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「食のプロフェッショナルが紡ぎ出す、特別な日のオーダーメイド」ひらまつが提供する、世界に誇る一貫したサービスの魅力

唯一無二の企業価値の確立 ― 株式会社ひらまつ ―
お客様のハレの日に寄り添い、豊かな『時』を彩る

国内にフランス料理やイタリア料理、日本料理のレストランを22店舗、カフェ4店舗、ホテル7館を展開。加えて、ブライダル事業や外販事業も推進する株式会社ひらまつ。繊細な料理や空間、サービスに国内外で高い評価を得ています。2022年、創業40周年を迎えた同社は「食」を通してお客様の大切なハレの日に寄り添い、特別な「時」を提供しています。

企業の想いや飲食店が抱える課題について、株式会社ひらまつ代表取締役社長兼CEO 遠藤久様にお話をうかがいました。

ハレの日に寄り添えるおもてなしを

-御社のミッションに「食の可能性を広げ、心ゆさぶる『時』を提供する」とあります。お客様にどのような価値を提供したいとお考えですか?

(遠藤社長)我々はお客様の人生に訪れる”ハレの日”に、ひらまつだからこその特別な体験価値を提供したいと思っています。レストランやホテルをご利用いただく際、単に食事や宿泊するだけではなく、大切な人とテーブルを囲む時間や旅の滞在時間など、ひらまつで過ごす全ての時間を楽しんでいただきたい。そのために特別な空間や美味しい料理、そして感動するおもてなしを提供しています。

-続いて「この世界を、食の感動で繋がる大きなテーブルに」このビジョンはどのような想いで掲げられたのでしょうか?

(遠藤社長)当社で働く様々な人材がそれぞれの強みを活かし、協力しあうことで、シナジー(相乗効果)による新しい価値が生まれます。このように社員一人ひとりが食やおもてなしを追求することが、全国に展開するレストランやホテルで関わらせていただいている地域の発展や活性化に繋がっていくと考えます。また、日本の食はもちろん文化や伝統的な技術、おもてなしは世界で高い評価を得ています。食を囲み豊かな時を過ごす「テーブル」を舞台にした我々の活動が感動を生み、当社のみならず自治体、日本、そして世界を一つに繋いでいきたい、ビジョンにはそんな想いを込めました。

-これまでに困難だと思われたことはありますか?

会社として40年の歴史があり、創業者がここまで事業を発展させ、磨き上げてこられました。私が株式会社ひらまつの代表取締役社長に就任した2020年は、新型コロナウイルスの拡大により、営業自粛や時短営業など、飲食業界全体が大きく打撃を受けていました。当社も例外ではなく、全レストランの休業や長期にわたる時短営業、アルコール提供の自粛など、今後の経営に対して危機感を強く覚えました。
私が立て直しを図るために行ったことは三つあります。一つ目は全国の店舗を訪れ、社員が気づけていない潜在的な価値の磨き上げをすることが必要であると伝え、今一度自分たちの価値を明確にしました。二つ目は、ウィズコロナにおけるお客様の価値観変容にあわせて成長戦略を見直しました。三つ目は会社が再成長する為の最適なパートナーを探すとともに資金の調達に尽力しました。そこで我々の将来に可能性を見出してくれた株式会社マルハン太平洋クラブインベストメントとともに今後の事業の再成長を目指していくことになりました。
新生ひらまつに向け各事業を一から見直し、皆で一丸となって取り組んだ結果、2022年12月は40年の歴史で過去最高売上を記録しました。

常に将来の目標をイメージする

-飲食業界全体で人手不足という課題がありますがどのようにお考えですか?
また、どのような人と一緒に働きたいと思われますか?

(遠藤社長)飲食業界での人材不足は社内でもよく議論する課題の一つです。働き方の抜本的な改革がなされない限り飲食業界の人手不足は変わらないと思っています。長時間労働や低賃金という問題に、様々な視点から分析し総合的に取り組まなければなりません。我々はビジネスを成功させる上で一番大切なものは「人財」だと考えています。当社の理念に共感し、主体的に実行してくれる強いチームが無ければ、お客様の期待を越える体験価値の提供は実現しません。

働き方を見直すために、業務をより効率的に行うためのシステム作りや従業員の教育、評価制度を改善するなど、人事制度を強化することが大切です。社員の道しるべとなる理念やビジョンを定め、人事制度を整えることで、社員は迷うことなく業務に取り組み、将来のビジョンを描くことができます。自己成長が促され、人財が育っていく。ひらまつは社員の成長があるからこそ、お客様に最高の「時」を提供することができます。社員が輝くことで企業も成長する、そんな企業でありたいと思います。

私は大学卒業後、新入社員として日本マクドナルド社に入社し、28年間勤務しました。店長やエリアマネージャー、統括マネージャーなどを経て、最終的には執行役員として店舗運営管理に携わりました。なぜ私が役員になるまで続けていられたかを振り返ると、常になりたい将来を想い描き、目的を持って行動していたからだと思います。

どのような目標を持ち行動するのかは自分自身の成長や満足感、更には幸福感を得るために非常に重要です。新入社員には「意志あるところに道は開ける」という言葉を伝えています。自らの進む道にしっかりとブレない軸を持ち、覚悟を決め努力を惜しまず取り組むことで必ず道が開けるということです。従業員には何十年先のことは分からずとも今あるポジションや環境の中で自分がどこに向かい何がやりたいのかを考えて欲しい。当社で叶えたい目的や夢を持つ人達に集まっていただきたいと思っています。

-入社後の教育面で工夫している取り組みはありますか?

