む場所として決して悪くはない場所です。我々と共に働く仲間には、常に人々が喜ぶ方法や自己成長の道を模索しながら働いてほしいと願っています。

店舗情報:Japanese Restaurant KINZA(代表店舗  / 東京都中央区日本橋室町2-1-1三井二号館1階

 

写真提供:株式会社ビー・ワイ・オー  /  取材、執筆:秋山直子

INBOUND PLUS 編集部

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