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直近の離職率3% オープンな情報公開で業績向上と従業員定着を実現 ーアクティブソースー

― 株式会社アクティブソース―

株式会社アクティブソース(代表取締役 池本圭氏)は、2007年に創業。2017年、トリドールHDグループの傘下に入り、現在は東京、神奈川、大阪を中心に、「立呑み 晩杯屋」を代表とする飲食店を計41店舗展開しています。
「立呑み 晩杯屋」は低価格チェーンの一翼を担い「煮込み150円」や「アジフライ130円」など、多彩なメニューが100円台で提供されています。このリーズナブルさと、”誰でも気軽に1人で楽しめる”雰囲気が多くのお客様から支持を得ています。また、「早い、旨い、安い」だけではなく、グランドメニューは決めず、毎日市場に足を運び食材を仕入れ、その日一番美味しい料理を提供することに注力し、月に20品目以上ものメニュー変更を行っています。
このような営業スタイルがどのようにして確立されたのか、また事業への思いや従業員との関わりについて、同社人事総務部部長の鈴木 悠理様にお話を伺いました。

今回の取材で同社の取り組みには4つのポイントがありました。
この4つのポイントの詳細はインタビューの模様をご覧いただければと思います。


1. 誰でも気軽に一人でも楽しめる立ち呑みスタイルの居酒屋に
・一人でも気軽に入れる立ち呑みスタイルを採用
・毎日その日に仕入れた食材から料理を提供し、質の高い料理を手ごろな価格で提供
・マナーを守らない悪酔いしたお客様には厳しく注意し、マナー向上に努める

2. 直近の離職率は約3%!会社の業績に関する情報をオープン
・月ごとの売上や利益率、人件費などの数字を全社員に公開することで従業員は会社の経営状況や収益を把握。自社の安定を確認できるため定着率向上に寄与
・エリアや食材の違いに応じ、各店舗が異なる接客スタイルを持つことを認め、それぞれの接客特性を尊重
・各店舗が特定メニューの販売目標を設定し、期間内に成果が出せるようインナーキャンペーンを実施。優秀な成績を収めた店舗には金一封を支給

3. 人材採用はミスマッチが起きないよう事前に会社を知ってもらう
・リファラル、アルバイトからの社員登用を積極的に行う
・採用後にミスマッチが起きないよう、面接時に会社の側面を包み隠さず伝える

4. 評価に対し、見える化を実施
・市場で仕入れた生魚のまま納品されるため全社員が魚を捌く方法や料理の仕方に関する商品研修を実施
・月に一度の会議で社長からの売上状況の報告だけでなく、インナーキャンペーンの優秀者表彰や勉強会の実施
・人事考課は3カ月ごとにフィードバック面談が行われ、行動評価と業績などを総合的に考慮して昇給や昇進を行う


一人でも気軽に入れる立ち呑み屋に

--「立呑み 晩杯屋」は多数のメニューが100円台で全体的にリーズナブルな価格設定ですね。店にグランドメニューはないとお聞きしましたがどのような経緯がありますか?

(鈴木部長)
創業者は、一人でも気軽に “一杯目” が呑めるような店にしたいと晩杯屋を開業させました。人のお客様でもサッと呑んで次のお店に移りやすいことも考え、気軽に入れる立ち飲みというスタイルにしています。グランドメニューを設けない理由は、お客様に安くても質の良い料理を提供したいという想いからです。

地域・季節によって仕入れる食材が日々変わります。そのため、毎日市場に足を運び、その日に最も新鮮で適切な価格で仕入れられる食材をメニューに反映させています。定番メニュー設定では、食材の高騰により同じ価格で提供することが難しくなる場合があります。そのため、同じ価格帯で提供が難しい場合は価格を上げるのではなく、メニューから外すこともあります。毎日変わる仕入れによって提供できるメニューが変わるため、店舗では月に約8〜10回の頻度でメニューを変更しています。このようなことが、日々通っていただくお客様から異なるメニューを楽しめると好意的に評価していただいています。

また、低価格であるからといって他のお客様に迷惑をかけるような悪酔いのお客様には、厳しく注意をしています。店内には分かりやすい場所に、マナーやルールに関するお知らせを掲示し、お客様のマナー向上に努めています。

直近の離職率は約3%!

--従業員のモチベーションや定着率を高める取り組みや制度はありますか?

