キーマンインタビュー
自動外貨両替機で日本の観光を盛り上げる
1年半で国内シェアNo.1を獲得したSMART EXCHANGEとは
株式会社アクトプロ SMART EXCHANGE事業本部 本部長 中野雅人様
自動外貨両替機市場で設置台数国内No.1の実績を誇るSMART EXCHANGE事業をはじめ、多岐に渡る事業を展開する株式会社アクトプロ。同社は国内での自動外貨両替市場のトップシェアを1年半で達成しました。2020年には国内での成功モデルを国外向けに調整し、国外でのサービスをスタートさせました。外貨両替に着目した経緯・事業を通じて目指している未来について、株式会社アクトプロSMART EXCHANGE事業本部本部長の中野雅人さんに伺いました。
SMART EXCHANGE本体と、本部長中野様。
社長とスタッフの熱い想いが国内トップシェアの礎
SMART EXCHANGE事業をスタートさせたきっかけについて教えてください
70か国以上を旅していた弊社社長は、海外での商売に対する思いを常に抱いておりました。ここ10年ほどで状況が変わり、海外に行かなくても海外からのお客様が増えています。その点に着目して、海外に出る前に、まず日本に来て下さったお客様を相手にしようとなったんです。我々も仕事の関係上、よく海外に訪れていたということもあり、Exchange(両替所)は海外には多いけど、日本には少ない事を体験的に知っていました。訪日観光客が増える中で、日本でもExchange(両替所)が増えていくのかなと考えていましたが、なかなか増えない状況が続きました。そんな中でインバウンドの潮流において「両替」というニッチな分野で、No.1を取れたら面白そうだよねという結論に至り、事業をスタートさせることになりました。そうして弊社は、2016年6月に設置した1台目から1年半で、業界トップシェアを獲得しました。その際には、「観光立国」というテーマに対する政府の熱量や、少子高齢化問題でこれからは外貨を獲得していかなければいけない、というトレンドに後押しを受けました。大手企業が参入出来ないモデルであり、我々の従来の強みである出開店サポートから培った立地開拓であればシナジーが生まれるのではないかと考え、現在の事業スタイルが生まれています。
自動外貨両替業界の状況について教えてください
日本全国で自動外貨両替機は約800台設置されています。弊社は425台設置しているので、半分ほどの国内シェアを獲得しているということになります。次に世界を見てみると自動外貨両替機は1,000台あるかないかといった数字です。10年ほど前は「ドルから元だけ対応!」のようにひとつの通貨ペアのみに対応しているものがあったようですが、両替機の機能に対するニーズが高まった今では使われないようです。
SMART EXCHANGEは、12種類の通貨に対応。
事業参入のタイミングと行動力が業界内の立ち位置を決めた
1年半で業界トップシェアを獲得出来た要因はなんでしょうか?
参入タイミングは重要でした。初めてトップシェアを取った時の台数は120〜130台程度なんですが、現在の業界2位の設置台数が110台程度で停滞している事を考慮すると、外貨両替にとって有用なスペースにいち早く置けたことが大切だったと思います。また事業スタート当初はデータもない状況なので、足を使って置ける場所に置くというスタイルを取っていました。今稼働しているところでも、当時足を使って見つけた場所がほとんどです。実際に置いてみるとコンビニなんかはローカライズされているのであまり稼働しない、とか、部屋数の多いホテルよりも訪日観光客の方が多く来るドミトリー周辺はよく稼働するよね、という発見があり面白いです。
全国で400台以上が稼働。日本全体で50%以上のシェアを誇る。
QRコードを読み取れば、近くにある自動両替機の場所を探すことができる。
設置する場所へのこだわりを教えてください
場所としては海外のお客様が多くいる場所に設置をしています。そのほかにも視認性・動線が稼働率に関係していますので、少し立ち止まる場所の方が両替機設置においては好ましいと言えます。特に気にしている点は「お客様の視界に何秒入るか」です。しかし全て稼働しているわけではなく、実際に設置して試行錯誤を繰り返す中で600台以上設置はしています。その中で継続稼働している425箇所の共通点として上記が挙げられると思います。
外貨自動両替機をきっかけとした人の流れを作り出し、日本の観光業を盛り上げる
外貨自動両替機が生み出す効果について教えてください
経済的な面だと、外貨自動両替機が徒歩圏内にあることによって、周辺に落ちる現金の売上は確実に上がります。実例でいうと、弊社は富士山の5合目に外貨自動両替機を置いています。富士登山中にペットボトルの水を購入しようとすると500円かかります。しかし登山者にとっては必要な支出なので外貨自動両替機を利用せざるを得ない、そして両替したお金で物を購入するという流れがあります。これが日本の観光業には重要な役割を担っています。両替をして日本での体験を増やしていく、体験を増やすことでファンを増やす、ファンが日本旅行のリピーターになっていく…という流れに対して、外貨両替という一見小さな機能が効果的に働くと信じています。両替というニッチな分野から、日本を世界一の観光国にする手伝いが出来れば最高です。
国内・国外での展望について教えてください。
国内だと、東京・大阪・京都近辺に集中して設置数を増やしていきたいです。1,000台設置してみて、600台は稼働させたまま残したいと考えています。地域で見ると東北からもお声がけいただきますが、弊社だけではやりきれない部分もあるので自治体様からの支援が必要だと考えています。国外だと、観光という点で外貨自動両替機をひとつの文化に出来たら面白いと考えています。グローバルスタンダードは両替所で両替をすることです。外貨自動両替機というのは観光客にとっても目新しいものなので、1ドルだけ両替してみるという人もいらっしゃいます。新しい外貨自動両替機という日本で成功したモデルを輸出して、文化を世界で広げていきたいです。様々なモノの値段が安いと言われる東南アジアでも人件費・固定費が上がって来ているので、オートメーションを導入したいというニーズが高まって来ています。特に観光都市だと、両替文化が根付いていて、弊社のモデルでオートメーション化出来うる箇所が多いです。実際に世界中の銀行や事業家の方々から問合せをいただく機会も増えています。今年から海外に事業を拡大しているのですが、そういったお声がけもあり2021年6月までに国外のみで500台を設置する予定で、2021年末までに1,000台を目指します。
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