ゼンショーホールディングスが発表した5月のすき家の既存店客数は、前年同月比で9%減少しました。これは、3月下旬に発生した異物混入問題の影響が続いていることを示しており、客数の前年割れは3カ月連続となります。しかし、4月の既存店客数は16%減であるため、減少幅は縮小しており、回復の兆しが見え始めています。
本記事では、今回の異物混入問題からゼンショーホールディングスが行った対策や今後の展望について詳しく紹介します。
問題発生と対策の強化
異物混入問題を受けて、すき家は大規模な清掃対応のため、4月には全店で約3日間の休業という異例の措置を取りました。これは、単なる一時的な営業停止ではなく、顧客の食の安全に対する懸念を払拭し、店舗全体の衛生状態を根本から見直すための徹底した取り組みでした。
その後、営業を再開するにあたり、以前の24時間営業体制を見直し、毎日午前3時から4時の間を清掃業務に充てるという、新たな衛生管理体制を導入しました。この時間帯は、通常店舗が最も混雑しない時間帯であり、お客様への影響を最小限に抑えつつ、店舗内の隅々まで清掃と消毒を徹底することが可能になります。食材の管理、調理器具の洗浄、従業員の衛生指導など、多岐にわたる項目で衛生基準を厳格化し、再発防止に向けた抜本的な改革を進めました。これらの迅速かつ徹底した衛生対策が功を奏し、それまで続いていた顧客の流出に一定の歯止めがかかってきたものと考えられます。
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信頼回復への取り組み
すき家は、他にも顧客の信頼回復に並々ならぬ努力を注いでいます。その具体的な取り組みの一つが、5月末に公式ホームページ内に開設された「清潔と衛生管理」に関する特設ページです。このページでは、単に衛生管理を強化していると謳うだけでなく、その具体的な内容を詳細に紹介しています。
例えば、勤務者の体調管理については、出勤前の健康チェックや発熱時の対応など、従業員一人ひとりが衛生意識を高く保つための具体的な手順が明記されています。また、食材の期限・温度管理に関しては、仕入れから調理、提供に至るまでの各段階での徹底した品質管理体制が示されており、お客様に安全な食材を提供するための取り組みが強調されています。
さらに、店舗の設備や機器の定期的な点検についても触れられており、厨房機器の清掃状況や故障の有無など、お客様が直接目にすることのない部分まで、細部にわたる衛生管理が行われていることをアピールしています。
こうした透明性の高い情報開示を通じて、すき家は顧客に対して「ここまで徹底している」という安心感を提供し、異物混入問題で失われた信頼を少しずつでも取り戻し、再び店舗に安心して足を運んでもらえるよう努めています。
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おわりに
本記事では、異物混入問題を受けて行われた対応、対策について紹介しました。異物混入問題の影響は依然として残るものの、すき家が迅速に実施した衛生対策と情報公開が、顧客の信頼回復に貢献し始めています。客数の減少幅が縮小傾向にあること、そして客単価の上昇が売上を支えていることは、今後の業績回復に向けて明るい材料と言えるでしょう。これからも、徹底した衛生管理と顧客への透明性のある情報提供を継続することで、すき家がさらなる信頼回復と持続的な成長を遂げていくことに期待が膨らみます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。