観光庁が5月31日に公表した数値(https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001611700.pdf)によると、2023年4月の客室稼働率は55.6%でコロナ前の2019年と比較し-6%、宿泊数では-0.9%にまで回復してきています。
外国人宿泊の比率は21.8%にて1038万人の規模にまでインバウンドも復調しています。次のグラフは宿泊形態別の前年対比です。ビジネスホテルが+12.2%と企業の出張が戻ってきていることが顕著に数字に表れています。旅館においては+5%で33.3%まで客室稼働率が上がってきているとはいえ、約7割が空室というのは依然深刻な状況と言わざるを得ません。
宿泊稼働率上位15都道府県
宿泊稼働率下位10都道府県
では都道府県別に見てみるとどうかというと、全体では東京が73.2%と1位で次いで、福岡、愛知、広島と続きます。出張と観光の両面の特性を持っているエリアの稼働率が好調のようです。
旅館稼働率上位15都道府県
次に旅館の都道府県別の順位を見てみると、香川県が1位で71.9%と突出して高い数字となっています。2位は大分で56.4%と各地の観光産業がどれくらい回復してきているかが見てとれます。
外国人宿泊数上位15都道府県
外国人宿泊数が最も多いのは東京で303万人と圧倒的に多い結果となっています。2位の大阪が107万人、3位の京都が82万人、北海道が44万人ですからどれだけ東京に外国人旅行客が集中しているかが分かります。東京で全体の40%、上位15都道府県で92%を占めるほどインバウンド顧客が一定地域に集中しているということになります。
宿泊における外国人比率上位15都道府県
外国人宿泊客が占める割合の上位15都道府県についても、宿泊数上位都道府県が並び、インバウンド顧客の方に対する親身な対応が求められます。インバウンドを短期的な特需に終わらせないためにも、各旅館やホテルなどの海外の方への対応の真価が問われるところです。言語対応はもちろんのこと、こちらから積極的に手を差し伸べてお困り事を解消し、楽しい旅行の演出をサポートすることで、SNSにおける拡散、リピートや紹介につながることでしょう。