楽しいことをビジネスに
― 株式会社DREAM ON ―
「食」を通してお客様と従業員のより良い未来を創造する

東京都や愛知県に居酒屋やバル、カフェ、ベーカリーなどの飲食店を18店舗展開している株式会社DREAM ON。飲食店の運営に加え、店舗の開業支援や人材育成などのコンサルティングサービスも提供しています。社員が自分の夢を追いかけながら働くことを支援し、同社から今後、多くの社長輩出を目指して事業展開をされています。

企業の想いや飲食店が抱える課題について、グループ会社である株式会社 ESPRESSO D　WORKS(EDW) 代表 戸塚様にお話をうかがいました。

コロナを機にカフェ業態を拡大

－様々な事業を行われていますが、どのような経緯で飲食業界に進出されましたか？

(EDW 戸塚代表)大学時代に飲食店でアルバイトをしていた赤塚(代表取締役)が仕事に楽しさを覚え、大学卒業時に愛知県にある現会長の店を引き継ぎ、店長としてリニューアルオープンさせたことが飲食事業に携わるきっかけになったと聞いております。やるなら日本一を目指したいと始めた店ですが、多くの仲間が増えて現在は東京や愛知に様々なブランドで展開させていただいています。

戸塚代表のグループ事業「ESPRESSO D WORKS」はどのような経緯で出店されることになったのでしょうか？

(EDW 戸塚代表)2020年頃のコロナ禍にニューヨークスタイルの「ESPRESSO D WORKS」というカフェ業態をFC(フランチャイズ)化して出店する機会をいただきました。世間はコロナで夜の外食を自粛される方が多く居酒屋など通常営業ができない中、ランチやカフェにお客様のニーズが高まり、多くの方々にお越しいただくことができました。この機をビジネスチャンスと感じ、FC事業として拡大させるタイミングで分社化し、私は「ESPRESSO D WORKS」代表に就任いたしました。

分社は会社を成長させるためでもありましたが、企業理念の一部にある「働く人の物心両面の幸せを目指す」という概念をもとに仕事の楽しさや喜び、安定した収入を得て皆に豊かな人生を送って欲しいという赤塚(代表取締役)の考えからでもあります。

－これまでに困難だと思われたことはありますか？

(EDW 戸塚代表)赤塚(代表取締役)から聞いた話になりますが、大学卒業後に初めて店長として居酒屋をリニューアルオープンさせるにあたり、従来のスタッフ達と新たなチーム作りをすることが大変だったそうです。飲食店での就労経験はあるものの経営の知識や経験もない彼がすんなりと受け入れてもらえずに、スタッフと対立したこともあったと聞いています。しかし持ち前の明るさや、仕事に対する熱意は誰にも負けないという想いで店に立ち、口で言うだけではなく自らが行動をしてみせたことで次第に皆も協力しようという雰囲気に変わり、団結できるようになったそうです。

もうひとつは「居酒屋甲子園」という居酒屋の日本一を決める大きなイベントを主催した時。このイベントは、“居酒屋から日本を、世界を元気にする”という想いで赤塚(代表取締役)を含む4人の理事が発起人となり、スポンサー企業や全国の居酒屋に参加を呼びかけて実現した大会です。
初回開催に至るまで赤塚は店の営業をしながら参加を呼びかける運動や講演会、スポンサーへの挨拶回りなどをこなしていましたので相当大変だったと思います。この大会は2022年で15回目になり、全国から約1700店舗の居酒屋が参加しています。
当社も過去二回優勝させていただいたことで、居酒屋としてもまわりから周知していただける店になったと思っています。

会社が好きで一緒に盛り上げてくれる人

－飲食業界全体で人手不足という課題がありますがどのようにお考えですか？
また、どのような人と一緒に働きたいと思われますか？

(EDW 戸塚代表)飲食業界で人手不足という課題があることは存じていますが、当社はコロナ禍でFC展開に力をいれてまいりましたので、以前よりも採用を増やすことができています。コロナの影響でブライダル業や航空業など飲食業界以外からの応募も多数ありました。様々な視点をもつ方々が私達の仲間になってくれたことは、企業として成長していく力になると期待しています。
面接など採用に関しては店舗の店長ではなく当社の採用チームが行います。各店舗で採用基準にブレをなくすためです。当社は明るく元気な社風ですので一緒に楽しんで盛り上げてくれる明るくて素直な人と一緒に働きたいと考えています。そして入社してDREAM ONを好きになってくれると嬉しいです。
過去に、一度面接で落ちた子がしばらくしてまた当社に応募してきてくれたことがありました。現在その子は教育チームのトップとして若いスタッフの指導にあたっています。当社の理念に共感し、会社が好きだという熱意は周りのスタッフにもお客様にも伝わります。スタッフには働くことを心から楽しんで欲しいと思っています。

