飲食業の皆さまに役立つ、
最新トレンド・ニュースを発信するサイト

アニメやゲーム、あらゆるエンターテイメントと 飲食サービスをかけ合わせ新しい価値を創り出す-エスエルディー-

― 株式会社エスエルディー ―

株式会社エスエルディーは、2004年に創業されました。現在、関東、東北、東海、近畿、九州の主要都市において、主要ブランド「kawara Cafe&DINING」を中心に33店舗を展開しています。同社の事業は、大きく二つに分けられており、飲食サービスとコンテンツ企画サービスを提供しています。2015年に東証JASDAQに上場。同社は「音楽」、「アート」、「食」に注力し、カルチャーコンテンツを充実させた店舗作りでお客様のニーズをつかみ、これまで発展してきました。

企業理念「-To Entertain People-(より多くの人々を楽しませるために)」を掲げ、どのような取り組みを行っているのか、同社代表取締役社長の有村 譲様へお話を伺いました。

今回の取材で同社の取り組みには4つのポイントがありました。
この4つのポイントの詳細はインタビューの模様をご覧いただければと思います。


1.-To Entertain People-に基づき、時代のニーズに合わせた「IP」を活用したコンテンツを提供、社内に企業理念を浸透させる様々な取り組みを実施
(※IP<Intellectual Property>:個人または企業が自らの努力で生み出した知的財産=著作権や商標権など)
・社内の理念浸透のため入社後に「理念勉強会」を実施
・毎月一度、社内のグループウェアを通じて社長からトップメッセージを発信
・半年に一度、今期の方針説明会で事業戦略を理念に基づいて説明

2.「全員が企画=全員現場主義」で入社一年目から商品開発に挑戦出来る場の提供
   ・店舗お勧め商品の開発に入社1年目から参加できるコンテストの実施(入社半年社員が商品開発し、販売に至った実例あり)

 3.「SLDアカデミー」教育プログラムの実施   
店舗運営に役立つ実践的なコンテンツの提供(例:イーゼルのデザインの学習)
・工場見学や生産地の視察などによる背景知識の獲得と付加価値の提供
新入社員向けの社会人としての対応やビジネス基礎の研修、役職に応じた研修プログラムの実施

4.人事評価に「コンピテンシー(行動特性)評価」と「MBO(目標管理制度)評価」を取り入れ向上心と主体性を育む
(※MBOとは<Management by Objectives>従業員に個人目標を決めてもらい、その進捗や達成度合いによって人事評価を決める)


事業への思い、社内への浸透

――企業理念をどのような想いで掲げ、また、理念をどのようにして社内に浸透させていますか?

(有村社長)
私たちはお客様に「食」を通して楽しんでいただくことをミッションと考えています。創業時は理念を基に「音楽」や「アート」に特化したコンテンツを行なっていましたが、時代の変化に合わせてアップデートしてきました。現在は、企業全体の中心となるようなアニメやゲームなど時代のニーズに合わせたコンテンツとコラボレーションした「IP」を活用した事業に注力しています。私たちは新しい発想で多くの方が喜ばれるものを幅広く提供したいと考えています。この考えを社内に浸透させるため、入社後に「理念勉強会」を実施し、理念の共有や行動指針を身に付けてもらっています。また、毎月一度、社内のグループウェアを通じて私からトップメッセージを発信し、全社員に対して私の想いや取り組みの進捗状況、役員会での討論内容、業績などを共有しています。さらに、半年に一度、今期の方針説明会で事業戦略を理念に基づいて説明しています。

――今後のビジョン、実現したい未来をお聞かせください。

(有村社長)
企業の規模拡大を目指すことも大事ですが、私は飲食業界でエスエルディーにしかできない独自の価値を築き上げることを望んでいます。当社はIPコンテンツを活用したコラボカフェを運営しており、コロナ禍においても好調な成績を収めました。私たちの強みは「食」と「IP」の融合であり、この強みや価値に魅力を感じて入社してくれる人達が増え、会社が更に成長していくことを願っています。

全員が企画=全員現場主義

――社風づくりや従業員のモチベーションを高める工夫、取り組みはありますか?

