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有料会員制でコロナ禍でも売上1.5倍 小売業にもヒントあり

コストコという名前の小売店を聞いたことはあるかと思います。年会費があることが特徴で、通常会員なら4840円、エグゼクティブ会員なら9900円を支払いいます。会員にならないとお店に入ることはできません。但し会員の方が2名までは引き連れていくことは可能です。会員になると店内にある大量ロット型の商品を購入することができます。BBQチキンウィングは20個以上入っています。チュロスは25本、パンは30個などファミリーにとっては1個当たりの価格がお安くなるので大変お得であるのと倉庫型の店舗であることが楽しさにもつながり体験価値となっています。大量ロットで買い物をするのでほとんどの方が車で来店されます。会員様には敷地内にあるガソリンスタンドのガソリン代を平均より18円近く安い価格で提供するなどの取り組みも店舗によってはしています。このコストコが世界で第三位の規模であることはあまり知られていません。ウォルマート、Amazonに次ぐ第三位の規模なのです。その売上は2019年から2023年3月期にかけて148%で成長し約30兆円規模に至っています。2022年からだけで約4兆円拡大しているという驚異的成長を遂げています。ただ有料会員制にするだけではもちろんうまくいきません。会員に対するポイント還元や、低価格提供、お店の空間価値、限定イベントなどへの参加権など、ファンになっていただく意味・意義を作ることが必須です。

この会員制という仕組みは飲食店でも増えています。
代表的な例が「熊の焼鳥」です。現在は会員制ではないようですが、会員制を展開していた2021年頃には8700名を超える会員となり大変話題になりました。
当時の有料価格会員の設定はビギナー会員が5000円、プラチナ会員が15000円、ブラック会員は5万円でした。
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13250657/

焼かない焼肉屋として話題を集める29ON(https://www.29on.info/)や2018年に実施したクラウドファンディングで飲食業界最高額の3672万円を集めたsanmi(https://sanmi.tokyo/)なども会員制のレストランです。
お店の格を示す1店舗だけを高級業態や独自性のある業態にして会員制にすることはイメージがしやすい展開かと思います。

コストコのように日常使いの存在として会員制を浸透させるには、特典も日常に寄り添ったものにする企画が要されます。旅行やスポーツなどとのコラボレーションをすることで独自の特典を作ることも出来るかもしれません。

会員制という形式ではオイシックスも飛躍的成長を遂げています。オイシックス(Oisix)は、日本のオンライン食材宅配サービスを提供する企業です。同社は、新鮮な有機野菜、果物、肉、魚、加工食品などをインターネットを通じて注文し、自宅やオフィスに宅配してくれるサービスを提供しています。オイシックスは、食材の鮮度や品質にこだわり、安全で健康的な食品を提供することを目指しています。
オイシックスの特徴的な点は、有機野菜や地元産の食材、季節の食材などを重視して取り扱っていることです。また、定期的な宅配プランも提供しており、お客様の好みや家族の人数に合わせて食材を選ぶことができます。これにより、忙しい人々や食材選びに時間を割けない人々にとって便利な食材調達の方法となっています。
オイシックスは、日本国内において食品宅配サービスの一翼を担っており、健康志向や便利さを重視する消費者に支持されています。その結果2019年から売上は約1.8倍の成長を遂げています。このように健康というテーマに絞ったスペシャリティな価値を提供する定期便が拡大しています。

飲食業界においても有料会員制、会員定期便など他の市場で伸びている業態に今後のヒントがあるのではないでしょうか。

INBOUND PLUS 編集部

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