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6月の実質賃金は前年同月比-1.6% 15か月連続で前年割れ、今後も続く低価格志向

厚生労働省が8月8日に発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年同月比1.6%減でした。マイナス幅は前月の0.9%減から拡大し、市場予想(0.9%減)よりも大きい結果となりました。名目賃金に相当する1人当たりの現金給与総額は2.3%増の46万2,040円と18カ月連続で増加したものの、伸び率は市場予想(3.0%増)を下回りました。所定内給与は1.4%増。ボーナスなど「特別に支払われた給与」は3.5%増でした。
今回の結果によって、物価変動の影響を除いた実質賃金は、6月までで15カ月連続で前年割れとなり、減少幅も前月から拡大しました。
2022年から続く物価上昇に対して賃金の上昇が追いついておらず、生活を逼迫していることがうかがえます。物価は上昇していても消費マインドは低価格を求め、デフレ下の勝ち組が継続してニーズが高いことが予想されます。

飲食業界においても値上げを余儀なくされる企業が相次いでおりますが、集客には苦戦をしている企業が多いのが実態です。サイゼリヤのように値上げをせず、継続した低価格商品の提供に努めている企業が飲食業や小売業においても伸びています。

低価格と高品質のバランス、店舗の世界観含めた体験の提供が必須の時代です。
そして、賃金上昇も日本経済を復調させていく上で企業の責務となりつつあります。

7月28日に最低賃金の引上げが発表されましたが、アルバイトのみならず正社員においても新卒社員をはじめベースアップをする企業が増加しています。採用難が深刻な課題の飲食業界において、自社の従業員の給与を上げていくこと、その為には売上アップ、収益構造の改善を両立させなくてはなりません。これはピンチのように見えて質実剛健な企業体質を作るチャンスでもあります。

低価格志向はまだ続くことが予想されるひとつの象徴的な数字として、実質賃金の速報をお伝えしました。

INBOUND PLUS 編集部

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