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事業承継は深刻な課題 個人店がM&Aを活用できるのか?

飲食業界は競争が激しく、経済環境の変化や消費者の嗜好の変化に素早く対応しなければならない厳しい業界です。このような状況の中で、M&A(Mergers and Acquisitions)は大きな選択肢の一つとなっています。

M&Aとは企業が他の企業を買収したり、2つ以上の企業が合併することを指します。
“Mergers”(合併)は、2つ以上の企業が統合され、新たな法人が誕生するプロセスで、合併は通常、同じ業界の同等の規模の企業間で行われ、それぞれの企業が相互に利益を得ることを目指します。
一方、”Acquisitions”(買収)は、ある企業が他の企業の株式を購入し、支配権を得る行為を指します。買収は通常、大企業が小企業を買収する形で行われ、新たな市場への進出、業績の改善、競争力の強化などが主な目的となります。

個人経営の飲食店がM&Aを活用するメリットとしては、まず同じビジネスステージにある他の飲食店と合併することで、経営資源を共有し、規模を拡大することによって、運営の効率化を図ることができます。さらに、その店舗のブランド、顧客基盤、レシピなどを手に入れ、新たな市場への進出や新たな業態を生み出すことが可能になります。以前の記事で紹介した(https://inboundplus.jp/feature/97696/ )ようにマッシュアップの考え方で新しいビジネスモデルを生み出すかもしれません。また、売却・譲渡側は撤退費用を抑え、かつ譲渡利益を得ることができます。

ここからは実際の飲食店M&A事例を紹介します。

2021年スシローグローバルホールディングスが吉野家ホールディングスの「京樽」を完全子会社しました。これは同業態でのM&A事例で、テイクアウト事業を強化することや店舗の拡大を目的としています。実際にダブルブランドのテイクアウト専門店がオープンしています。(https://www.akindo-sushiro.co.jp/pdf/20210701_release.pdf FOOD&LIFE COMPANIES)
異業種間でのM&A事例もあります。2021年にJR九州が網屋、ロイヤルフーズ焼肉や居酒屋といった飲食事業を承継しました。これはJ R側は事業の多角化を、網屋は創業者会長の引退による事業継承を目的としたM&Aです。(https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/08/03/210803_Newsrelease_jigyoujouto.pdf)
また、飲食店の海外進出強化のためにM&Aを活用する例として、2018年に丸亀製麺などを運営しているトリドールホールディングスは香港の雲南ヌードルチェーン「譚仔雲南米線」と「譚仔三哥米線」を運営する〈Tam Jai International Co. Limited〉を完全子会社化しました。香港市場への進出や日本における香港ヌードル店のオープンを目的としています。(https://www.toridoll.com/company/index.html)

上記のように飲食店のM&A事例は大手が多く、個人店にとっては難易度が高いと言えます。中小飲食店においては後継者に悩む高齢になってきている経営者が譲渡側で事業継承の一つの手段として活用することが考えられます。
M&Aは飲食店のビジネスモデルを大きく変える可能性があり、適切に活用すれば事業の拡大や新たな可能性を開くきっかけとなります。一方で、割高で買ってしまうことやコンセプトが変わってしまうことによる顧客離反やブランド力の低下、経営方針の不一致(完全な子会社でない場合の意思決定の不一致)などのリスクを伴うことも考えられます。

買収価格は主にブランド力や立地などの経営資源や過去の営業利益・純利益をもとに算出されます。
個人飲食店において買収は難しく、事業継承の手段の一つとして活用することが考えられます。
「バトンズ」(https://batonz.jp/sell_cases/bk_700)では、売り手側の利用料が無料でマッチングサービスを受けることができるので、事業継承を検討している方はぜひ確認してみてください。かなり専門的な知識と経験が必要になりますので、M&Aアドバイザーに相談することをおすすめいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

INBOUND PLUS 編集部

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