(遠藤社長)当社に仲間入りいただく社員が、安心して力を発揮できるような取り組みを行っています。
この三年間は新入社員に向けた「Welcome Program」に力を入れてきました。これは新入社員を温かく迎え入れ、安心して過ごせる環境でチーム連携や仕事に対するモチベーションをあげてもらう取り組みです。一人ひとりにメンターをつけ不安なことに寄り添うサポートを入社後約3ヶ月間行います。
ウェルカム精神は、お客様と接するホスピタリティ業界で重要な要素となります。職場内の雰囲気や人間関係を良好に保つためにも大切だと考えています。

最近では料理の国際コンクールで当社の社員が日本代表に選ばれたのですが、このようなコンテストや世界を知る機会を用意し、学んだことを次なる世代に伝えていく取り組みにも力を入れています。社員達には経験やスキルを積み上げ、自分の理想とするキャリアを実現して欲しいと考えています。他には独立支援制度を作り、店舗のマネジメントを学ぶ研修やデジタルのトレーニングシステムを取り入れるなど、様々な角度から従業員の育成を推進しています。

ハイエンドな時間を海外旅行者に提供

-今後コロナが落ち着き、また外国人観光客が増えると言われています。インバウンドへのお考えや、どのような対策をされているかお聞かせください。

(遠藤社長)今年に入りコロナが少しずつ落ち着いてきた中で外国人観光客は増えてきていますが、皆さん日本ならではの観光地や文化的な体験、そして食事を楽しみにされています。
当社が有するホテルは、京都をはじめ国内でも有数の観光地にありながら、自然や文化を感じられる、喧騒から離れた特別感のあるロケーションです。加えてひらまつは、なんと言っても食体験とおもてなし。外国人観光客の皆さんが求める全てが叶う場所だと自負しています。このように、インバウンドはホテル事業を主力と捉え、世界に向けた発信の強化を進めています。もちろん、レストランでも受け入れ対策を行っています。外国語が喋れるスタッフが対応したり、メニューも多国語表記にしているのでお客様がコースを選ぶ際に迷われることはありません。こちらはコロナ前から変わらないところでもあります。

ホスピタリティな人財が強み

-企業の強みは何でしょうか?

(遠藤社長)まず第一に人財です。ホスピタリティ精神を持った料理人やサービススタッフ、ソムリエ、コンシェルジュなど様々なスタッフがお互いの強みを活かして連携し、相乗効果を生み出すことを我々は「マリアージュ」と呼んでいます。このマリアージュがあるからこそ、お客様に最高の「時」を価値として提供できるのです。そしてこれらをレストラン事業やブライダル事業、ホテル事業において行えているのは大きな強みだと思います。また、「ポール・ボキューズ」や「オーベルジュ・ド・リル」などのフランスにある名店との提携も強みの一つであり、国内でも当社だけだと自負しております。

日本の食文化とおもてなしは海外でも非常に評価されています。我々の役割に一層磨きをかけ、今後は世界に向けて事業を発展させていきたいと考えています。

ひらまつの価値を世界へ

-『つなぐ』という観点で今後の事業をどのようにして未来に繋いでいきたいとお考えですか?

(遠藤社長)ひらまつが誇る「食」を日本のみならず世界に向けて発信していきます。レストランやウエディング、ホテルを一気通貫で実行できるひらまつの価値を次世代に繋いでいきたいと思っています。
またコロナのような状況に見舞われ店舗運営ができなくなっても、ひらまつの価値をお客様にお届けし続けられる物販やデリバリー業態で収益が取れるような仕組みの強化も行います更に地方創生にも力を入れて地域の活性化にも貢献していきます。それは、携わってくださる地域の方々と共に成長し、皆の人生が豊かになるような企業でありたいからです。お客様の大切なハレの日に寄り添う仕事に就きたい、ひらまつで働きたい、そのように思っていただける“働きたい会社ナンバーワン”を目指したいと思います。

店舗情報:THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海 静岡県熱海市熱海1993-237

 

【取材後記】
インタビューのなかで企業の発展には「人財」が大事であると言われています。従業員が企業のビジョンや目標に共感し、それに向けた行動をとることは企業の成長にもつながります。従業員の入社後に行われる「Welcome Program」でおもてなしの心やチームワークを学ぶことに注力されるのはそのためなのだと思います。人材の育成や地域創生の取り組みなど、企業が挑戦を続けることで企業の新たな価値が生み出され発展へとつながる。
お客様のハレの日をより一層輝かせるサポートがしたいという、人への想いが顧客満足度を高めるだけでなく、お客様との信頼関係も築けるのだと今回のインタビューを通して感じることができました。

写真提供:株式会社ひらまつ /  取材、執筆:秋山直子

INBOUND PLUS 編集部

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