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食の最先端技術!今話題のフードテックとその事例とは?

フードテックという言葉をご存知でしょうか?
フードテックは「food」と「technology」を組み合わせた造語であり、食に関する生産、加工、流通、調理といった過程においての最先端技術の導入を指します。金融とITが融合したFinTechや人材とITが融合したHRTechなどのように、食もITと融合することで新たなビジネスモデルが生まれることに期待が集まっています。農林水産省のレポート(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sosyutu/attach/pdf/meguji.pdf 大臣官新事業・食品産業部)によるとフードテック分野への投資額は年々増加しており、2021年には世界で532億ドル(7.5兆円)*1の投資額を計上しています。今後も投資が増えていく見通しで、フードテックの市場は拡大していくとみられます。

フードテックが求められる背景としては大きく2つあります。ひとつは食料需要の増大に伴う資源危機、もうひとつは栄養不良の二重負荷(低栄養・過栄養)と多様化するニーズです。世界の食料需要の増加と自然資本の存続可能性に危機が高まっていることが挙げられます。食料需要は2050年に2010年比で1.7倍になると想定されており 、増大するタンパク質源等の需要への対応が必要とされています。また、地球の限界を意味する「プラネタリー・バウンダリー」の項目のうち、気候変動、土地利用変化などの4項目で境界をすでに超え、農林水産業・食品産業が利活用してきた土地や水、生物資源などの自然資本の持続 可能性に大きな危機が迫っているところ、持続可能な食料供給への要請が高まっていることを背景に、世界の食料需要の増大に対応した持続可能な食料供給の実現が求められているのです。

もうひとつの栄養不良の二重負荷&多様化するニーズについては、健康志向や環境志向など人々の価値観が多様化するなか、食に求めるニーズは、健康や環境負荷の低さのみならず、食文化の継承や調理の楽しみなど多様化しています。嚥下障害や食物アレルギーのある者も食を楽しむことができるような環境整備や、食品の購入や飲食に不便を感じる「食料品アクセス問題」の解消が求められています。 よって個人の多様なニーズを満たす豊かで健康な食生活の実現が求められているのです。

本記事では、上記のレポートで主要分野として挙げられている代替食品・食品ロス削減・スマート食品産業の事例をご紹介します。1(1ドルを140円として換算)

代替食品の分野では、植物性タンパク質が注目を集めています。
植物性タンパク質はプラントベースミートとも呼ばれ、植物由来の原料から作られたタンパク質です。以前ヴィーガン記事でも取り上げたように、モスバーガーでソイミートが使われていたりするなど大手チェーン店でも植物性タンパク質に関するオプションがあります。 (https://www.mos.jp/menu/category/?c_id=33

ミツカングループの株式会社ZENB JAPANはスーパーフード黄えんどう豆100%でできているパスタやカレー、スナックなどを提供し人気を集めています。コンビニエンスストアの一部店舗でも販売が始まっているほど普及をし出しています。(https://zenb.jp/)CRUST JAPAN株式会社は食品ロス削減に貢献するサービスとして大手パンブランドや地ビールメーカーと提携し、余剰となる端材パンと天然水からビールを製造しています。

同社のホームページにはお客様の感想が紹介されています。

「正直、クセがある味かと思っていたが、すっきりとした味でゴクゴク飲みやすい。後味が残らず、キレがある感じがたまらん!CRUSTのビール、親とか友達とかにオススメしやすいなぁと思いました◎「このビール、廃棄予定だったパンから作られたんだってー」って気軽に食品ロス問題の話題も出来そう!」

これこそが今の環境問題に適している動きではないでしょうか。環境問題は政府がやること、企業が寄付などで行うことではなく、皆が共に、そして美味しく自然と取り組むことです。そしてその取り組みを周囲に伝播していくこと。これが大切です。この要素をCRUSTの取り組みは備えています。https://www.crust-group.com/jp
飲食店においてもこのような食材を使ったメニューによって、健康志向・環境志向の高い方に共に社会課題に取り組むという提案ができるのではないでしょうか。

最期にスマート食品産業の事例をご紹介します。これは、AIロボットや需要予測、調達サービスの活用によって人手不足下での安定供給や食品ロス削減・環境負荷軽減に貢献するものです。コネクテッドロボティクス株式会社は皿の種類や汚れ具合を判別し、シャ ワー・ブラシによる予洗い、食洗機での洗浄、洗浄後のお皿を棚に並べる作業を実施するロボットを提供しています。食洗器があったとしても結局人が作業する部分が残ります。このロボットによって洗い場担当の人手を更に削減することにつながります。
仕込みを外注化し、有名店の仕込みが自店にも展開できる一挙両得なサービスも誕生しています。(シコメルフードテックhttps://corp.shikomel.com/)これによって飲食店の仕込みにまつわるコストや時間を削減し、人手不足の解消や従業員の労働負荷の軽減に繋がります。

このようにフードテックは新しいテクノロジーやサービス、食材を使うことで新たなお客様を開拓し、業務削減も実現します。
フードテックの市場規模は拡大し続ける見通しであり、食とテクノロジーの融合が今後さらなるイノベーションとビジネスチャンスを生み出すことが期待されていますが飲食店ではすぐに導入することは難しいでしょう。まずはテスト的に導入してみることを推奨します。

本記事ではフードテックについて紹介させていただきました。

また今後の記事で「フードテック分野VOL2」として他分野におけるフードテックについても取り上げていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

INBOUND PLUS 編集部

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