スポーツ球団と地域の飲食店のコラボレーションが活発化しています。スポーツ球団も飲食店同様、その地域の方々に愛されて成り立っているという共通点があります。スポーツは球団名に地域名が入るほどですからなおさら地元愛のある方は地元の球団を応援する傾向が高まります。
本記事では著名なスポーツ球団と地域の飲食店とのコラボレーションの事例をご紹介します。
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟している川崎フロンターレは他のチームよりも先駆けて様々な取り組みを仕掛けてきたチームです。
その中から2つの取り組みをご紹介します。
①川崎フロンターレとグルメSNS「ライブドアグルメ」がタイアップした川崎飲食店支援プロジェクト「メシアガーレ川崎」
この取り組みは2021年10月に始まりました。フロンターレ加盟店で食事をすると特典がもらえたり、コインを貯めてフロンターレグッズと交換ができたりします。フロンターレが勝利してから72時間はポイント還元率が2倍になり、自信の一品は購入金額から50%還元されます。全国57,000カ所のコンビニやカフェ、デリバリーなどでも利用可能です。
地域のスポーツチームを応援し、その勝利の美酒を近くの飲食店でサポーターたちが味わい、地域の飲食店を活性化させていく大変素晴らしい仕組みです。
プロジェクトの詳細はこちらをご覧ください。
加盟店募集の欄もありますので同地域の飲食店の方は是非ご一読ください。
https://www.frontale.co.jp/lp/meshiagale/
②2つ目は2020年春に誕生した、川崎フロンターレ初の常設オフィシャルカフェ「FROCAFE」
(https://fro-cafe.com/)です。
店内に一足踏み入れると、サッカークラブ運営しているカフェとは思えないほどのスタイリッシュな空間が演出されています。店内には多くのモニターが設置され、DAZNによる試合の配信映像を楽しめます。
川崎フロンターレというチーム名に“おフロ(風呂)”という文字が入っていることからFROCAFEと名付けられ、おフロ(風呂)にまつわるアイテムである「フロ桶」や「フロ椅子」、「フロ釜」など、細部まで”おフロ(風呂)”という要素にこだわり抜いた世界観で統一されています。スポーツチームのストアとなると、ユニフォームやタオル、タンブラーなどのグッズ販売店を想像しがちです。そこに独自性のあるカフェが併設されたのがこのFROCAFEです。サポーターだけでなく地域の方が独自の空間を楽しみに来店することにもつながります。そしてこのようなオリジナリティのある取り組みがメディアに取り上げられることで川崎フロンターレのブランディング強化につながるという広報価値も創出しています。大変良質なPR戦略を展開しているのが川崎フロンターレです。
川崎フロンターレ以外にも地域の飲食活性化の取り組みがあります。
③沖縄の琉球フットボールクラブ株式会社とOKTコミュニケーションズ株式会社は2022年4月7日より共同プロジェクトとしてお酒のサブスクリプションサービス「FC琉球AWAPASS(アワパス)」を開始しました。
「FC琉球AWAPASS」は月額660円(税込)で県内登録飲食店にて毎日2杯のドリンクが無料になるお酒のサブスクリプションサービスです。さらに、FC琉球が試合に勝つと試合当日とその翌日は3杯無料になります。また、FC琉球のJI昇格が決まった際には月額料金が1カ月無料になる特典や、FC琉球ファンクラブ会員は月額料金が半額になる特典などもあり、FC琉球ファンはさらに楽しめる企画が用意されています。
「AWAPASS」にはFC琉球のファン化促進だけではなく、若者の泡盛離れを解決しようと県内の産業振興を目指して始まりました。泡盛や飲みの場という沖縄文化とスポーツとのコラボレーションで、県内の皆さまにFC琉球の勝敗に一喜一憂してもらいながら飲食店とともに沖縄の街を盛り上げていきたいという想いを備えています。
今回は3つ紹介させていただきましたが、他にもスポーツチームと飲食業界の関わりは数多く存在します。SNSなどのオンラインコンテンツを活用することは注目を集めやすいと思いますが、地域に根差した取り組みは、とても重要であると思います。新型コロナウイルスの影響もあり、経済的なダメージが大きかった飲食業界とスポーツ業界ですが、このような相乗効果が期待できるアイデアは今後さらに増えるのではないかと思います。