－入社後の教育面で工夫している取り組みやコミュニケーションの取り方はありますか？

(EDW 戸塚代表)採用時と同様で、所属する店舗に入るまでに教育チームがオペレーションを行います。これは店舗毎だと店長の力量差が出てしまうことや、繁盛店は教える時間が取れないなどの理由からです。教育チームは現場経験者ですので新しいスタッフの不安な気持ちも汲み取り、現場でもサポートを行います。一貫した指導でどの店舗でも基準の高いサービスができていると思います。
他にもDREAM ONユニバーシティという講習会を行っています。社内で専門分野の知見がある者がそれぞれ講座を主催し、スタッフは興味のある講座を大学のように好きに受講できる制度です。自分の意欲次第で様々な専門知識が学べるようになっています。
皆とのコミュニケーションは目標設定などを確認する月2回の会議やレクリエーションの他に、月に1回「70の質問」という自己理解を深めるためのアンケートを全員に提出してもらっています。挨拶ができていますか？というような簡単な項目も含めた70項目の質問ですが、これを元に今ある不安や頑張っていることを理解し声かけをするようにしています。

インバウンド集客、環境への取り組み

－今後コロナが落ち着き、また外国人観光客が増えると言われています。
インバウンド対策や環境に優しい取り組みは何かされていますか？

(EDW 戸塚代表)多国語メニューの設置、Wi-Fiの提供は行っていますが、接客などの対策についてはこれからの課題となります。簡単な英語や中国語を用いた接客講座はあるのですが、現在は英語が話せる若いスタッフに助けられています。
環境問題の取り組みに関しては、ベースにある食品ロスをなくす取り組みの他に、テイクアウト用の包材を環境に優しいものに変更しています。

ワクワクすることを忘れない強い組織力

－企業の強みは何でしょうか？

(EDW 戸塚代表)一言で言うと組織力の高い会社だと思います。赤塚(代表取締役)や企業理念に共感する人達がワンチームになり同じ方向を向いて進んでいけているのだと思います。赤塚は常にワクワクすることを考えているし、私達にもワクワクを発信してくれています。ワクワクする目標を決めたら皆が努力し助け合って信頼関係が構築され組織にまとまりを持たせてくれます。
そして一度やると決めたことは徹底してやることにこだわっています。例で言うと店の営業前に行う朝礼です。朝礼では店長が目標を伝え大きな声で元気よく挨拶をします。短時間ですが朝礼をすることで士気が高まり、開店準備からお客様を迎える営業時間へ気持ちを切り替えることができています。これは例外なくずっと続いています。
今後も新たな事業を皆で楽しみながら挑戦し続けていきたいです。

将来の夢は30事業で30人の社長を輩出

『つなぐ』という観点で今後の事業をどのようにして未来に繋いでいきたいとお考えですか？

(EDW 戸塚代表)私は今後もカフェ業態を拡大していきたいと思っています。そして赤塚(代表取締役)は社員に対して物心両面の豊かさを持って幸せになってもらいたいという共創の想いで、当社から多くの社長を輩出させたいと考えています。現在はDREAM ONから分社した社長が私を入れて4人おります。
将来は30事業で30人の社長を創りたい。その夢のために、まず我々4人が事業の功績を残して次の人達へつなげたいと思います。
事業を成功させるためには人を育てることが何よりも大切で、それが会社を育てることにもなり楽しい未来へつながっていくのだと思います。そして自分達の夢を実現するだけでなく、お客様にも夢を与えられる会社でありたいと思っています。

店舗情報：ESPRESSO D WORKS（エスプレッソディーワークス）（代表店舗）
東京都渋谷区恵比寿1-22-19 プライムメゾン 1Ｆ

【取材後記】
社員の幸せを願い赤塚代表取締役が描いた30事業30人の社長輩出の夢。その夢に社員達も応えたいとワンチームで様々な事業に取り組んでおられます。お客様に喜んでいただくことを目標に企業と社員がワクワクできることを共有しているから新しいチャレンジにも高い視座と団結力をもって挑んでいけるのだと今回のインタビューを通して感じることができました。

写真提供：株式会社DREAM ON /  取材、執筆：秋山直子