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6月の外食売上は2019年対比103.5%で好調 店舗数は92.8%にてコロナ余波残る

日本フードサービス協会は7月25日、「外食産業市場動向調査」の2023年6月度集計結果(有効回収事業社229社、36,500店舗)を発表しました。全体売上は昨年同月比で111.8%、2019年同月比でも103.5%となり、コロナ前水準を上回るほどの回復を見せています。これは、5月に新型コロナウイルス感染症の5類移行を受けて人流が戻り外食消費が増えたことと、インバウンド需要が要因であると考えられます。

一方、店舗数では前年同月比で98.5%、2019年同月比では92.8%となっており、コロナによる閉店の影響はまだ補填できていない状況であることがうかがえます。
このデータをポジティブに捉えれば、コロナを乗り越え今生き残っている店舗に対する追い風が吹いているということです。店舗数が少なくなった中で需要はコロナ前よりも増加しているのでいかにそのシェアを確保するかにかかっていると見てとれます。

各業態の概況を同協会は下記の通り記しています。

<業態別概況>
ファーストフード業態
• 全体売上は111.2%、コロナ禍前の19年対比では115.6%となった。
「洋風」は、期間限定の新商品が好評で売上堅調、108.4%。「和風」は、一部でシニア層の店内飲食への戻りがあり、売上117.9%。「麺類」は、都心のビルインやSC立地店舗の回復基調などで、売上113.1%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、父の日前後の「回転寿司」が好調で、売上108.3%。「その他」は、月前半に気温が高く「アイスクリーム」が好調、また都心部の繁華街やSCへの人流が回復したことで、売上は113.1%。ファミリーレストラン業態
• 全体売上は前年比111.8%、19年比は93.9%となった。
• 立地によっても異なるが、全体としては持ち直し基調が継続、閉店時間を遅くする店舗も徐々に増え、「洋風」は売上111.9%、「和風」は売上111.4%。「中華」は、店内・店外ともに客足堅調、売上111.6%。「焼き肉」は、各社で差があるものの、「郊外立地店」の一部は好調を維持、売上は112.4%となった。パブ・居酒屋業態
• 「パブ・居酒屋」の売上は前年比114.7%、19年比で66.1%となった。夕方からの早い時間帯では、客足が19年を上回るところもある一方で、夜遅い時間の客足の戻りはまだ鈍いなど、賑わう時間帯が変化している。コロナ禍で繁華街やオフィス街の店舗閉鎖も多く見られるが、存続の店舗では大きめのグループ宴会が少しずつ戻るなど、経営環境には明るい兆しも見え始めている。ディナーレストラン業態
• 入国制限の緩和以降、インバウンドの回復が続いており、1回あたり利用金額も大きく、客単価上昇にも寄与している。コロナの5類移行後、企業や団体の宴会も少しずつ戻り、売上は113.0%、19年比では売上91.5%となった。喫茶業態
• 観光地などを中心に、商業施設やオフィス街でも人流の回復が続き、売上は116.0%、19年比で96.7%となった。

詳細のデータはこちらをご覧ください。
http://www.jfnet.or.jp/files/getujidata-2023-06.pdf

INBOUND PLUS 編集部

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