コロナ後の回復状況を確認するにあたり、飲食業界における代表的なプラットフォームである食べログとぐるなびの動向はひとつの潮流として見てとれます。
両社の業績を、2020年3月期を100としてその推移を見てみましょう。2020年3月期はコロナが本格的に始まった2月、3月の2カ月のみが影響しているため、この決算期をコロナ直前の期として比較しています。
グラフの通り、食べログはコロナ前水準の88.7%にまで回復しているのに対し、ぐるなびは依然減少傾向にあり、コロナ前対比で39.8%となっています。
2023年の四半期別で見るとぐるなびも回復傾向にあるので、今後更なる復調が期待されますが、2018年から2023年までの業績推移を見てみるとコロナ影響を強く受け、通期ではまだ黒字化するに至っていません。
対して、食べログは次のグラフの通り、有料プラン店舗数がコロナ前よりも多くなり、それと比例するかのようにネット予約数も増大しています。
ネット予約人数はコロナ前対比150.2%、有料プラン店舗数は115.4%で既にコロナ前を上回っています。
これが今年度の業績に好影響を及ぼすであろうと予想されます。
有料プラン店舗数が2020年3月期時点では59100店舗であったのに対して2023年3月期では68200店に増加しています。
これはコロナ規制が緩和され飲食店への集客が回復したことで、飲食店が再度広告を積極的に行ったことの表れであると見てとれます。
集客の再強化とともに必須のテーマとなるのが、そのお客様を円滑に対応するための人手の問題です。
インバウンド含め追い風が吹いている飲食業において、お客様のリピート利用をしっかりと獲得するためにも採用・集客・サービスの三位一体の強化策がまさに今必要とされています。