(鈴木部長)
特別な取り組みは行っていませんが従業員の定着率は高く、直近の離職率は約3%です。私は会社と従業員が協力して売上と利益を増やし、その結果として皆の給与を向上させることが最も理想的だと考えています。当社は会社の業績や従業員の給与に関する情報をオープンにしています。月次の売上や利益率、人件費などの数字を全社員に公開することで、従業員は会社の経営状況や収益を把握することができます。これにより、自分たちの働く会社が安定していることを確認し、モチベーションを高める事ができているのかも知れません。

また、当社の接客には一般的なマニュアルがなく、これはエリアや店舗の状況、お客様・従業員の個性に応じて柔軟な対応が求められる面もあるからです。そのため、各スタッフが異なる接客スタイルを持つことに対して、それぞれの接客特性を尊重しています。
他には、定期的にインナーキャンペーンを実施しています。月ごとに「この期間は○○を売っていこう!」というテーマのもと、各店舗が目標を設定し、成果を競います。優秀な成績を収めた店舗には景品・金一封が支給されるなどの報酬を用意し、従業員の士気向上につなげています。

採用時にはお互いのミスマッチを最小限にする

--会社の採用アップに向け、何か工夫されていることはありますか?

(鈴木部長)
採用に関しては有難いことに、リファラル制度やアルバイトからの社員登用という手段を通じて、十分な人数を確保しています。新たな店舗展開においても、アルバイトの募集が順調に進んでおり、採用の面は好調な印象です。
当社の低い離職率の背後には、採用の際にお互いのミスマッチを最小限にするために努力していることが大きな要因と考えています面接時には会社の側面を包み隠さず伝えることで、応募者が会社との適合性を適切に判断できるよう努めています。例えば入社後、全員が魚のさばき方を学ぶ研修を行っていますが、魚の内臓などに触れることが難しいと感じる方はその時点で辞退されることもあります。
会社の考えに理解し、共感してくれているからこそ皆が長く働いてくれていると個人的には感じています。

評価の見える化を実施

--従業員の育成はどのようなことを行っていますか?また、人事評価に取り入れられていることはありますか?

(鈴木部長)
育成に関しては独自の取り組みを行っています。具体的には、全社員に対して魚さばき方や料理の仕方に関する商品研修を実施しています。当社は展開している41店舗すべて市場で仕入れた鮮魚が納品されます。その魚を鱗取りし、頭を落とし、内臓を取り除き、三枚におろして刺身として提供します。店舗では魚の頭や骨も無駄なく料理に活用し、お客様に美味しく楽しんでいただくための工夫を重ねています。

さらに、月に一度、全社員が本社に集まり会議を行っています。この会議では、社長からの売上の進捗状況などの共有だけでなく、インナーキャンペーンの表彰や、勉強会も実施しています。これによって、従業員同士の交流や知識の共有が促進されています。

人事評価に関しては、3カ月ごとに行われる定期的な評価があります。行動評価や業績などを相対的に考慮して昇進の判断を行います。さらに、フィードバック面談も実施しており、従業員一人ひとりの成長とキャリアパスをサポートしています。

求職者の方へ

--どのような人材を求められていますか?また、求職者の方に伝えたいことはありますか?

(鈴木部長)
素直で正直な方です。そして前向きに仕事に取り組める事も重要です。
当社の素晴らしい点は、毎日訪れてくださるお客様と従業員との距離感が近く、コミュニケーションが活発に行われていることです。例えば、オムレツのメニューで言うと、ベテランのキッチンスタッフが作れば、卵で具材をきれいに包んだ見事なオムレツが完成します。しかし、新人スタッフが一生懸命作っても、卵が多少破けてしまうオムレツになることもあります。それでも、店ではそのオムレツをお客様に提供しています。見習いスタッフは日々練習に励んでおり、本番では完璧にいかないこともあります。その際には正直に「頑張りましたが少し失敗してしまいました。」と伝えれば、お客様は笑顔で応えてくださり、次回を楽しみにしてくれます。お客様には日常の働く姿勢をご覧いただいているからこそ、このような関係が築かれているのです。
当社は現在、中期経営計画として2026年度末100店舗を展開する目標を掲げています。この成長に向けて、一緒に活躍してくださる方を歓迎します。

店舗情報:晩杯屋 武蔵小山本店(代表店舗)東京都品川区小山3-24-10

 

写真提供: 株式会社 アクティブソース  /  取材、執筆:秋山直子

INBOUND PLUS 編集部

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