キーマンインタビュー
移り変わりの早い訪日中国人の動向にどう対応していくか!?
いま「買いたい」「買った」が分かるマーケティングコンシェルジュ
株式会社トレンドExpress / 濱野 智成 代表取締役社長
移り変わりの早い訪日中国人の動向にどう対応していくか。これから訪日ビジネスを展開していく中で、もっとも重要になってくる中国人の「動向を知る」ことができるマーケティングコンシェルジュ「図解中国トレンドExpress」を提供する株式会社トレンドExpress濱野智成代表取締役社長にインタビューしました。
これからは外需の取り込みが重要!?インバウンドに限らず、クロスバウンドに力を入れていくことが必要
インバウンド市場に参入した理由、きっかけは?
これから確実に日本の人口は減っていくと予測されます。その中で外需の取り込みが重要になると考え、インバウンド事業には限らず、アウトバウンド事業を含めたクロスバウンドに力を入れていくことが必要と考えています。これからは観光人口を増やすことがキーになってきますが、日本は観光コンテンツが豊かであり、アジアの中でのポジショニングを考えると、非常にポテンシャルが高い市場なので、このインバウンド市場への積極的な参入を決断しました。
また、弊社の強みは、国内外のソーシャルビッグデータ収集・分析であり、中国版Twitterと呼ばれる「新浪微博(シナウェイボー)」を始めとした中国ソーシャルビッグデータについても分析の実績がありました。そこで、訪日外国人の40%を占めると言われる訪日中国人のインサイトを分析した事業ができないかと思い、2015年5月に「図解中国トレンドExpress」の提供を開始しました。
「市場のウォッチング」と「情報キャッチアップ」に活用
「図解中国トレンドExpress」でできることは?
訪日インバウンド市場では、まだまだ、新しい領域に投資しようという企業や店舗は少ない状況です。その中で、入りやすいという商品で「図解中国トレンドExpress」を始めています。訪日客が増えてきて、何かやらないといけないという企業様に、低予算で提供できるサービスとして立ち上げました。
主に、メーカー様、ドラックストアや百貨店などの小売業様、自治体様、または、それらの企業にソリューションを提供するベンダー様に「図解中国トレンドExpress」を利用してもらっています。使い方としては、中国の動向は移り変わりが早いので、当たり前だと思っていることがどんどん変わっていく、その変化を捉える「市場のウォッチング」。また、全く中国のことが分からないという方たちが、まずは「中国」「中国人」について知るために「情報キャッチアップ」をしていく手段として利用してもらっています。春節や国慶節などを知るための基礎的なコンテンツから始まり、最近はライブ動画が流行っているなどの旬な動向を知ることができます。「中国」「中国人」について知ってもらい、その中で自社の立ち位置を定めるために活用いただけたらと考えています。
中国人の今、「買った」「買いたい」の推移を確認できる
「図解中国トレンドExpress」の具体的な活用方法についてお聞かせください。
「図解中国トレンドExpress」で発信する情報をキャッチすれば、中国人の消費などの動向の風上に立てるので正しい情報を入手でき、企業のマーケティング活動に実践的に活用できると考えています。
具体的には、企業の店舗の営業の方や店舗のマネージャーの方にデータを展開したり、週次や月次で社内勉強会を開催して社内のナレッジ開発に利用している会社が多いです。その他には、小売業様などは、口コミデータを元に、中国人の今、「買った」「買いたい」の推移を見て、消費動向の現状と予兆を確認することができるので、棚割りに活用している企業様も多いです。また、POSデータと口コミデータの相関を分析しているメーカー様もおり、6割7割くらいは相関してくるという声も出ています。自社商品と競合商品の相関を分析することもできます。
訪日中国人におけるインバウンド消費市場はこれからも伸びる
「図解中国トレンドExpress」の今後の展開についてお聞かせください。
「図解中国トレンドExpress」は、ID制限がないので、1社月額80,000円で利用することができます。小売業様などでは、1契約で、全国の店舗のマネージャー様に利用頂くことも可能ですし、メーカー様もブランド関係なく1契約で利用いただけます。今後は宿泊産業や外食産業、また地方拠点の企業様に利用いただきたいと考えています。
また、これまで月4回特集記事を作成しており、それを今後Web化し、「情報のプラットフォーム」を作る構想を進めています。
現在、ニュースなどで、爆買いが終焉していると報道されていますが、消費対象商品が多様化・分散化され、2015年当時100カテゴリ程度であった購買対象の商品カテゴリが、現在は4倍の400商品カテゴリまで伸びてきています。このように選ばれる商品が多様になり分散され消費される中で、これまでの一極集中的に購買されていた爆買いのようなイメージは薄まってきていますが、訪日中国人全体の消費額は伸びています。弊社は、訪日中国人におけるインバウンド消費市場はこれからも伸びると予測しており、その中で、主に訪日中国人対応を迫られている企業様に役立つサービスを提供していこうと考えています。