(有村社長)
カンパニーポリシーを「全員が企画=全員現場主義」と掲げています。その一貫として入社1年目でも商品開発に携われる「メニューグランプリ」があります。これは店舗に出すお勧め商品の開発を行うコンテストです。参加者は、開発商品に対してテーマや定量的指標、費用対効果などのさまざまな基準を設定して進めます。出来上がった商品は上長の評価や口コミなどを取りまとめ、ファイナリストを選出。ファイナリストの商品を私を含めた本社スタッフで試食し、優勝者を決定します。優勝者には報奨金を支給しています。「メニューグランプリ」が開催される前の2021年度にはなりますが、入社半年目の新入社員が「メルトショートケーキ」というスイーツを開発し、販売しました。この商品はSNSでも大きな反響を呼び、メディアからの取材も受けるなど、注目を集めました。(メルトショートケーキhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000372.000023331.html)

やってみたいと意欲的に手を上げてくれる人に対して環境を準備することは大切だと思っています。従業員の意欲向上だけでなく、企業全体の成長につながることを期待しています。

――従業員の育成や評価ではどのようなことを行っていますか?

(有村社長)
当社には、「SLDアカデミー」という教育プログラムがあります。店舗運営に役立つ実践的なコンテンツを用意しています。

例えば、店舗のイーゼルには目をひくようなデザインなどを社内のデザインチームから学ぶことができます。また、工場見学や生産地の視察などを実施し、料理を提供するだけではなく生産背景を知り、付加価値を提供できるような知識を蓄積する場も設けています。この他にも、 新入社員には社会人としての適切な対応やビジネスの基礎を学ぶための研修や、役職に応じたを研修を定期的に実施しています。

SLDアカデミーは年度ごとに、どの階層が弱点であり重点的に育成するべきかを見極めながら研修を進めています。

多様な業態を展開しているため、オペレーションに関しては店舗でのOJTが主要な形式となっています。しかし、コロナ禍においてはモバイルオーダーの導入により、業務の効率化が急速に進みました。

評価については、社員の能力や適性を客観的に評価する「コンピテンシー(行動特性)評価」と社員自らが目標到達までを管理する「MBO(目標管理制度)評価」を取り入れています。

「コンピテンシー評価」では、高い成果を上げている社員の「行動」を評価基準として設定しています。これにより、実践的な基準をもとに社員を評価することができます。社員が「何を努力すれば評価されるのか」を明確に理解することで、向上心が促されます。一方、「MBO評価」では、設定した目標を達成するために、自身の業務量やスピードを管理することが求められます。これにより、自己管理能力の向上や主体的な行動が育まれることになります。

一緒に働く人へ

――どのような人材が求められていますか?また求職者の方に伝えたいことは何ですか?

(有村社長)
私たち飲食業界は、お客様に喜んでもらい「ありがとう」と言っていただける仕事です。ご満足していただかなければ、料金をいただくことは礼儀に反すると考えています。私たちはお客様からたくさんの感謝の言葉をいただけるよう、仕事を推進してくれる人と一緒に働きたいと思っています。
私が社員に伝えていることは、あらゆる困難に立ち向かい取り組む姿勢は大事ですが、困難に直面した際、時に逃げることも必要であるとも話しています。苦しい時は一旦下がり、別のルートを探ったり先輩に相談したり、道具を用いるなど、様々な選択肢が存在することに気づくことが重要です。すべての経験が成長につながることを理解してもらいたいと思っています。従業員にはこの会社で多くの経験を積んでいただきたいと考えています。

店舗情報:kawara CAFE&DINING 銀座店(代表店舗)/  東京都中央区銀座西3−1 インズ1内 2階

 

写真提供: 株式会社エスエルディー  /  取材、執筆:秋山直子

INBOUND PLUS 編集部

この執筆者の記事一覧