皆さまはテーマレストランをご存知でしょうか。テーマレストランは特定のテーマやコンセプトに基づいてデザインやメニューが組み立てられたレストランのことです。アニメやゲーム、映画などキャラクターコンセプトを取り入れたレストラン、特定の文化や国の料理に特化したテーマレストランがあります。本記事ではユニークな魅力がある「テーマレストラン」について紹介していきます。
まず、ご紹介させていただくのは「NINJA TOKYO」(https://www.ninja-tokyo.jp/)です。「NINJA TOKYO」は忍者の世界観をコンセプトにしたレストランで日本文化を好む観光客からは絶大の人気を誇っています。同店は、自ら忍者に仮装して写真を撮れるフォトスポットや忍者が料理を運んでくるといった多彩な演出があり、客が体験ベースで食事を楽しめる場を提供されています。
また、「個室居酒屋6年4組」(https://www.6nen4kumi.com/)は小学校をコンセプトに作られた飲食店で、懐かしの給食を味わうことができます。その他にも駄菓子の食べ放題や小学生のテスト体験、ランドセルを背負って写真撮影ができるなど小学生にタイムスリップしたような経験ができます。一般的な教室以外にも校長室、理科室、音楽室など多彩な教室があり、どの教室になるのか来店するまでわからないという楽しみもあります。小学校の同窓会に使うのも良さそうですね。
最後に「ざうお」(https://www.zauo.com/) を紹介します。「ざうお」は「楽しいを釣ろう!」というコンセプトをもとに、店内にある巨大な生簀と木造船から釣りを楽しむことができ、自分で釣った魚をその場で調理してもらい食べるという非日常的な経験が味わえます。釣りと食事が一体となった独特な世界観を経験したい観光客や子連れの家族に人気があります。
上記のテーマレストランのように、商品を買う「モノ消費」ではなく、サービスを体験する「コト消費」の視点から飲食店を経営することで他店舗との差別化に繋がり、新しい顧客を獲得できるのではないでしょうか。つまり、料理の味だけではなく、その店の雰囲気、接客、体験に大きな価値を感じている客層も多く存在することが改めて認識できます。客がどのようなものに価値を求めているのか、顧客のニーズをキャッチして新しいアイディアを形にすることはビジネスでは重要であり、「テーマレストラン」だけではなく一般的な飲食店や企業にとっても大切です。
実はこの潮流は外食のみならず小売店でも同じことが起きています。製品哲学にサステナビリティを据え、環境に害のない素材に徹底的にこだわり、製造工場から本社業務、店舗運営にいたるまで再生エネルギーを積極活用している、allbirds(オールバーズ)がその代表的な企業です。サステナブルに特化した店舗で、セールやコーディネート訴求で売り込んだりする他の小売店とは異なり、いかに環境にこだわって製品を作っているかが店舗においても訴求されています。その企業姿勢に共感し、レオナルド・ディカプリオ氏が愛用していることでも話題になりました。https://www.allbirds.jp/pages/materialistic
オイシックス・ラ・大地のように安心・安全・健康をコンセプトにした定期宅配サービスも大きな支持を得ています。コロナ影響をもろともせず、2019年から2022年で売上が約1.8倍にも拡大しています。
総合的なニーズよりも、テーマ特化したこだわり、品質の高さを求める潮流であることがうかがえます。全てを他社と同じ品揃えにする必要はなく、自社の個性や理念に徹底的にこだわり、突出したテーマを掲げることが今の時流に合っているのだと思います。
それがメディアから取材が多く入るポイントでもあります。
自分たちでお金をかけて広告をするのではなく、斬新な取り組みや店舗に対して取材が入る広報の流れを強化することにつながります。
食べる、飲むという物理的価値だけではなく体験価値を付加するモデルとしてテーマ特化型のレストランに今後も注目が集まります。
最後までお読みいただきありがとうございます。